見出し画像

コスモス 2009年3月1日

おまえ、また忘れたのか。
  ええ、そうみたいですね。

どうしてそうすぐ忘れるんだ。
  どうしてでしょう、なんども、忘れますね。

なんども、忘れて、いいことが、あるのか。
  ないでしょうねぇ、ええ。嫌な気分になるだけです。ただ・・・

ただ、なんだというのだ?
  ただ、なんども忘れて、ああやっぱりダメだと何度も思ったら、

思ったら・・・?
  それが大事な事だって、きっといつか体にしみこむんでしょう。

おまえはそれでいいのか。
  ええ。それが、わたしです。


でも、つらいんだろう?
  ええ、とても。でも幸せです。それが、わたしなんです。
  わたし、きっとまた忘れると思います。
  そしたら、またあなたに教えてもらわなくちゃいけないと思いますが・・・


それは、かまわんよ。
  ああよかった、安心しました。
  きっとこれからもなんども、お世話になります。
  それが、わたしですから。

                    * * *

 


頭が痛い。
頭が痛くて、とても眠くて、
そして目覚めるたびに嫌な夢を見ていたことに気がつく。


たくさん、たくさん、夢を見る。
草原を自転車で走りながら、何もしゃべらない男の子がついてきたり
れんげ畑でピアノを弾きながら黄色い果実を食べた男の子が狂ったり
大きな女の子を2人、するんと出産したり(その2人は明らかに違う種なのに、双子だと思われている)
なんだか奇妙な世界が、とまらない。


雨が、やまないからかしら。
でもどの夢も、わたしの記憶にあるモノがつぎはぎになっている。
無口な男の子は見たことがあるし
れんげ畑は死んでしまった幼馴染に教えてもらって
小学生のときに友達みんなで遊びに行ったところ
ピアノをひく男の子は、私に黄色いグミをくれたあの子だ
出産は、未来かな

                  *

恍惚の渦を振り払うと、何かが足りなくて、
シンと静まり返った自分の部屋がものすごく不安で、
ああ、と思い出して、ラジオをつける。ジャズが流れる。
物足りなくて、レコードをかけてみる。
あっと、それで気がつく。
そういえば、私はオトを聞いていなかった。


いい調子でオトを聞いている間は、わたしはとてもスムーズに生きている。
でも気がつくと忘れて、眠りと悪夢の中に引きずられて、オトを遮断している。
不安にならないように、心地よくいられるように、
もう絶対にこのオトを聞いていよう、一生聞いていよう、と思うのだけども気がつくと忘れて、うねうねして、そして気がついて、
ああやっぱりいいオトって大事だなあと思う。
人生にはいつもBGMが必要だ。


繰り返しだ。
歴史も、人生も、繰り返し。
だけど、繰り返しながら、明らかに進歩して、この現代社会はできた。
きっとわたしも。。。

                   *

昔、自分が教室の蛍光灯だったら、みたいな作文を書いたことがある。
作文なんて授業でいっぱい書いたのに、その作文は妙に覚えていて
そういう空想をしたら面白いかな、と最近よく思う。

私が、えんぴつだったら。

私が、自転車だったら。

私が、ラジカセだったら。

私が、Tシャツだったら。


うん、ちょっと危ない人です。。
まあそんな、極端なことしなくても、視点を変える、というのは実際、
いいことなのかもしれません。

繰り返しと進化の、人間にとっては。
繰り返しと、進化と、視点の転換。
宇宙なハナシだ。


space, universe, cosmos,
宇宙というコトバはいろいろな英語で表現されるけど、
私は「cosmos」が一番すき。
「space」だとちゃち過ぎるような、
「universe」だと森羅万象、みたいな、なんとなく崇高すぎ、
「cosmos」はちょうどいいと思う。
本当の意味は、知らんけど。

カオスの反対、秩序がある、という意味合いの、「宇宙」。
人の顔は小宇宙だというけれど、
ここでも「コスモス」というコトバがしっくりくる。
ような気がする。

漢字の練習をしていて、同じ字を書いてると訳が分からなくなるみたいに
人の顔も、見ていると、訳が分からなくなる。
決まりきったパーツ、配置、それなのに見すぎると気持ち悪くなる。

それが、「コスモス」だ、と思う。
コスモスとカオスは紙一重で、それが宇宙だと思うから。

そんなことを考えると、繰り返しも、進化も、視点の違いも、どうでもいいような気がして、もう何もかもほっぽって、海を見に行きたくなります。
でももう大人だし、お金もないので、突発的には動きませんよ。
でも、海が、見たいなぁ。
気が遠くなるような、宇宙をかんじられるような、
でっかい自然を見たい。

順応。
中学・高校の時に一番得意だったことが、今では一番不得意になった。

アウトサイダーとして生きる場所が確立できたらいいのに。
宇宙は広いから。
確立してみせるけどね、いつか。
確率してみせる。
はは。

ーーーーーーーーーーーーーー

※この記事は、2009年3月1日の日記を転載したものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?