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『スターバックスで普通のコーヒーを頼む人を尊敬する件』(山本ゆり)感想

あぁ、なんでこんなにも、心がホッとするんだろう…。

山本ゆりさんの心地よいテンポと飾らない内容が、なんだかスタバで友達と他愛ないお喋りをしている時の感覚にさせてくれます。いや、スタバは私にはおしゃれすぎるので、場所はドトールにしておこう。(ドトールに失礼)

さてさて、タイトルにもなっている
”スターバックスで普通のコーヒーを頼む人を尊敬する件”について見ていきましょう。

山本ゆりさん曰く、普通のコーヒーを頼んでいる人を見ると、「ほんまにホットコーヒーでOK?」って言ってあげたくなるみたいです(笑)

たしかに。

スタバと言ったら、”フラペチーノ”ですよね。あのシャリシャリした液体と固体の狭間みたいな甘いものを、ダイソン並みの吸引力で吸いたくなりますよね。

私は、この共感ポイントも好きですが、
山本ゆりさんのもっと好きな視点として、
「打合せとか、目上の人とカフェに行ったときに、フラペチーノを頼んでもいいのか?」という部分です。

なんとなく、打合せはコーヒーか紅茶、飲み会の一杯目は生ビール、学校に持って行っていいのはお茶か水、みたいな。

飲み物にもTPOがあるんだな〜と感じました。…当たり前か。

あと個人的に思うことは、”スタバ+Macで作業”というイメージが強すぎて、スタバでWindowsを開くことを、一瞬ためらってしまいます。

そういう意味でも、私にはドトールが落ち着きます。

ではもう一つ、私の好きなお話として、
「自分で希望を残す行為」というパートをご紹介します。

これは、わざと行動しないで結論を出さないことによって、自分に希望を残す行為のことです。

本の中の具体例では、営業時代、「受注もらえそう」っていうお客さんが見つかったら、その希望がなくなるのが怖くて、いつまでも商談をもちかけない、とか、ふられて完全に終わるのが怖くて、何も言わないまま相手が結婚してしまう…、などです。

行動するのが怖い理由って、もちろん失敗することを恐れるっているのもあるし、あともう一つ、”成功の可能性を期待できる自分”を失うことも怖いですよね。

以前、note記事で取り上げた『流星ワゴン』という小説において、未来を知っている状態の一雄のセリフにこんなものがありました。

”やっとわかった。信じることや夢見ることは、未来を待っているひとだけの特権だった。信じていたものに裏切られたり、夢が破れたりすることすら、未来を断ち切られたひとから見れば、それは間違いなく幸福なのだった。”

この”未来を待っているひとだけの特権”の一つに、
まさに、「自分で希望を残す行為」があるんだなと感じます。

先のことを考えては、怖くなったり、何かと自分の心に言い訳をしてみたり…。
不安なことってたくさんあると思いますが、山本ゆりさんの力強いお言葉を残して終わりにしたいと思います。

「どうせもともと大した人間じゃないねんし、
何をそんな守ることがあんねん。
まずは現状、悪いところも弱いところもすべてを認めて受け入れて 
ぶつかってみて、あかんかったらそこから解決策を探していけばいい」

それではみなさん、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

久しぶりにスタバに行きたくなったRunaでした。

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