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「3億円投資家VTuberはっしゃん式 1億円稼ぐ! 決算書見るだけ投資術」の感想

★3.5

なんかタイトルだけ見るとダメそうだと思ったけど、普通に良書でした。
(「億りびとが伝える投資法!」みたいなやつって再現性がなかったり、内容が薄い事がありがちですよね。。井村さんの本は速攻で売った。)

どんな指標を見て買うべきか、そしてどんな銘柄を避けるべきかを、定量的情報や根拠も合わせてちゃんと書いてくれてる。

初心者が吸収するのにちょうど良い情報量かつ内容で、僕にはとてもあってた本でした。
「オニールの成長株発掘法」とかは内容が深すぎて、数か月前の自分には吸収しきれない内容でしたし(´;ω;`)

以下メモ


①売上と利益は増えたか
・経常利益に注目
②純資産は増えたか
・純資産が連続減少、大幅減少はダメ
③自己資本比率は適正か
・50%以上◎、金融業10%以上◎ 
・ソフトバンクはレバレッジ経営は高ROE経営でもある
④今期予想はどうか
・修正の有無、事前に下方修正or上方修正
⑤進捗率と四半期特性はどうか
・業績進捗率、第1四半期4倍・第2四半期2倍、第3四半期1.33倍
⑥四季報予想と比べてどうか
⑦市場コンセンサスと比べてどうか
⑧決算状況、差異事由などを確認
⑨3年後の企業価値を予測する
⑩株価はどのように動いたか
・業績予想○、株価予想○ 最もよい

CF
FCF=営業CF+投資CF

営業CFマージン
◎15%以上
△10%未満

期首C残高より期末C残高が多いか

BS
自己資本比率:高いほどいい
◎50%以上 ×10%未満
流動比率:高いほどいい
◎200%以上 ×70%未満
当座比率:高いほどいい
◎150%以上 ×50%未満
固定長期適合率:低いほどいい
◎80%以下 ×120%超
固定比率:低いほど良い
◎100%以下 ×150%超

PL
・売上原価率、販管費率、経常利益率などの変化を時系列で確認

用語など
・売上高=営業収益(IFRS、米国会計基準)
・売上総利益:売上-売上原価、粗利益とも呼ばれる

・負ののれん代は買収して決算期の利益として処理する
→RIZAPグループはこの方法で利益を拡大、のちにビジネスモデルは崩壊した

・EBITA(イービットエー、イービッダー)
=金利支払いや税金、減価償却費を差し引く前の利益(バフェットはディスってる)

PERやROEなど
株価=PER*EPS=PBR*BPS
ROE=PBR/PER

キーエンスのPERは60倍、日本株の平均PERは4倍
→キーエンスは(何年か後に)EPSが4倍になったものさしで株価が計算されている

企業の成長ステージと株価
成長期:ROEが上昇
安定期:ROEが横ばい
減速期:ROEが低下
→外国人投資家は高ROEでリスクをとった資本効率の高い経営スタイルを好み、日本人投資家は自己資本比率が高いリスクの低い経営を好む

低PER株のバリュートラップに注意

EPSは何種類もある
前期実績EPS、今期会社予想EPS(最も使われている)、会社四季報の予想EPS、市場コンセンサスの予想EPS…

著者のEPSの出し方(特別損益などは無視)
EPS=経常利益*0.7/(発行済み株式数-自己株式数)

PERでは説明できない銘柄
・IPO株、優待株、バイオ株、仕手株…

・株式分割しなくなると成長はピークを打つ

・増資は新株を発行する公募増資や第三者割当増資と新株予約券を発行するMSワラントという2通りの方法がある
→増資で希薄化した以上の利益を上げれば企業価値はむしろ上昇する、社用企業の負債返済の増資はデメリットでしかない
→MSワラントは株主からは悪魔の増資。

・成長株候補として期待できるのは、計画を前倒しで達成する企業に限られる

著者の理論株価バリューモデル
資産価値=BPS*割引評価率
事業価値=EPS*ROA*150*財務レバレッジ補正
理論株価=(資産価値+事業価値)*リスク評価率

割引評価率は自己資本比率が引くほどディスカウント

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