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お給料半分になって考えた日本のこと


私はいま、インドで現地採用で働いています。
インドでは3月からロックダウンが始まり、8月くらいまで職場へ行けない日々が続きました。その間、給料が半分にカットされました。それは先月まで続き、今は75%になりました。

どうしてお給料半分?

ロックダウン後から教育機関は未だに対面授業を再開していません。
政府は早い段階から教育機関へ授業料の徴収をしないようにというお達しをしました。ロックダウン、外出禁止の影響で失業した人、給料カットされた人は数しれず、、
それでも、教育の機会は奪ってはいけないというのが、方針だったのでしょう。それにより、教育機関は授業を徴収できず、私の職場のように余裕のないところでは、お給料カットになったのでした。

モチベーション保つのも大変

教育の機会を奪わないように、教師はオンラインで授業をします。
言われるように授業を続けても、授業料はいつになっても入らないので、お給料は少ないままです。

さらに、毎日オンラインのために通信料も自己負担、勤め先からの有用な授業の仕方も提示されないまま、手探り状態でオンライン授業に臨みます。
それでも、お給料は減ったまま。

学習への意欲がある学生がいなければ、モチベーションを保てない教師はたくさんいたと思います。
私もこんな状況でも一生懸命勉強したいと思う学生がいてくれたので、やってこれました。
(授業料問題はいまは、解決されつつあります。)
こうした、自己犠牲や無力感をエッセンシャルワーカーの人は度々思うのでしょうか。

日本とインドの支援のちがい


日本でしたら給料が全額払われないことや休業措置となった場合、雇用主に掛け合えば保障してもらえるでしょう。雇用主がだめな場合でも、国で支援してくれる措置があります。

でも、ここインドはそんなものはありません。給付金10万円なんてものもありません。こうして海外にいると、日本は福祉が整っていると実感します。
インドでは本当に家もないような出稼ぎ労働者ですら、まともな支援を受けられていないです。支援があったとしても、現金でなく、食品や日用品の現物支給です。

そのため本当に大変な彼らからしたら、給料が半分カットされたくらいで騒ぐなやという感じでしょう。
私の場合、幸い仕事も続けられました。未婚外国人ということで現地職員より少し多めにお給料を頂いています。それは感謝しなきゃいけないことです。それでも、奨学金の返済と生活費で終わってしまうので、貯蓄を切り崩しかないです。

本当に必要な支援は

そんな状況で日本のニュースを見ているとGo toキャンペーンなるものを言っていました。
これを見た時、「ああ、日本にはこんなときでも、旅行に行けるほど余裕のある人がたくさんいるだなぁ」と思いました。
私も旅行が好きですし、お出かけしたい気持ちもわかります。
でも、こんな感染症のときに外出を促してどうするとも思いました。

もちろん、観光業や外食業も立派な日本の経済の一部です。
人が来れば、お金が落ち、売上は戻り、雇用も増えて、事業が継続できる。

にしても、今、失業して困っている人を支援するには、ものすごく周りくどいやり方ですよね。明日のご飯にも困っている人はどうしたらいいんでしょうか。

旅行や外食が好きな人は、キャンペーンがあろうがなかろうが、行けるタイミングになったら勝手にいきます。政府に言われなくても。
それでも、同調圧力の中、なかなか動き出せないから政府が促すしかないのでしょうか。

これからどうなる、どうする

今回のコロナで以前から、問題になっていた日本の貧困、格差の問題がさらに加速するのではないかと思います。
そういう大変な状況にある人たちを支援する政策もあります。

失業保険、緊急小口資金、住居確保給付金、生活保護など。
こういう暮らしに関わる支援が、もっとメディアで紹介されて困っている人に届くといいのにと思います。

私だって今、解雇されて日本に戻ったらそういう状況になることは、大いにありえます。だから、大変な時に周りから支援を受けることは悪いことでは無いし、セーフティネットは使ってこそ意味があると思うのです。

と、やたらニュースでGo toを聞いたので考えてみました。


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