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いるだけで天才的にオモシロイ、うまいぃのおじさんのこと

う〜まいいいいいいぃぃぃぃ〜〜〜〜〜〜〜!

4年前の5月、当時南牧村に住んでいた我が家に、突如遊びにきた児玉さん一家。当直帰りの夫に肉を買ってきてもらい、家に適当にあったパンとおにぎり、村で採れた野菜と一緒に急遽バーベキューを始めると、児玉さんが叫んだ。

うーまいー肉

「うーまいいいいいぃぃぃぃ〜!」

食べるたびに雄叫びを上げる児玉さんにつられて、5歳と6歳だった長男長女がめちゃくちゃ楽しそうに叫んでいた様子は、未だに語り継がれる我が家の歴史的シーンである。この時以来、児玉さんは我が家で「うまいぃのおじさん」で通っている。

この頃、我が家は毎週のように庭でバーベキューをしていて、この日もいつものバーベキューと中身は対して変わらず、特別なことは何もなかったはず。なのに、こどもたちは今まで見たことのない表情で、抜群に楽しそうだった。

なんのことはない、ただうまいものを口に放り込み、「うーまいいいいいぃぃぃぃ〜!」と空に向かって叫ぶ、というだけの遊びを、児玉さんがやるとめちゃくちゃ面白く感じるのだ。

児玉さんは、「いるだけでオモシロイ」天才だと思う。

もう一つ忘れてならないのは、奥さんであるなつみちゃんの軽快な存在感。なつみちゃんは、当時まだ赤ちゃんだった第一子をおんぶしながら、我が家のキッズの相手もこなしつつ、ちゃきちゃきと笑顔で野菜を切ってくれた。なつみちゃんはいつも笑っている。軽快に、爽やかに笑っている。そして、美人。

なつみちゃんは、「いるだけでサワヤカ」の天才だと思う。あと美人。

いるだけでオモシロイ児玉さんと、いるだけでサワヤカかつ美人のなつみちゃん夫妻は、当然のように我が家のキッズの心を鷲掴みにした。軽やかで美人のなつみちゃんのおかげで、濃ゆい児玉さんの存在が中和されて、いい具合にとっつきやすくなる。児玉さん一人だったら、子どもにとっては「ちょっと怖いオジサン」どまりだったかもしれない。

「うまいぃのおじさんと遊びたい!」というキッズを引き連れて、その後、児玉さん一家が住む武石に川遊びにいったときも、児玉さんの天才ぶりはすごかった。

キッズ「おじさん、遊ぼー!」

児玉さん「よし、じゃあお地蔵さんごっこをしよう」

キッズ「おじぞうさん?」

児玉さん「そう、長く『無』になる方が勝ちね」

キッズ「わかった!」

児玉さん&キッズ「・・・・・・・・・・・」

川の中にあぐらをかいて座り込み、ひたすら目を閉じて無になるキッズと児玉さん。さあ、あなたも目を閉じて、想像してみてほしい。それはそれはシュールであることをわかってくれるだろうか。

ただ単に体力を使いたくない児玉さんが考えた手抜きの遊びを、キッズはなぜか超爆笑しながらやっていた。それ、普通の人が考案しても絶対に面白く無いと思うんだけど。やっぱり児玉さんは天才でずるい。そんな児玉さんを暖かく軽やかに肯定するなつみちゃんのサワヤカさは相変わらず頼もしい。

2013年、夏、佐久

ミスチル風に見出しをつけてみたけど、特に意味はない。とりあえずここからはミスチルの音楽と桜井さんの痺れるようなMCをBGMに読み進めてみてくれ。(むしろそっちがメインでこの記事がBGMでよい)

2013年は、私が佐久でTEDxSakuを立ち上げた年である。中高時代を過ごした佐久だったけれど、夫と結婚して改めて移住した時、私には知り合いが文字通り一人もいなくて、無計画に立て続けに子どもを2人授かり、どうやって生きていこうか悩んでいてた。(その後子どもはさらに2人増えたけど)

そんな想いを打ち破るべく、私は無謀にも、当時大都市を中心に日本各地で立ち上がっていたTEDの各地版とも言うべきTEDxを佐久で立ち上げようと、TED本部に申請を出した。

TEDとは、価値あるアイデアを広めることを目的に、プレゼンテーションイベントを運営する非営利団体でありコミュニティである。1984年にテクノロジー、エンターテインメント、デザインが集結した会議としてアメリカから始まり、2008年からはYoutubeでプレゼンテーションを無償公開し始めて、圧倒的な知名度を得た。 

TED本部から2013年8月15日にライセンスを得て、私が一番最初に会いに行ったのが児玉さんである。まだ会ったこともなかったのに、立ち上げたばかりのFacebook ページに「いいね!」をして、シェアまでしてくれて、しかも「友達」を見ると、なにやらめちゃくちゃ顔が広そうだったので、すぐにメッセージを送った。

児玉さんは当時、地元カンパニーという会社を立ち上げて3年目くらいで、いよいよ長野に拠点を移して、新しい展開を控えていたところだった(と思う)。詳しくは地元カンパニーの漫画を読んでほしい。

具体的に何を期待していたのか自分でもよくわからないまま会いに行ったんだけど、何かあるんじゃないかという直感が働いた。あと、当時児玉さんがfacebookのアイコンに掲げていた田んぼの中でスーツを着ている写真は結構イケテる男子に見えて、テンションが上がった。

初めて会った場所は、その後CAMPと名付けられた児玉さんの会社の上田オフィス(今はたぶんもうない?)で、建物の中はまだ雑然としていた。私はその頃お気に入りだった緑のロングスカートを履いて、子どもたちを実家に預け、「イケメン、イケメン」と心の中で唱えながら車を運転した。

サンダルをつっかけて自転車でオフィスにやってきた児玉さんは、思い描いていたイケメンとはちょっと違ったけれど(ごめんなさい)、もう最初から「いるだけでオモシロイ」を存分に発揮していた。児玉さんは、私のTEDxSakuの構想をたいして聞くまでもなく「とりあえず起業しよう座光寺さん」と言って、私は苦笑いした。私はビジネスにはあんまり興味がなかったので、そこは残念ながらスルーしたのだけれど、独特の理論を不思議な安定感と明るさで展開する児玉さんは、話をしているだけで何故かこちらがワクワクする気持ちになったから不思議だ。私は秒で児玉さんのファンになった。

結局、児玉さんのおかげで県庁職員、メディア関係者、地域のキーパーソンたちと次々につながることができ、結果的に彼との出会いは私にとって最初の突破口になった。児玉さんはいわば、私のTEDxSaku運営における恩人である。それはそのまま、人生の恩人を意味するかもしれない。TEDxSakuを機に、私は子育てを考え、夫婦の関係を考え、他者と家族を考え、地域を考え、生き方を考えた。TEDxSakuをやらなかったら今の私は無いと思う。むしろTEDxSakuをやらずに、自分がどう生きていたのか想像がつかない。多分子どもを4人も産まなかっただろうし、インドにも来なかったかもしれない。そう考えると児玉さんの責任は重い。よろしく、児玉さん。

Rolling in イークラウド

ここからはBGMをAdeleの"Rolling in the Deep"に切り替えよう。燃え上がる炎を感じながら読んでほしい(勝手な解釈)。このコロナ禍の中、児玉さん率いる地元カンパニーは燃え上がっている。少なくとも児玉さんは燃え上がっている。

2020年7月末、地元カンパニーは、イークラウドという企業が運営する株式投資型クラウドファンディングの第一号案件として、資金の募集を開始した。

といっても株式投資型クラウドファンディングってなんだか私には正直さっぱりわからないので、イークラウドのサイトにいってみた。

イークラウドによると、株式投資型クラウドファンディングとは、「非上場株式の発行により、インターネットを通じて多くの人から少額ずつ資金を集める仕組み」だそう。

こちら側の目線で(どちら側?)言うと、少額でも株主になれて、なにかしらのリターンを一応は期待しつつ、その会社を応援できる、という仕組み。あちら側の(会社側)目線で言うと、会社を応援してくれる個人から信頼度の高い資金を調達できるということだ。

この新しい方法で、なんと地元カンパニーは着々と資金を調達し、開始から1ヶ月で、目標だった3000万を優に超え、上限である5000万円を獲得した。

少額での投資を謳ったこの方法で、これだけの資金を手に入れるということは、イコールそのまま、それだけ多くの人がこの会社を応援しているということにほかならない。それはひとえに、「いるだけでオモシロイ」児玉さんの力だと私は思う。

ノリノリだ。地元カンパニーは、このコロナ禍において、ノリノリだ。いや、児玉さんがノリノリだ。rooling in the deep!

地元カンパニーに就職する気持ちになってみる

さて、次なる課題は採用。いや、別に私の課題ではない、児玉さんの、地元カンパニーの課題だ。そもそもイークラウドで資金調達をしたのは規模拡大のため。圧倒的にマンパワーが必要なのだ。もちろん私は関係ない。マンパワーを欲しているのは児玉さんであり地元カンパニーなわけだけど、あいにく私は児玉さんが好きだ。ビジネスには興味がないけれど、児玉さんが好きだから、地元カンパニーにも興味がある。

実際に応募する目線にたって採用ページを見てみた。

1.セールス職、説明が少ないのでイマイチイメージできない。飛び込めってことかしら。

2.エンジニア、経験ないから却下。イメージはできる。

3.セールスサポート、時給での給与ということは子育て世代のパートタイムなんかを想定しているのだろうか。これか、私向けのやつは。

4.BtoBマーケティング、BtoBでググりました。はい。そういうことね。ビジネストゥビジネスの略。今はそうやって営業職を分類する時代なのね。知らなかった。(ちなみにBtoCとかCtoCとかもあるらしい。CはCunsumerの略。これ常識なのか…がはぁ、知らなかった…知らなかったけど、なんでも略せばいいと思うなよチクショウ。)

この職種だけ別サイト(wantedly)に詳しい仕事説明が載っている。飛んで読んでみると、やりがいありそうだし、児玉さんもこのポジションを重視してるっぽいことも分かる。

で、このサイトに飛ぶと、1.のセールス職についてもwantedly内に詳しい説明がされているページがあることに気がつく。

(え。これでいいの。セールス職の説明リンクも、自社サイトの採用ページに載せたほうが良くないですか、児玉さん。もしくは岩崎マン。)

さすがというかなんというか、児玉さんらしい会社説明や仕事説明の文章。でも、こうして真面目に就職を希望する人の立場に立って考えて、一つ気になることがある。

児玉さん以外の社員の顔があんまり見えない、ということだ。児玉さん一人の力で私は地元カンパニーに興味を持っている。でも、どんな仲間が児玉さんの周りにいて、どういう風に日々仕事をしているのかわからない。会社のサイトによると、社員12人と書いてある。12人の生態に興味がある。

もちろん、岩崎マンとさっちゃんについては、漫画を読んでだいぶ知ることができた。でも、まだ足りない。全然足りない。岩崎マンはいったいどういう思いで地元カンパニーに入社したどういう人で、何を目指して仕事をしていて、今どういう仕事をしているのか。(漫画を見る限り、岩崎マンはだいたい全部の仕事をしているように見えるし、さっちゃんは漫画しか書いてないように見えるw)そういうのを、地元カンパニーの他の社員についても知りたい。それは、応募する側のハードルをぐんと下げてくれるのではないのだろうか。

少なくとも私が応募する立場なら知りたい。一緒に働くことになるメンバーのことを。

もし私が採用されて、やりたい企画をどんどん提案して、周りの社員にドン引きされたらどうしよう。企画力がありすぎて、嫉妬でハブられたらどうしよう。逆に仕事できなくてイジメに合ったらどうしよう。どんな人がいるのかわからないと、悪い妄想が膨らみます…。

だからさっちゃんよ。どうかさっちゃんよ。渾身の社員紹介漫画を描いてくれ。それは、地元カンパニーの就職に足を踏み出すかどうかの圧倒的な基準になるはずである。(※個人の勝手な考えです)

オモシロくあり続けてほしい

我が家にとって、児玉さんはただの「うまいぃのおじさん」であり、だからこそ私は児玉さんが好きだ。

ただのうまいぃのおじさんのくせに、1ヶ月で5000万を集めるほどの人望と信頼を一手に集め、逆境を物ともせずに突き進む腕力を持ち、いるだけでオモシロイ天才で、実は結構頭もキレる。あと奥さんが美人でサワヤカ。でも、実際に会ってみると、アスパラを淡々と収穫するどこにでもいるような農家のセガレで、肉を食らって「うまいいいいぃぃぃぃ〜〜〜〜」と叫び、手抜きをしながら子どもと遊ぶ、ただのおじさんなのだ。そしてそれはとても大事なことだと思う。ちょっと解説させてほしい。

地方でビジネスをやってる人やその周辺の人たちというのは、ものすごくオシャレだったり、ものすごくイケイケだったり、ものすごくインテリだったりすることが多い(個人の感想です)。そうするとどうしても、ただの一住民としては、敷居を感じる。オシャレにもイケイケにもインテリにも憧れるんだけど、近寄れないという葛藤。私なんて、私なんかが、という気持ちになる。お洒落な美容室で髪型をオシャレにしてもらいたいけど、そもそもそのオシャレ空間に行くためのオシャレな服もノウハウもないから足が遠のく、みたいな感じだ。

でも児玉さんにはそれがない。ないわけじゃないけど、そこそこオシャレで、そこそこイケイケで、そこそこインテリ。だからもちろん、オシャレでイケイケでインテリな人たちとも親和性がありつつ、イモな私からしても、手を伸ばしてもいいんじゃないかと思える。いや、もしかしたら、あえてそう思わせられているのかもしれない

その、地に足がついた感じを醸し出していることこそ、児玉さんの魅力であり、地元カンパニーのミソではないかと勝手に私は思っている。

ここで初めて児玉さんの会社、地元カンパニーについて説明すると、

地域ならではの産品や旬の生鮮品を作り手のストーリーと共に贈るカタログギフト「地元のギフト」を提供している会社

である。ちなみにこの説明は、柚木真さんのFBでの投稿から拝借した。なぜなら地元カンパニーのサイトにおける事業内容の説明が、ちょっと物足りないしちょっと日本語がおかしいからである。(がんばれ岩崎マン!会ったことないけど。)

話がそれたが、このカタログギフトには、いろいろな可能性があると思う。例えば自分がかつて住んでいた地域のことを思い浮かべると、誇れる生産者さんやお店、広い意味で言えば、独自の哲学を持ったクリエイターがたくさんいる。出来上がったものだけではない、関わりや体験をギフトにすることだってできるかもしれない。あれもこれも、ギフトにしたらどうだろう、という想像が膨らむ。

「地元」を会社名に入れ込んでいるのだから、もっとそれぞれの「地元」を巻き込んでしまうことだってできるかもしれない。それぞれの「地元」の自慢の一品をストーリー仕立てで紹介するコンテンツを、たとえばnoteでコンテストを立ち上げて企画しちゃうとか。作り手発掘にも繋がるし、ストーリーもゲットできるし、なんだったら地元自慢したいみんなの地元愛も満たされる。優秀者には別の地域の優秀作品で紹介された物産を贈る。いいじゃん楽しそう!(注:私の勝手な妄想です。)

ただ、私にとってはぶっちゃけ会社自体はどうでもよくて、児玉さんがオモシロくあり続けてくれることの方が大事。児玉さんがオモシロくいてくれれば、児玉さんが関わるものがオモシロくなるはずだ。でもそのためには会社がオモシロくならないとダメなのかもしれない。

だんだん何を言っているのかわからなくなってきたけれど、要は、児玉さんがオモシロイ天才であり続けて、欲を言えば、その人のおかげでもっと児玉さんがオモシロくなるような人が入社してくれたらいい。なんだったらその人自体が面白ければ、もっといい。私は児玉さんのファンを保留にしてその人に鞍替えして応援しちゃうかもしれない。

児玉さん&キッズ

いるだけでオモシロイ天才である児玉さんが、いるだけでサワヤカななつみちゃんと一緒になって、我が家のキッズの心を掴み、キッズが抜群に楽しい顔で思い切り叫んだように、新しく採用される人が、児玉さんの天才的な面白さをよりよいステージに引き上げ、今いる社員さんたちが抜群に楽しい顔で子供のように叫びだすような、そんな人が入ったらいい。

そしてもし今現在、すでに地元カンパニーの中にも面白い人がいるなら、出し惜しみせず、どんどん教えてほしい。(さっちゃん!)
私は楽しみたいのだ。ちょうどよく地元に馴染んで存在するだけでオモシロイ児玉さんの、いちファンとして、その周辺の出来事を楽しんでいたい。

いつかやってくるであろう人物Xが、ちゃんと一歩を踏み出せるように。
だから頼む、さっちゃん、もっと漫画を書いてくれ。
地元カンパニーの運命は、たぶんさっちゃんにかかっている。(さっちゃん、会ったこと無いけど。)


というわけで、オモシロイ会社(社長)がいるので、転職や就職を考えている人はぜひ。

人々が分断し、関係性が引き裂かれ、心がカサカサしがちなコロナの時代に、「ギフト」という営みには、なにか、人間らしく生き残っていくためのヒントがあるような気がするし、私がちょっと半日考えただけでも、可能性は無限大にあるような気がした。

地元カンパニーに関わる人達が、児玉さんにつられて「たーのしいいいいいぃぃぃぃ〜」と叫ぶ姿を描いた漫画が読める日が、楽しみだ。

集まれ、人物X!

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