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アイコンの花魁はわたし

もう5年くらい前になるだろうか、高校時代からの友人である女性カメラマンにアイコンにある花魁写真を撮ってもらった。すでに私は2人目の子供を産んで、育児疲れで少しやせていた。満39歳。

もうアラフォーなのに今更恥ずかしいなと思いながらも、30代の思い出と彼女のスタジオへの餞別がてら撮影したのがこの花魁変身写真である。

彼女の写真スタジオは、新生児から妊婦までの記念フォトをメインに、花魁やオードリーヘップバーンにも変身できるという知る人ぞ知る人気の写真スタジオ。

父親からの老舗の会社を受け継ぎ、会社とは別に自分のスタジオを経営している。人気の秘密は、カメラの腕の良さはもちろんなのだが、なんといっても彼女の人柄が良いからだ。

彼女は、女性が惚れてしまうようなカッコいい女性、「ハンサムウーマン」だ。150センチもないでだろう華奢な身体で大型バイクを乗りこなし、男友達を引き連れて北海道をツーリング。38までバリバリ仕事人間かと思いきや北海道でもやり手のイケメン経営者と結婚した。

そして40過ぎて出産もし、毎日忙しい中、育児をしながら会社経営をしているんだから、女性としても人としても尊敬しかない。それに加え、人一倍、何十倍も努力している姿も私は知っているから・・・本当にすごいとしか言いようがない。

高校時代はあんなことしてあんなんだったのに・・・と、彼女に会うと何とも言えない、嬉しさや可笑しさがこみ上げニヤケ顔になってしまう。

いつも彼女を思い出すと、
【私は努力もしていないし、何もない、何も頑張っていないという虚脱感】
【年齢なんて関係ない!私も何かを見つけてまだまだ頑張るぞ!という高揚感】
の両方の気持ちが沸き上がる。

今、専業主婦からライターとして活動している事実は、少なからず彼女の影響を良い意味で受けたからだと思う。

私の人生の中でプロのメイク、プロのカメラマンに撮ってもらった経験は計3回。成人式、結婚式、そしてこの花魁だ。

特にこの花魁メイクをしてくれた方は、いつもはテレビ局で芸能人のメイクを担当するような本場のメイクアップアーティストで、運よく時間が合いメイクをしてもらえたのだ。子供のころからクール女子を売りにしている私も地味にテンションがあがった。
ちなみに小学校卒業文集の私の夢は「女優」である。

友人のカメラマンにまんまと乗せられて女優気取りのポーズや表情を作る・・・恥ずかしすぎて自分でも見られない写真もちらほら。それでも写真はとても気に入っているし、本当に良い記念になったので撮って良かったなとつくづく思う。

正直恥ずかしいから知っている人にはあまり見せていないし、これからも見せるつもりはない。

ねぇ見て見て!と、見せたい気持ちも多少はあるけれど、
「こんな写真見せて綺麗だとでも思ってるの?バカじゃない!」
なんて思われるのではないかと、不安で、怖くて、自意識過剰で、昔から「そうじゃないのに・・・」
と見た目と心のギャップに戸惑い、多くのことを諦めながら、自分に自信を表に出さないように、できるだけ目立たぬように生きてきた。

消えたいとは思わなかったけれど、明日起きたら違う自分になっていたらいいのになぁ~・・・と二十歳くらいまで毎日のようにずっと思って生きてきた。今でもたまに思うことがある。よくある「変身願望」というものなのだろうか。

その話はまた別の機会に。

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