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辻政信氏追悼のための調査考察

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2024年5月3日の追悼法会に向けて 「ツジマサノブ氏の無念は何か」をテーマに 調査考察をした記事をまとめています。
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#亜細亜の共感

【辻政信氏の調査考察】2024.4.4 中立論と東亜連盟の理想

【辻政信氏の調査考察】2024.4.4 中立論と東亜連盟の理想

ここしばらく、
地元の図書館で借りたご本人の著書を元に
辻政信氏が周りに「伝えようとしたこと」を読み解いてきました。

辻氏が書籍を出版したり、全国各地で演説をして
「どうにか日本の人々に伝えようとしたこと」を
ここで一度、整理してみようと思います。

一、中立論/天は自ら衛るものを衛る辻氏が提唱した「中立論」は、

敗戦後、
「今後の国防問題をどうするか」
という局面にあって、国の主導者たちは

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【辻政信氏の調査考察】2024.4.2『亜細亜の共感』読解

【辻政信氏の調査考察】2024.4.2『亜細亜の共感』読解

現在、辻政信氏の理想形成と東亜連盟への参加の経緯を、
『亜細亜の共感』から追っています。

私は、辻氏の文章を読み、
若い彼が世界の実像を見るにつれ、
故国を構成する人々への不信感と、
宣伝を鵜呑みにして悪印象を抱いていた敵国(中国)人への見直しとが、
その心中で積み重なっていったらしい
ことを感じとりました。

その後、辻氏は昭和8年の
「新疆省方面のソ連の進出状況を視察する計画」
というものに

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【辻政信氏の調査考察】2024.4.1『亜細亜の共感』読解

【辻政信氏の調査考察】2024.4.1『亜細亜の共感』読解

辻氏が東亜連盟の理想実現に
意欲を燃やすようになるまでの道のりには、
中国人を見直すような機会と、
日本人に失望するような機会があったようです。

故国から唾棄され、敵国から礼を尽くされた上官

林連隊長の死から視野を狭くした辻氏に、
中国人への敵意を考え直すきっかけを与えたのは、
空閑少佐という方だったそうです。

ここでは、
武人としての恥辱と責務との葛藤に苛まれている上官への惻隠と、
そんな

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【辻政信氏の調査考察】2024.3.29『亜細亜の共感』読解

【辻政信氏の調査考察】2024.3.29『亜細亜の共感』読解

『亜細亜の共感』は1950年、
戦犯指定解除後に、立て続けに出版した本の中の一冊です。

発行者(出版社)は佐藤勝郎氏。
辻氏の、士官学校時代に教え子だった方です。

今回は、辻氏が東亜連盟の一員となった経緯を
探っていきたいと思います。

辻氏の回想によれば、

初陣前、陸軍歩兵少尉を任じられたばかりの当初は、
「中国」を外国として敵視していたそうです。

それは当時の日本の風潮であり、
メディ

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