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台所には生活が詰まっている

「台所には生活が詰まっている」
新居で暮らし始めて約1週間。
トマトスープで余ったセロリでふりかけを作っているとき、白ごまがないことに気づいてふとそう思った。

物心ついた頃から母と一緒に台所に立っていた私は、一昨日主婦になった。
新米主婦。でも、母が働き始めた中学生の頃から我が家の夕飯はほとんど私が作っていたので主婦歴は10年以上はあると勝手に思っている。

でも、暮らしていた頃は「なんでこんなにごちゃごちゃしてるんだろう」ってちょっぴり嫌だった実家の台所には生活が、20年超の家族の歴史が詰まっていたことに気がついた。

大学時代と就職後、2回の一人暮らしを経て一人暮らしにしては多めのキッチン道具を持っていると思っていたけれど。
なくてもなんとかなると思っていた醤油差しやごますり器。滅多に使わないけれどたまに必要なすりこぎ棒や延べ棒。ふとした時に「あー、あれ実家にはあったのに...!」が積み重なっていくとあれは実家の台所に詰まった愛のカタチだったのだなと思う。

駅前にはいっぱい飲食店があって、スーパーのお惣菜は充実していて、近くにコンビニもある。今はごはんを手作りしなくても十分に生きていける時代だけれど。
あれは、家族の健康を願って、家族の笑顔を楽しみにして、母と私で作り上げてきた台所だったんだなぁ。

実家の姓を抜けて、新しいパートナーとあるき出したばかり。
いつかそんな温かい台所になっていたらいいなと思いながら。
さて、お皿洗わないと。

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