PCキーボード四方山話 〜Keychron K8 Pro(静音モデル)篇〜
四方山話と書いて『レビュー』と読ませてみたい気持ちもある。
そんなこんなで始めてみましょう。
本シリーズは一応レビュー記事というか。
そこそこ使ってみた上での使用感を語る感じの記事です。
スポンサードではないので、言いたいこと言います。
忌憚なく。
でも、イイ製品なので褒めます。
はじめに
本記事はシリーズ『PCキーボード四方山話』のひとつとなります。
他の記事——はまだ出ておりませんが、今後追加されましたら、順次こちらにリンクを追加していきます。お楽しみに。
ちなみに。
大雑把な分類などはこちらの記事にも記載してありますので、お時間のあるときかつ興味があれば、ぜひどうぞ。
今回紹介するキーボードに採用されているメカニカルスイッチについての説明もありますので、ぜひどうぞ。
Keychron とは
いきなりキーボード自体の話に行ってもイイんですが(むしろそれを求められている感は一応解っているつもりですが)、ちょっとだけこのメーカーというかブランドについての説明をしておきます。
会社概要を見ると、こんな記載がありまして。
要するにキーボードガチ勢がキーボードガチ勢のために作ったキーボードを売る会社です、って話ですかね。勝手に解釈しましたけど。
たしかにメーカーとしては比較的新しいような気がしますが、最近各電器店やPCパーツ専門店、ECサイトでも目にするようになった印象です。
Keychron のキーボードの特徴
先ほど『キーボードガチ勢がキーボードガチ勢のために作ったキーボードを売る』と書きましたが、実際売られている物を見ると——。
ちょっとやそっとじゃお目にかかれないような特殊なモノも紛れ込んでいるようで。
まぁ、まずはジャブ程度のところから紹介しましょうね。
有線&無線の二刀流接続
Bluetooth経由で最大3台のデバイスと無線接続、さらにUSB Type-C ケーブルで有線接続も可能です。
マルチデバイス接続の機種は増えつつありますし、そこにさらに有線接続もしっかりできるというのはかなりのメリットです。
ゲーミングデバイスとして入力速度・ラグ・入力抜けに厳しい目で見てしまう人も、有線も行けるというのは安心では。
全デバイス対応
Windows専用、Mac専用というキーボードが多いかなという印象。
使えるには使えるけど、一部のキーがうまく割り当てられないとか、そういうパターンが多いと思います。
Keychronはそれを乗り越えた挙げ句、iOSやAndroidにも対応しています。
高価なキーボードを何個も買えねえよ——という人も納得、かも。
で、こちらを語らずには居られない。
形状の種類が多い(特殊配列もある)
一般的にはテンキーの有無とか、ファンクションキーのラインが減ってるとか、そういう感じのバリエーションになっていることが多いと思いますが、Keychronのキーボードはそんなレベルじゃない。
マジで、多い。
上記リンクにあるものはいわゆる『アリスレイアウト』というスタイルで、左右で若干分割され、かつ腕を出す方向に合わせて配置が傾けられているという形状です。
しかもこの機種は、一般的なフルサイズキーボードだと右側に付けられるテンキーユニットが左側にあります。時々使うかもしれないテンキーがあるのはありがたいが、より使用頻度の高いマウスの間に居られるのは邪魔だ——と思っている方、これがオススメです。
他にも
その他、内部のスイッチを簡単に交換できる「ホットスワップ機構」を採用しているとか、独自開発のキースイッチがあるとか、かなりのこだわりが見て取れる要素盛りだくさんになっています。
この辺がKeychronキーボードの特徴だと思われます。
Keychron K8 Pro(Keychron K Pro Silent スイッチ赤軸仕様/静音バージョン, ヨドバシカメラ限定モデル)
https://www.yodobashi.com/product/100000001007973348/
ということで、そろそろキーボード自体のお話に行きましょうか。
ここまでで約1700文字です。
昨今のウェブ小説の書き出しとすれば冗長でしたね。
大まかな仕様
見出しにもあるとおり、機種は『Keychron K8 Pro』。
Keychron公式サイトでは「80% TKL レイアウト」という説明がありますが、これは「フルサイズのキーボードの幅と比べて80%程度のサイズであり、テンキーレス仕様です」ということですね。TKLは覚えておいて損は無い用語な気がします。
残りの仕様についてはヨドバシカメラのホームページから引用していきましょうか。
JIS配列モデル——要するに、日本語キーボードです。
最近はUS配列を使っている人も増えてきている気がします。かくいう私も、MacBookProはUS配列です。UKと迷いましたが。
あとはファンクションキーが独立しているので、よく使うよという人は念頭に入れておくと良いかもしれません。コンパクトなタイプは何らかのキーを同時に押す必要があったりしますが、このシリーズはその心配はありません。
QMK/VIA——これはキーマッピングを自分で変更できますよ、ということですね。
RGB——これはバックライトが任意の色で光らせることができますよ、ということですね。Keychronはバックライト付きの機種がほとんどですが、白色のみのバージョンとカラフルに光るバージョンから選べるというモノがあります。
《最重要ポイント》キースイッチについて
で、最重要なのが、キーボードのスイッチ。
いわゆる「メカニカルスイッチ」と言われる種類で、キーひとつひとつがスイッチです。
スイッチ内に板バネが入っていてそれが接点になり、キーが押されることで板バネが戻って接点が接触して入力を検知するという仕掛け。
こういうキーボードは基本的に高価です。
何故かといえば、そういう仕掛けのスイッチが100個近く付いているからです。そりゃあ高くもなります。ただし、接触不良が起きた場合はそのキーだけを交換すれば済むという利点はあります。
比較的安いキーボード(メンブレン式)だと1枚の電子基板にスイッチを貼り付けていくだけなので構造が簡単なのですが、どこか1ヶ所で接触不良を起こすと交換・修理はできませんので自動的に買い換えになります。
そして、このモデルに採用されているキーは。
「Keychron K Pro Silent赤軸」
という種類。
あまり聞き慣れないかと思います。
それもそのはず。このスイッチが装着済みとなって販売されている機種は、この「Keychron K8 Pro ヨドバシカメラ限定モデル」以外にありません。
個別での販売もされていて自分でキーを取り替えることで使うことは出来ますが、最初から搭載されているモデルはコレだけです。
メカニカルスイッチの紹介ではスペックとともに 「Force-Travel ダイヤグラム」というグラフがよく出されます。
要するにどれくらいの力でキーを押し込んでいくとどの辺りで入力受付状態、つまりONの状態になるのか、というグラフです。
せっかくなので、公式サイトから引用します。
メカニカルスイッチの有名どころに「Cherry MX」というモノがあります。そちらでも赤い色をした軸(スイッチの区別をする際に、よく「○○軸」という言い方をします。)がありまして、その特徴と概ね共通です。
一般的に『赤軸』は、最後まで一定の軽い力で押し込めて、動作は静かな方——という仕様です。操作力が45gf以下であれば軽量動作の部類でしょう。
一定の力で動作するモノをリニアタイプと言います。
他には少しコリッとした感覚を残すタクタイルや、カチッっという音がしっかりと鳴動するクリッキーというモノがあります。
で、最大の特徴が『静音』。
せっかくなので実際のタイピング音を聞いていただきましょうか。
比較のため、一般的な「赤軸」の動作音をどうぞ。
※Cherry MX シリーズにも「静音赤軸」という動作音が静かなモノはありますが、生憎未所持のため
※収録環境:
Audio-Technica AT2020USB-X を iPhoneXR に接続
ボイスメモで録音
かなり違います。
使ったら余計にわかります。
メカニカルスイッチとは思えないレベルで静かです。
実はメカニカルスイッチのキーボードって、他のタイプよりも動作音がうるさいです。
まぁ、「やかましいんじゃボケ!!」と怒鳴られるレベルではないかもしれませんが、静かなオフィスとか夜とかで使おうとすると「……カチャカチャうるさいんだけど」と指摘される可能性は否定しません。
——クリッキータイプ(いわゆる「青軸」)だったら確実に怒られる気はしますが。
このキースイッチはマジで衝撃的です。
そして、ちょっと不思議な感覚もあります。
何なんですかね。メカニカルスイッチのキーを叩いているはずなんだけど、ちょっとだけ静電容量無接点方式のキーボードっぽい感じの入り方をするというか。
メカニカルスイッチのキーボード(とくに一般的な赤軸とか)を使っている人は「……お?」となってくれる気がします。
メカニカルキーボードを使いたいんだけど、音が気になる——という人は購入候補の上位に充分食い込めるのではないでしょうか。
気になる点
良いところばかり書くのもアレなので、ちょっとだけ。
キートップの材質と形状はちょっと気になります。
素材がABSということで、実はちょっとだけ廉価版。
PBTを採用している機種だともっと静かになるのですが、その辺りは少し残念。US配列はPBTなんだけど。
形状も若干丸みがありかつテッペン部分が小さいというちょっと独特な形状なので、慣れない内はタイポが増えるかもしれません。
——慣れれば解決するとは思いますけどね、どっちも。
またタイピング音についてですが、通常の文字キーについてはたしかに静かなのですが、スペースキーやエンターキーなど少々面積が大きいキーについてはスイッチ部分とは異なるパーツの問題でうるさく感じるかもしれません。
他には、配列に関する問題ということで。
現状ではテンキーレスのモデルのみという点は気になる方がいらっしゃるかと。
業務やら日頃入力する内容に数字が多くてテンキーを多用するという人からすると、ちょっと困るかもしれません。
あとは、キーボード自体の形状の部分ですかね。
メカニカルキーボードの特徴として、キースイッチの構造の都合上キー位置がやや高いというのもあると思いますが、このモデルはとくに手前側が高く感じると思います。
したがってパームレストは有った方が賢明かと。
(キーボードの構造が分厚くなるという問題を解決したメカニカルスイッチに『ロープロファイルモデル』というモノがありますが、コレに関してはまた別の記事で紹介します)
本体が重いと入力時にズレたりすることが減るのでストレスはかからないのですが、それゆえ持ち運びには難ありです。
何せこのキーボード、テンキーレスなのに1kg超えてます。
ノートパソコン1台分くらいはあります。
自宅かオフィス据え置きならば問題は無いですが、頻繁に持ち運ぶような場合は一考の余地アリです。
恐らくその重量は内蔵バッテリーのためだとは思いますが、いつくらいからバッテリーがへたり始めるのか、という問題はあります。
この辺り、乾電池対応の方が理想的ですね。
キースイッチは全然問題無いのに、バッテリーの問題で使えなくなるのはもったいない。
ご用命はこちら
ご購入の場合はSUPER KOPEKもしくはヨドバシカメラでどうぞ。
https://www.yodobashi.com/product/100000001007973348/
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