月曜日について
月曜日から金曜までの典型的な勤務形態で働く従業員、学校で勉強する学生たちは、
週はじめの”月曜日”をどのように認識しているのでしょうか。
この疑問に関しては、
”憂鬱な月曜日”と”休息と再充電後の月曜日”という対立する2つの考え方が存在すると思います。
こうした対立する2つの考え方について、
どちらの考え方が”実体験に合致しているのか”を調べる研究が行われました。
研究内容は、とある企業の従業員に毎日アンケートを行うというもの。
アンケートの内容は、職場でのストレスや仕事の満足度について。
調査対象の従業員は全員、月曜日から金曜日までの典型的な勤務時間で働き、週末や夜間の勤務はなしとしました。
今回のテーマは『月曜日について』です。
まずはじめに、この2つの考え方について深掘りした後、
研究結果では、どちらの考えが合致したのかを紹介していきます。
●憂鬱な月曜日
憂鬱な月曜日という見方によると、従業員は週末の休息のあとで職場に戻ることを快く思っていません。
なぜなら、二日間休んだあとで仕事を再開しなくてはならないだけでなく、次の週末の休息まであと5日もあると考えるからです。
一方でこの仮説が正しければ、”週末が近づくにつれて気分は上々”し、金曜日の午後には、
何が起こっても対処できるような準備万端の状態になっていると考えられます。
●休息と再充電後の月曜日
休息と再充電後の月曜日という考えは、
週末に休みをとった後の従業員たちは、月曜日にはフル充電の状態で出勤することができるというものです。
そのため、週明けの従業員には、より対応力があり仕事のストレスにうまく対処できると考えられます。
この仮説が正しければ、”日が経つにつれて従業員は疲弊し、仕事上のストレスへの耐性を失っていく”とも考えられます。
●どちらの考えが合致したのか
研究の結果、”憂鬱な月曜日”という考え方の方が、従業員の体験とよく合致することがわかりました。
週はじめの月曜日は、従業員の仕事の満足度をより低く評価し、
また、仕事のストレスをより多く経験すると答える傾向にありました。
加えて、ストレス要因の一部と、仕事の満足度との繋がりはより強いものがありました。
つまり、”週明けすぐの従業員は、ストレスに対してより敏感である可能性が高い”ということがわかったのです。
これに対して研究チームは、曜日によってストレス要因に対する認識が異なる可能性について、
下記のような見解をしていました。
金曜日には、従業員はストレス要因に対してより上手く対処し、時には無視することさえできている。
それは、その週のストレスへの曝露(ばくろ)は終わりに近づいていると知っているから。
一方、月曜日に遭遇したストレス要因は、その後の数日間に渡って付いてまわる可能性がある。
従業員は、ストレスから完全に回復する見込みがないために、自身のストレス要因への対処能力を低く見積もるかもしれない。
その結果、”ストレス要因をより深刻なものと受け止め、仕事の満足度が低下する”のだと。
●まとめ
この研究結果を踏まえた上で、組織が改善しなくてはならないことは、
”憂鬱な月曜日”という現象を”考慮した対策をとること”だと思います。
僕の高校のサッカー部は、月曜日にアスレチックトレーニングをするというのがお決まりでした。
アスレチックトレーニングは、文字通り、アスレチックのような種目が何種類か設けており、それをひたすらこなしていくというものでした。
サッカー部の皆は、月曜日に雨が降って欲しいと願うほど、それはそれはきつい練習メニューだったそうです。
(僕はバスケ部でしたので、体験したことはないんですけども)
先程の研究結果で考えると、月曜日にアスレチックトレーニングをするというのは、
週で最も、モティベーションが低い時に行っているものと考えられます。
可能性として、もし金曜日やオフ前日にアスレチックトレーニングを行っていたら、
「雨降れ!」と願うよりか「よし!やってやる!」と思うかもしれません。
しかし、月曜日にアスレチックトレーニングをすると考えた監督やコーチからしたら、
「月曜日だからこそやらなくてはならない」と考えていると思います。
月曜日にきついことをするからこそ、弱い自分に打ち勝ち、強靭なメンタルを身につけることができると。
そもそも、部活の話となると土曜・日曜も練習や試合がある(休息がない)のがほとんどなので、この研究とは別の話かもしれませんが、、、
最終的に研究チームが出した結論は、
”組織が実施する*ウェルネス活動のスケジュールは、従業員のニーズがもっとも高まる週明けに設定するべき”というものでした。
同様に、ストレスの引き金となりうる”大規模な組織改革は、週末に近い日に実施すること”を薦めていました。
*ウェルネス活動:生活や人生の質(Quality of Life)を豊かにするもの。健康であり、健康であるための態度や行動を含むもの。
今後の人生で、マネジメントや組織開発をしていきたい人であれば、この知識はいずれ役に立つかもしれません。
既にそういった役を務めている場合でしたら、ぜひ参考にしてみてください。
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