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「変数」になり得る〜「パーパス」を軸にした経営革新



先日、ベストセラーになっている「数値化の鬼」という本を読んで、ふむふむ、と感心しました。
そして本要約チャンネルについて少し触れました。

その後日談ですが、noteに、著者の方のアカウントを見つけましたので、ご紹介します。

もっと早く知っていればなぁ〜(→会社の課題図書だった)


影響されやすいので、職場でも早速色々数値化して取り組んだりしていたのですが、早々に壁にぶつかりました。

数値というと一見客観的に見えますが、データを扱う側の与件が入っていることもしばしばあります。数値化、と言ってもどういう視点からデータを切り出すのか、そもそも数値化しづらいのか、数値としての切り口が誤っているのか、判断に苦しむ場面でした。

その時、表面的な数字は、その計画にとってあまり都合が良くないデータが出てきました。そのデータは明らかに悪い、というわけではない。しかし、良いわけでもない。
これはプレゼン資料が作りにくい数値だなぁ。

さて、困った。

出てきた数字を額面通り受け取って計画を保留、または中止としたほうがよいのか?はたまた判断するのに重要な部分が見落とされているのではないか?なんとなくモヤモヤしていました。

そのモヤモヤから、しばらく他の観点からも調査をしていました。

そんな時にこちらの動画に出会いました。


「パーパス」を軸にした経営革新とステークホルダー経営


実は、こちらに登場している会社の中には、お取引先がありまして、営業さんからこの話を聞いたことがありました。ですので、まず会社の方針がしっかり社員に伝わっていることに感心しました。

そしてこの中に出てきたのが、単純に数値化できることばかりではない、ということ。

イノベーションを起こすには、忌憚なく意見を述べられる「場」(心理的安全性が担保されている状態)が必要。そしていちいち目先の利益を求めていると、結果として大きな変革を起こすアイデアを潰してしまってイノベーションを起こすことができない可能性があるということ。

また「ESG EBIT」ということに触れられていました。
ESGへの取り組みが企業価値の向上にどう結びつくのか?

分析結果として人件費や研究開発費の増加が将来のPBR向上につながるという相関が明らかになったということなのです。
面白いですよねぇ。

以前、スタンフォード大の研究で
1960〜2010年の米国のGDP成長のうち、20〜40%は優秀な女性や黒人が労働市場に加わったことが寄与している、ということを知りました。

そうして考えてみると日本ではまだまだ女性の参画が低いですから、伸び代だらけ、ということになります。

また、
「部長級以上の女性管理職数を1%増やすと7年後のPBRが3%上昇。
従業員一人当たりの研修日数を1%増やすと5年後にPBRが7%上昇する」
という研究結果の記事についてもnoteに書きました。

今まで、コストセンターと言われていた部門、数値化できないと言われていた部署でも、こんな風に効果を得ることができるのですね。

一見、「数値化の鬼」と真逆の話のようで、実は「数値化の鬼」の中で述べられている「変数」を見出すことと、長期的な立場で物事を見るというパートで言われていることに当てはまることに思い至りました。

ストーリーがしっかりしていることが大切かもしれないな…(それはあるいは「志」と読み替えられる部分だと思いました)

そうして、もう一度プレゼン資料を見直して、関係する他部署の意見を求めてみようと思って聞きに行きました。
すると、立場が変わると新しいアイデアが出てくるもので、他部署からとても有益なアドヴァイスをいただきました。

自分1人で考えて近視眼的になっていたことが、色々な人に教えを乞うとより考えが深まることを実感しました。

「ダイバーシティ」という単語が巷でよく登場するようになりました。やはり色々な立場、視点から意見を求めることにより、さらに考察が深まると思います。そして、上記の「非財務指標改善で財務が改善される」という例のように長い期間でデータを取ってみたらとても効果が出ていた、という事例を考えると、「パーパス(あるいは志)」の重要性が再認識されます。
それは、付け焼き刃では得られない日々の積み重ねで得られる財産だからです。
意識してそれを狙っていたのではなくても、女性の意見をきちんと聞いたり、部下の意見を汲み上げる風土がある職場は、日々、強い現場になっていっている。
そう考えると、意識的に実施すればまだまだ日本では改善される余地=「伸び代」があちこちにあると思います。

エネルギーや、為替や、値上げなどこの下半期の状況は厳しい見通しかもしれませんが、まだまだ伸び代がたくさんあるとすれば、困難な状況を打開する道も開けてくると思いました。


今回の動画では、他にもこれからの時代のマネジメントについて述べられていたので、備忘録として記しておきます。

①マネージというよりむしろファシリテートであるということ。
②これからのマネジメントは一人一人の強みを引き出す→むしろコーチである
③世界を前進させる人たちのポテンシャルを解き放つということ。



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