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対話的な校則見直しを応援する「みんなのルールメイキングプロジェクト」とは

ルールメイキングとは、学校の校則・ルールの対話的な見直しを通じて、みんなが主体的に関われる学校をつくっていく取り組みです。

わたしたち「みんなのルールメイキングプロジェクト」は全国の対話的な校則見直しの取り組みを応援するために、実証事業校へのコーディネーター派遣やパートナー校への教材提供など、自治体との連携を通して、全国にルールメイキングを広げるためのサポートを行っています。

この取り組みは認定NPO法人カタリバが2019年から取り組みはじめ、経済産業省「未来の教室」実証事業として採択されています。

■ なぜ今、校則見直しが広がっているのか

2017年、生まれつき茶色い頭髪を黒髪に染めることを強要されたとして、生徒が訴訟を起こした事件をきっかけに、「ブラック校則」という言葉が世の中に知られるようになりました。

それから数年、子どもにとって理不尽とも捉えられる校則・ルールがあること、そして各学校でそれを見直す動きが活発化していることへの注目がさらに集まっています。

2021年6月、文部科学省から全国の教育委員会へと「校則の見直し等に関する取組事例について」が発出されたり、生徒自身が作成した校則見直しに関する動画が注目を浴びたりしたというニュースも記憶に新しいと思います。社会常識や時代に合わせて積極的に校則を見直すことが、いま学校に求められています。

みんなのルールメイキングプロジェクトでは、全国に先駆けて生徒・先生・保護者・地域の方々が対話的に学校の校則見直しに関わっていくためのサポートを行ってきました。

2020年度は、岩手県立大槌高等学校(協力校)、安田女子中学高等学校(モデル校)、新渡戸文化中学校・高等学校(モデル校)、の3校と連携し、全国に先駆けて校則見直しを行ってきました。

▼大槌高校・安田女子中高 事例

次章では、2021年度の「みんなのルールメイキングプロジェクト」の取り組みについて紹介します。

■ 全国11校の実証事業校へコーディネーターを派遣するサポート(実証事業校)

みんなのルールメイキングプロジェクトのメイン柱として、全国11校の中学・高校へ「ルールメイキングコーディネーター」を派遣し、校則見直しのプロジェクトを推進する実証事業に取り組んでいます。

2021年度は全国から校則見直しに取り組みたい学校を公募し、下記の全国11校にコーディネーターを派遣し、校則見直しに取り組んでいます。

・泉大津市小津中学校
・大垣市立東中学校
・大阪夕陽丘学園高等学校
・駒場学園高等学校
・四條畷学園中学校
・自由学園中等科・高等科
・千葉県立姉崎高等学校
・栃木県立足利清風高等学校
・ドルトン東京学園中等部・高等部
・ノートルダム女学院中学高等学校
・山形県立遊佐高等学校

■ 校則見直しをはじめてみたい個人・学校・自治体への間接サポート(パートナー)

今では学校だけでなく自治体として取り組む方針を固めている地域も出てくるほど、全国的に校則見直しに取り組む学校・自治体が増えています。

とは言っても、「変えたい校則はあるけど、どうしたらいいんだろう?」と思う生徒や、「生徒や保護者の声を取り入れたいけれど、どうしたら?」と思う先生もいるはず。見直しは必要だと思うけれど、やり方がよくわからない…という学校が多いのではないのでしょうか。

そのような方々のために校則見直しに取り組みたい個人・学校・自治体を「みんなのルールメイキング パートナー」として募集します。

パートナーになると、校則を見直すための教材提供・研修が受けられたり、他の学校の教員・生徒との交流会に参加できます。校則見直しに取り組みたいと思った学校が自走できるような仕組みづくりのサポートを行います。

パートナーの説明会を行っていますので、是非お気軽にご参加ください。

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▼パートナー説明会へのお申込はこちら
https://forms.gle/ZbTZKXdU3NDyPkRr5
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■ 対話的な校則見直しの指針づくり(ルールメイキング宣言)

校則・ルールを見直していくときに、それぞれがもっているイメージ・価値観のちょっとしたズレによって意見の対立が生まれることがあります。

生徒同士の間で起こることもあれば、生徒と先生間、先生同士で起こることもあります。

そんなときに、わたしたちはどう対話を通して納得解をつくっていくか、
すべての人が立ち帰れるような指針がルールメイキング宣言です。

全国の校則見直しに取り組む中高生・先生・有識者のみなさんとともにルールメイキング宣言づくりを行い、その様子を公開トークセッションとしてYouTubeライブ配信をしています。

■ 自治体と連携した校則見直しを実施

教育委員会が支援しながら、自治体内の複数校で校則見直しを行う取り組みです。

地元の民間人材の活用や、教育委委員会の指導主事による活動のサポートなど自治体ごとに独自の体制で校則見直しに取り組んでいます。より広域的に校則見直しを広げていくことができる事業です。

現在、広島県教育委員会、福井県教育庁と連携し取り組みを展開しています。

■ 校則見直しによる生徒・先生の変化のエビデンスづくり

みんなのルールメイキングプロジェクトでは、全国の若手研究者や大学院生からなる研究チームを立ち上げ、学術的な観点から調査・研究を進めています。

校則見直しの取り組みが生徒・先生・学校にどのような変化をもたらすのか、取り組みの可能性や課題も含め、大規模なアンケート調査や、学校現場への参与観察などを通して明らかにしていきます。

■ みんなのルールメイキングプロジェクトの思い

いかがでしたでしょうか?
学校のみならず、自治体・研究者とも連携し、さまざまな角度から校則見直しを推進する個人・学校をサポートする仕組みを展開しています。

■ みんなのルールメイキングプロジェクトが最も大切にしたいこと
今後も全国に校則を広めるサポートや活動を推進していきますが、わたしたちが最も大切にしていることは「対話的な方法でみんなの納得解をつくる」ことです。

物事を変える際にはさまざまな意見が生まれます。対立する意見を戦わせ、多数決で決める方法もあります。ですが、果たしてそれで校則を決めていってもいいのでしょうか?

物事を変える・決める際にはさまざまな方法があります。一人ひとりが大事だと思っているポイントもバラバラです。わたしたちはその一人ひとりときちんと話し合い、より多くの納得解をつくる方法でもって、校則を見直していってほしいと考えています。

みんなのルールメイキングプロジェクトは校則を見直し・変えることが目的ではなく、対話的な方法でみんなの納得解をつくり、そこから生まれる学びを全国の中高生に体感してもらいたいと考えています。

■ みんなのルールメイキングプロジェクトからのお知らせ

現在、校則見直しに興味がある個人の先生方や学校として取り組みたいと考えている方に向けて、教材提供・研修会や生徒交流会へのご案内を行う「パートナー」募集を行っています。

パートナー説明会のお申込や説明会内容の動画をご提供しておりますので、お気軽にお問い合わせください。

校則見直しに興味関心がある皆様からのご応募お待ちしております!

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