人材不足ゆえの問題

障害者施設は、大きく分けて障害者の生活面をサポートするところと、働く意欲を尊重して職業訓練を実施しているところがある。その両方を兼ねている施設もあるが、どの障害者施設も慢性的な人手不足に陥っているのが現状だ。

介護の仕事は他者の身体を支えるなどの重労働が多いイメージがあるが、障害者施設ではその傾向が顕著である。施設を利用する障害者は病気や怪我、加齢による体力の低下がない。そのため、介護の際に強く抵抗することも決して珍しいことではなく、場合によっては職員が暴力を振るわれてしまうこともある。また、身体障害者の多くは精神面には問題がないため、自分の身体を自由に動かすことが出来ない状況を不快に思っている人も少なくない。そのような人への接し方を誤ると自尊心をひどく傷つけてしまう結果になるので、繊細な注意が必要だ。

障害者の介護は相手の意思を尊重しながらも安全を最優先して行う必要があるので、場合によっては障害者が恥ずかしさを感じてしまうこともある。特に、排泄介助や入浴介助などで恥ずかしさと悔しさが勝ってしまうことが少なくないだろう。少しでもそういった感情を抱かせないためにも、男性利用者には男性介護士を、女性利用者には女性介護士を、というのが理想だ。もちろん、施設でも利用者への配慮に尽力しているが、慢性的な人手不足で中々上手くいかない場面が多く見られる。心に寄り添った介護を提供するためにも、より多くの人が介護業界へ入ってきてくれることを願ってやまない。

障害者、というと悪いイメージを持つ人がいるかもしれないが、基本的にとても純粋で素直だ。働きながらコミュニケーションをとっていると次第に仲良くなることが出来、それがやりがいに繋がる。

■こちらも参考に『障害者施設で働こう』■

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