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【チームマネジメント】腐ったリンゴの実験

このnoteにアクセスしていただきありがとうございます。主に小学校から高校までのジュニアに向けて、陸上中長距離の指導をしています。今回は『腐ったリンゴの実験』というテーマでお送ります。

今回はこちらの本の内容を引用してご紹介します。この本は大好きでとても参考にしています。

腐ったリンゴの実験

オーストラリアのサウスウェールズ大学で組織行動学を研究するウイル・フェルプスの行った実験です。

フェルプスによると、チームに悪影響を与える人間は大きくわけて3つのタイプがあるそうです。

1.性格が悪い人

相手に対して攻撃的、反抗的な態度をとるひと

2.怠け者

労力を出しおしむ、一生懸命やらないひと

3.周りを暗くする人

ネガティブで愚痴や文句ばかりを言っているひと

この実験ではそういう人が本当にチームのパフォーマンスを下げるのか試すことが目的です。目的を達成するために、ニックという黒髪ハンサムな20代の男性を使います。マーケティング戦略立てるミーティングをする様々なチームに、ニック(=腐ったリンゴ)を送り込み、3つのタイプを演じさせ、それを検証する。これが「腐ったリンゴの実験」です。

ニック超優秀

ニックの演技力はすばらしく、どのチームもパフォーマンスが30%から40%下がりました。

周りを暗くする人を演じたとき。最初はみんなやる気に満ちあふれていますが、ニックが暗い顔で下をむいていると、最終的にはみんな腕を組んで下を向いてしまいました。

怠け者を演じたとき。あっという間にグループ全体がいい加減な仕事をして、さっさとミーティングを終わらせようとしたのです。怖いのは、メンバーに感想を求めるとみんな表面上は前向きであることです。『いい仕事ができたと思います。それに楽しめました』と言うのです。つまりみんな嘘をつくのです。本心では『これはくだらない仕事だ。本気でやる価値などない』と思っています。(中学の先生や親が厳しく、自分の意見をつぶされてきたような選手は嘘つく子多いです...)

やはり腐ったリンゴは周りに影響し、パフォーマンスを下げるということが分かりました。しかし、この実験はここでは終わりません。なんとニックの攻撃が通じないチームがあったのです。しかもそれはたったひとりの存在によるものだったのです。

おいしいリンゴの存在

おいしいリンゴはジョナサンという人物でした。ものしずかで、口調は穏やか、いつもニコニコ。そんな人です。

不可解なのはこのジョナサンは特別なことをしているようには見えないということです。フェルプスはジョナサンの映像をなんども見て研究をしました。

その結果、わかったのは「ちょっとした小さな行動によって、チームに安全な環境を提供している」ということです。

ジョナサンはニックの毒に対してすぐに中和するような行動をとります。嫌味などに対して、笑顔をふりまき、なごやかな雰囲気を作る。次にジョナサンは質問をしていろんな人の発言を促し、答えを熱心にきく。するとチームメンバーは安心し、心を開いて自分の意見を自由に発言するようになる。

この実験でわかった2つの意外な事実

1.チームのパフォーマンスを決めるのは優秀な人材ではなく、「安全な環境を提供するための小さな行動」であったこと

2.ジョナサンはいわゆる「強いリーダー」ではなかったこと。

ジョナサンは先頭に立ってその場を仕切ったわけでもなければ、周りに指示をだしたわけでもありません。強烈なやる気のでるスピーチをしたわけでもありません。

すべてのメンバ-が安心し、「私たちは強固なチームだ」と確信できる環境を作っただけです。メンバーが優秀だったからではなく、メンバーの力を発揮できる環境をジョナサンは作ったのです。

最強のチームにしかみられない特徴

この本は大きな成功を収めているチームに取材し、その共通点をまとめた本です。最強のチームの共通点は、自分たちの関係を「家族」という言葉で表現するそうです。

また、以下のような行動が共通しているそうです。

・お互いの物理的な距離が近い、よく輪になっている

・アイコンタクトが多い

・握手、グータッチ、ハグなどの肉体的な接触がある

・活気のあるみじかい言葉のやりとりが多い(だれかのスピーチではない)

・チーム内の交流が盛ん。仲のいい小さなチームで固まらず、誰もがメンバー全員と会話する。

・人の話をさえぎらない

・質問をたくさんする

・人の話を熱心にきく

・ユーモアと笑いがある

・「ありがとう」という(ドアを開けてあげるなど、ちょっとした礼儀や親切を忘れない)

おわりに

いかがでしたでしょうか?私は自分の思う強いチームとの印象が違いすぎてとてつもないインパクトをうけました。

私はよく「仲のいいチームって最高だよね」って選手にいいます。これはこの本から影響をうけて、安全な環境を作るために言っている言葉です。特に女子に効果があります。女子は陰湿なドロドロした人間関係と思われがちですが、男子よりもよほど横のつながりを大切にします。だから仲のいいチームを作っていいんだ、仲のいいチームなんだと思わせると勝手に仲よくなってくれます。ウチのチームはものすごく仲がいいです^^ そういうチームだと指導者自身もたのしいです^^

安全な環境については別記事に書いてもいるのでぜひそちらも読んでみてください。


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今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

あなたにとってよい一日になりますように^^


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