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片親サバイバーってなに?

私は「片親サバイバー」と名乗って情報発信しています。
まずは自己紹介も含めて、この「片親サバイバーってなに?」ってことについてご説明しますね。

【片親サバイバーとは?】
虐待サバイバーのなかでも、特に「片親」であることに起因した虐待や暴力、貧困や社会的不利益を生き抜いて育った子どもを指して命名した言葉です。

子どもへの虐待には、知られざるパターンがある

子どもへの虐待問題は当事者でないとわからない問題に満ち溢れていて、その最大要因の一つが「片親」という問題です。
虐待の問題が浸透するようになり、虐待サバイバーという存在も知られるようになってきました。しかしながら、虐待が発生するメカニズムは実にさまざまなでひと言では語れないほど複雑なのに、虐待問題は一緒くたに語られてしまっています。

特に大きな違いは、両親がいる家庭での虐待と、片親家庭(ひとり親家庭)での虐待です。両者は「まったく別物」というほど違います。虐待問題を扱う際、私たちはこの二つを明確に分けて考える必要がありますが、メディアだけではなく、専門家でさえ両者を分け、その違いを正確に理解している人はいません。
これは経験者でないとその違いがわからないからです。会社の経営者にならないと経営者の苦労はわからない、それと同じですね。現場では、どれだけ頭で想像するよりも、大変で突飛もない、想像もつかない凄惨なことが簡単に起こってしまうんです!!

子どもへの虐待問題はちゃんと理解される必要があります。
でないと子どもは苦しみから抜け出せないからです。大人になり、親元を離れてさえ、です。私たち片親サバイバーは大きな枠組みで自身の虐待経験を語られることによって、常に大きな違和感を抱えながら社会で生きています。時には作られたイメージによって、まったく実情とは異なる「レッテルづけ」をされることもあり、大人になってからもその二次被害、三次被害に苦しんでいます。

虐待を受けた子どもたち、そして虐待を受けて大人になったサバイバーたち……。特に「片親」という要因によって虐待が発生していることを広く認知することで、日本の家族問題を考えるきっかけにしてほしい!!

何より私たちと同じように片親という社会問題によって苦しむ子どもたち、虐待を生き抜いたサバイバーたちが誤解や偏見によってこれ以上苦しむことがない社会を作っていきたいと思い、私は「片親サバイバー」と名乗り発信する決意をしました。

あなたはどうやって片親になるか、わかりますか?

誤解のないようお伝えしておくと、片親のすべてが悪いわけではありません。もちろん、片親家庭でもすばらしい家庭はたくさんあります。子どもも健全で幸せな家庭はたくさんあります。それは、両親のいる家庭にも幸せな家庭もあれば、毎日暴力が絶えない家庭もあるのと同じです。

問題は、片親といっても「片親になるプロセス」にはさまざまな経緯があることです。ざっと並べただけでも、

①死別
②円満離婚
③調停による離婚
④離婚裁判
⑤離婚もせず別居


などがあります。このどれによって片親になっているかで、子どもへの虐待のリスクは大きく変わります。注目してほしいのは①②と③〜⑤の境界線です。

「両親のいる片親家庭」VS「両親のいない片親家庭」

このふたつの境界線の最大の違いは、両親が仲良く離婚して片親家庭になったかどうかです。①の「死別」は両親の意図によって別れたケースではありません。不慮の出来事によって予期せずに片親になったケースです。②も両親が不仲とは言えませんが、③〜⑤のパターンでは両親が不仲となり争いが生じています。これが子どもの虐待が発生するかどうかの大きな要因となります。

その理由の1点目は、両親が不仲の場合、そのしわ寄せは必ず子どもにいくからです。たとえば不仲によるイライラは必ず子どもに向かいます。そのストレスが重なり親が精神疾患になればますます子どもは暴力にさらされます。家庭という閉鎖空間のなかでとてもリスキーな状態になるわけです。

2点目は、両親の親権争いに子どもが巻き込まれているということ。その時点で子どもには深刻な虐待が発生しているケースがほとんどといって過言ではありません。たとえば親は親権を獲得するためにもう一方の親の悪口を子どもに吹き込みます。子どもの健全な育成に「両親」は必須条件です。しかし、親の勝手なエゴで子どもにとって必要不可欠な両親の存在を壊してしまうのです。これは立派な精神的虐待として位置付けられています。

最後の3点目に「連れ去り」という問題があります。これが一番深刻です。親権争いで有利に立つために、親は子どもを勝手に連れ去り、別居するケースが絶えません。子どもが嫌がっているのを無理やり手を引っ張って、住み慣れた家から引き離し、友人とも引き裂かれ、突然片親生活を強いられ、両親と会いたいといえば暴力を振るわれる。そんな家庭がたくさんあります。これが最も深刻な虐待を生んでいる「片親家庭」という暴力の苗床です。

たった一度の「連れ去り行為」の瞬間から虐待が始まる

私もこの「連れ去りに遭った子」のケースで育ちましたが、そりゃもう家庭環境はひどいもんでした。連れ去り時に「一緒に行きたくない」と言うと罵声を浴びせられ、手が出るなんて当たり前でした。この話はおぃおぃ詳しくしていきますね。

子どもへの影響が深刻だからこそ「連れ去り」は違法とされているのですが、日本では平気で横行していて、毎年15万人〜20万人の子どもが被害者になっていると言われています。

連れ去りに遭った子どもたちは、もう一方の親に会いたくても会うことはできないんです。こんなひどいことが起こる背景には家族制度の問題をはじめとした、いくつかの要因があるのでこれも今後触れていきたいと思います。

確かなことは、いまの日本の状況で子どもの将来は守られませんし、日本の未来も明るいものとは決していえないこと。社会問題として私たちは認識し、早急に解決すべきです。

私たちすべての人に関わる問題だと思います。家族が幸せに生きないなんて、もったいない!

片親サバイバーは「親捨て」の覚悟をして声を挙げる

虐待を受けている子どもはたくさんいます。
そしてその多くが片親家庭です。メディアや識者は実際に経験した人たちではないので、すぐに「育児ストレス」「十分な子育て環境がない」のが原因などと言います。でも、育児のストレスとか、子育てリソースとか、そんな表面的な理由じゃありません!

背景にはもっと深い原因があるので、それを知ってほしいと思います。
虐待を受けた子ども、特に「片親サバイバー」が声を挙げるのは現代では非常に難しいことです。なぜなら「片親」に逆らうと子どもはもう生きていけません。片親から虐待を受けたと宣言することは、同時に、親を「捨て」てたった1人で生きていく覚悟が必要になります。

大げさではなく「捨てる」という覚悟です。同じ境遇の人の多くがこのように表現します。「親捨て」です。

私たちはただ「虐待があった」と他人に話をするだけで、命がけなんです。親にバレたら生活と命の危機に瀕します。だから、特に片親家庭で育った子どもの「リアルな声」は表に出てきません。
そんな環境にいる子どもたちがまだまだたくさんいること、それがかわいそうで仕方がないんです、私は。

だから、このnoteを通して「片親サバイバー」という特殊な環境があること、その環境のリアルな声を伝えることで、子どもの虐待を減らし、もっともっと子どもや家族の幸せを応援する社会になってほしいと思います。

そしてもし虐待に遭った子どもがいたら、命をかけるほどの「覚悟」をしなくても声をあげてほしい、そんなシステムを作っていきたいと思います。今のシステムでは子どもは救われません。

もちろん、私自身もサポートできる場所を作って子どもたち、そして虐待を受けて大人になったサバイバーの人たちの「心」や「身体」、なにより「人権」を守っていきたいと思います。

少しでも興味のある方、応援してもいいよ✨っていう方はぜひフォローしていただければうれしいです。今まで知らなかったお話をたくさん提供していきたいと思います😄

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自己紹介

子どもと会えない親、親と会えない子どもたちの支援を自費を投じながら行っています。少しでも多くの子どもたち、そして親子が幸せになってほしいと願っていて、周知も含めて活動を拡大したいと思っています。共感していただけたらサポートしてくださるとうれしいです。活動の支えになります。