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井上泰幸展〜特撮の世界
東京都現代美術館で開催されている「生誕100年 特撮美術監督井上康幸展
」を見に行きました。
折しも、映画「シン・ウルトラマン」公開中。
ここ、現代美術館では以前「特撮展」が開催されました。
(2012年「館長庵野秀明 特撮博物館 ミニチュアで見る昭和平成の技」)
あの時の展示、とても楽しかったのです。
充実した密度に、テンション上がったのを思い出し、今回もいそいそと出かけました。
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今回の展示も、膨大な資料があります。
中の展示は写真NGですが、この場所だけ写真を撮ることができます。
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「空の大怪獣ラドン」のセット。
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展示されている資料が見応えあって、とにかく几帳面な仕事への姿勢に脱帽でした。
上映コーナーで、ご本人の映像が流れていました。若くして第二次世界大戦に出征し、負傷。戦後に日大芸術学部を経て東宝で円谷監督と巡り合い、東宝の特撮美術監督として活躍されます。
「こんな面白い仕事があるのか」と思ったと語っておられたように、日本の高度成長期とともに特撮の黄金時代を支えた情熱が伝わってくる感じがしました。スケッチ、絵コンテから、方眼紙に書かれる図面に書き込まれる緻密な数字。細部までこだわり抜いた資料の数々を見ると「ミニチュアではなく、本物を作ろう」というその仕事ぶりがうかがえます。
2012年の庵野監督の「特撮博物館」の展示の時はこうした日本の「特撮」文化が失われる危機感が色濃く出ていました。
CGの技術が進化して、だんだん特撮が減っていく時代になったからです。
確かに「アバター」あたりからCG画像がリアルになって、どんな映像でも作れるようになり、映画でもCGが当たり前のようになりました。
でも、私は日本の「特撮」は、CGが目指しているものとは違うのではないかと思っています。
日本人の得意とするところは、作り手、受け手双方が、それを本物ではないことを分かった上で「意味」を消費している高度な遊びそのものなのではないか?
例えは、海洋堂のフィギュア。例えば食玩の数々。
食玩は、それが本物でないのは誰でもわかっています。食べられない。それでも本物のように精巧に美味しそうに作られています。でも本物だったらフォークと一緒にスパゲティが宙に浮いてるわけないじゃないですか!
人形浄瑠璃もそうです。人形劇は他の国にもありますが、操る人間は見えないようになっていますよね。「黒子」が堂々と出ちゃって人形の隣にいる形式の人形劇って世界でも珍しいと学生時代に習った記憶があります。そこには「お約束」「見なし」を楽しむ文化がある。
特撮もそうじゃないかなと思うのです。
巨大なプールのセットを作って、苦労して作っても使用されたのはわずか30秒。「お約束」を送り手と受け手で遊ぶ高度な文化ではないかと思うのです。
この展示を見て、2012年の「特撮博物館」時の写真が残ってないかな?とPCの中を探したら、出てきました。すごく人気が出て、展示会の終盤はリピーターも出て大混雑で行列になっていたのを記憶しています。
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夢のある仕事だなと、思いました。「好き」を仕事にして、情熱を注ぎ込めるっていいなと思いました。
そして、この会場のお隣で開催されていた
「吉阪隆正展」がまた、見応えあり!!だったのです。
というわけで、以下次号に続く!
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