見出し画像

How I became a "strong woman" from a drop out girl 〜Part Ⅱ〜

このエッセイはすべての居場所を求める若者に捧げます。

村医者をやめてWHOに転身した夫に連れられて、4人の子供(8歳、7歳、4歳脳性麻痺児、1歳10ヶ月児)と共にインド、デリーで暮らす、元TEDxSakuファウンダー、34歳女子の物語です。


自然との関係を再構築

さて、24歳で夫と結婚した私。それでめでたしめでたしかというと、別にそうではない。いや、そうではないというと語弊がある。夫と結婚できたことは大変めでたいことだったけれど、そもそも2年留年してようやく就職した会社(化粧品をデパートで売る美容部員だった)を1ヶ月で逃げるようにやめて結婚したのだ。(文字通り逃げたの!)人間としてまだまだ未熟な証である。

でもとりあえず、私は情報過多の都会から離れて、空と土を見ていたかった。そして何よりも、安心していられる居場所が欲しかった。

画像1

結婚して築45年のオンボロ長屋に引っ越してからというもの、毎日朝から晩までご飯を丁寧につくり、しかし夫は朝から晩まで勤務で家には帰ってこないので空いた時間はひたすら草むしりをして庭をきれいにしていた。庭に花を植えて、トマトやきゅうりを植えて、時々隣の住宅の超賢い坊やに遊んでもらったり、自転車で佐久市内を探検したり、夫がお休みの日は一緒に山や川に遊びにいった。

幸せだった。

こんなに平和な毎日を過ごしたのは久しぶりで、私の世界にどんどん色が付き、匂いが加わり、豊かな大地を感じて生きる実感が得られた。時々落ち込んだり、時々不安定になることがあっても、この大自然の愛と、夫の愛があれば大丈夫だと思えた。完全に男(と自然)に頼る女、それは私。

でも誰だって、価値観をともにして一緒に歩んでくれる隣人が(異性に限らず)必要だし、土や水に接する時間が必要なのだと今では思う。人との関係が相互関係であるべきなのと同時に、地球と人間だって相互関係であるべきなのだ。

自由人の夫と子どもとの暮らし

結婚して最初のクリスマス・イブに、長男の妊娠がわかった。自分の家族が増えて居場所が固まっていく感覚が、とても嬉しかった。けれど、どんどん大きくなっていくお腹を抱えて、私は次第に不安になった。自分ひとりでさえきちんと生きられなかった私が、この子をちゃんと育てられるのだろうか?

お風呂の中でむき出しになった大きなお腹に「ぞうさん」を歌いながら、不安で何度も涙を流した。こんな頼りないママでごめんよ。そう言って私は泣いた。

真夏の暑い日に長男は生まれた。

ここから先は

2,322字 / 3画像

¥ 200

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?