〜逮捕された時の事〜1
⌘ 今は更生しています🗽
いつもの朝、犬の散歩に行こうとマンションエントランスに降りた瞬間、刑事4人に囲まれた。
『〜さんですよね?〜警察署の者です。○○取締法違反で逮捕状が出ています。家宅捜索令状も出ているので、家の中見せてもらいますね。』
産まれて初めて警察に捕まった私は、むちゃくちゃ頭が真っ白になった。
”これまじやばいやつじゃんか〜。。ぁぁぁ終わったわ〜。。しかも警察署が○○警察署。私のいる地域の区間じゃない!”
管轄外の刑事がなぜきているか、その時は全く分からなかった。
とりあえず、往生際が悪いが断ってみた。
すごく馬鹿で、すごくかっこ悪かったと思う。
私『いや、家片付けてからがいいですね!今は色々あるから無理なんで!』
刑『いや、もう家入れないからね〜!』
本気で逃亡するか悩んだが、愛犬が何事だ!?と、とても興奮していて、やっぱりこいつを無視して逃げれないと思い、腹を決めた。
その時残りの刑事が、4人到着した。一人が私に向かってきた。
刑『〜さん、おはようございます。あなたの担当の○○です。じゃ、家いこっか。』
私は諦めて上へあげた。
家へ入り、家中が匂う。
刑『これ、なんの匂い?』
私『わかってるでしょ?○○だよ。』
私はもう開き直っていた。
誰がどう見ても自分が悪いが、私は民族の混血の為昔から馴染みがあり文化であり、この罪名に対して当時罪の意識が全くなかった為、何が悪いこの野朗くらいに感じていた。
とりあえず、少なかったが素直に持っているものを全部出した。
その時、令状を見せられた。
そこには、〜に譲り渡したという事と、その人の名前が書かれていた。
”ちくしょう…あいつらだな。だからここの所轄なんだ”
それを見た時、全てを察した。
刑事達はカメラを回しながら、家中を探し回る。
”…カメラ!?”
私『ちょっと、これってテレビに出たりすんの!?私、悪い事してないのに、まじで最悪なんだけど!』
私は頭が狂ったように、一人で泣き喚きキレていた。
刑『出るかもしれないし、出ないかもしれない。出る時は〜さんの携帯に電話くるよ。けど、拒否権はないんだよね。』
私『は!?まじで最悪。こんな私捕まえるよりもっと悪い奴らいっぱいいんのに。言っとくけど、私なにも喋らないよ。だから期待しないで。』
刑『それを暴くのが、我々の仕事ですから!』
私『まぁ好きに言ってな。どうせ無理だから。』
そう言い私は、今日でしばらく会うのが最後であろう、愛犬を抱きしめて無言でいた。
この先どうなるのか、とても不安だったが腹を決めた。とにかく耐え切ろう。
家宅捜索は6時間も続いた。
刑事達は私の事を言った人達からの話と、私の家にある物の違いに納得できなかったのだろう。
なんと私の事を言った人達は、私と友達であったのに
”刺青だらけの売○ヤ○○”
と言っていたのだった。
そりゃぁ、こうもなるのが当たり前。
けれど、イタズラくらいの証拠しか出てこない。
刑事はとても落胆していた。
私『ね!こんな刺青だらけだけど、本当にただの一般人だし、頭おかしくないし、通帳もあるし、仕事もしてるよ!もうきっと望む証拠はないからやめた方がいいよ。』
それでも刑事は最後の最後まで粘っていた。
一通り終わり、色々な書類を書かされ、荷物をまとめてくれと言われ、お気に入りのTシャツと下着を持った。
刑『周りの目もあるので、手錠はかけないね。』
私『いやいや、充分もうみんな見まくってるよ!笑
好きにして下さい。』
下へ連行され、住民達が何事だとゾロゾロ出てきていた。
こんな身体中お絵かきだらけの私を見て、手錠を付けようが付けまいが、きっと重犯罪者に思われたに違いないだろう。
車に乗せられた。
セ○ナの後ろに乗らされ、横には刑事が張り付いていた。
刑『じゃあ、これからいっぱい質問していくね。』
そう言い刑事は私の産まれから、事細かく様々な事を聞いてきた。
1時間くらい走り田舎の署につき、色んな警察官が車を包囲していた。
”なんだこれ〜…私まるで人○ろしたみたいやな”
凄まじい所にきてしまったと、ここでもう死ぬほどかなりの後悔をしていた。
車を降りると、警察官がいっぱい立っている。
その中を歩き、裏口みたい所から警察署内へ入る。
階段をのぼり、取調室に連れていかれた。
もう時刻は18時を回っており、夕飯が出た。
メニューは、ザーサイ、天ぷらのアンがかかったようなやつ(これは後に定番の如く毎度出た)、ほうれん草のお浸し、ライスだった。
私はショックのあまり、全くご飯が食べられなかった。
刑『しっかりご飯は食べてね。』
私は無視してひたすら泣いていた。
”なんでこんな事になったんだろう…誰も傷つけてないのに。他に悪い事なんてした事もない。家に帰りたい。もう辛い。どうしたらいいんだろう…”
初めての逮捕に憔悴しきっていた。
気づくと、もうあたりは真っ暗だった。
刑『それじゃあ、房に行くね。』
そう言われ、房に連れていかれる。
そこはドラマでしか見たことがないような、驚きの場所だった。
刑『○時○分、よろしくお願いします。』
警『はい、○時○分、引き受けました。』
そう言い、留置所の警察に引き渡される。
どうやら、刑事と警察官は全く違う組織なようだ。
そのまま、医務室に連れていかれた。
ここで、留置中とても心の支えになってくれた、優しい警察官Bさんと出会った。
Bさんは私の書類を読みながら、
B『なんだぁ〜○○だろ!そんな泣く事ないよ!大丈夫、大丈夫初犯だからすぐ出れるよ!それよりご飯、食べれた?…その感じだと食べれてないかぁ。』
と言ってきた。
私『はい…全く食べれなかった。こんな所今までずっと無縁だったから本当どうしたらいいかわかんない…』
B『大丈夫!かなり暇だけど、本を読んだり、普段はこんなにゆっくり休めないから、少し身体休ますといいよ。余計な事は考えない!ここまできたら、なるようになるから!ね!』
私『はい…どうもありがとう。』
B『あ!今日から1007番っていう数字で呼ばれるからね!ちなみに、1007番さんと俺、同い年だよ!もうこんな所きちゃだめだぞ〜!』
Bさんは私の緊張を解こうと、すごく気を使ってくれていた。
私『私仮にも犯罪したのに…本当にありがとうございます…』
Bさんが優しくしてくれるほど、涙が出た。
B『いや!まだ刑が確定してないから、推定無罪だから犯罪者じゃないよ!それに俺と同じ人間だし、○○は被害者無き犯罪!俺だってこんな所突然入れられたら、1007番さんみたくなるよ!何か困った事があったら、すぐに言ってね!』
私『ありがとうございます…』
私はBさんの慰めのお陰で、少し冷静を取り戻せた。
B『じゃ、身体検査するね!俺は男だから、女性の警察官がやってくれるからね!』
すると、女性の警察官が2人やってきた。
B『じゃ、よろしくお願いします!』
女警『すみません、こんなのビックリするよね。した事ないよね。けどここに来ると、あなたが凶暴じゃなくてもやらなきゃいけないんだ。』
私『いいえ…こちらこそ夜分遅くにすみません。自分で全部脱ぎますね。』
女警『ありがとう!あなた大丈夫そうだから、私ここで見てますね。』
私『大丈夫逃げたり凶器出したりしないから!』
そう言い残りのパンツを脱ごうとした瞬間。
女警『あ、脱がなくて大丈夫よ!もう大丈夫。』
私『肛○の穴まで見るのではないのですか?』
女警『うん、大丈夫。もう遅いし、早く手続きすませて、横になりたいよね。ごめんね、もう少しだけ待ってね。』
その時はもう23時を回っていた。
持ってきた部屋着に着替えるよう言われ、全てが終わり、またBさんがきた。
B『少しは落ち着いたようだね!よかった、よかった!じゃ、夜も遅いしお部屋に案内するね。まぁこんな所だから、お部屋と呼べる所じゃないんだけどさ…』
そう言い医務室を一緒に出た。
医務室を出ると、いっぱい牢屋みたいのがあった。カーテンが張られ、中が全く見えなかったが、みんなのイビキが凄かった。
そして”保護房”という所に連れていかれた。
B『今留置所が男性でいっぱいで、女性の房に男性が入っちゃってるのよ…だから精神とかが変な人用の保護房しかなくてさ。ちゃんとして欲しいよねぇ…俺らも入るって分かったのが、今日でさ。ごめんねぇ。。』
私『え…ここヤバい。音も何にも聞こえない…』
B『そうなんだよ!しかも同居人なし。本当やだよねぇ…とりあえず数日したら、絶対少しは慣れるから、大丈夫だから!何かあったら言ってよ!とりあえず、これ布団ね!普段女性はあまり来ないから、新しいの出したよ!』
そう言って新品の布団を渡してくれた。
布団の敷き方をBさんに習い、寝る準備をした。
私『本当に夜分に、親切にどうもありがとうございました!』
B『全然!てか、留置所でそんな事言う人あまりいないよ。笑 俺ら3人1組で回ってるから、また後で違う人も顔見にくると思うからさ!よろしくね!』
私『はい、おやすみなさい。』
Bさんは戻って行った。
取り調べ中、留置所に何回かトイレをしにきていたが、とりあえずトイレを見てみた。
”うわ、これが手で磨くってトイレ!?うわ…ここまぢで私がくる場所じゃない…もう2度こんな所こない”
留置所1日目。
私は自分が置かれてる状況全てを見て、意思を固めた。
いくら混血や文化だからといって、日本のルールに従わないとこうなるんだ。
こんな想いをしてまで、やりたい事ではない。
絶対にもう、2度とこんな所にこない。
絶対にやらない。
もうこんな想いはうんざりだった。
寝ようと思い、何度も目をつぶったが、なかなか眠れない。
その時足音が聞こえ、牢の外をビックリして覗くと
そこにはオジィちゃん警察官が居た。
名前はAさんだ。
A『あら、やっぱり眠れないかい?こんな所に急にいれられて、ビックリするよなぁ…今日は眠れないかもしれないけど、身体だけでも横になってたら身体休まるからね。何かあったら、呼んでね!あ!水でも飲んでごらん!』
そう言い、1007番と書いてあるコップに水を汲んでくれた。
私『ありがとうございます…まだ混乱してて今日は眠れないと思います。すみません。』
A『大丈夫、大丈夫!動揺して眠れないのは普通の神経!こんな所に慣れちゃダメだからね!』
私『ありがとうございます。』
Aさんは戻っていった。
朝日が登った頃、ウトウトしてきて、1時間くらい眠れた。
A『はい、朝です〜!おはようございます!どう?眠れた?』
私『はい、1時間くらい眠れた。目が覚めてここにいて、現実で更に落ちた。』
A『あははは〜!俺も目覚めがここだったら、マジ落ちるわ。笑 よし、まずは布団を畳んで、掃除します!』
そういうとAさんは、青いバケツと雑巾を渡してきた。
私『これ、、ガチでトイレも床も手拭きなやつだ!?』
A『そうそう。絶対クイッ○ル○イパーの方効率いいだろって感じだよね笑』
私『Aさんって、なんか警察官じゃないみたいだね。』
A『ん〜俺は警察目指したのが遅かったからねぇ〜。前に刑事課にも行こうとしたけど、俺には何か違かった!留置課好きなんだよね!』
私『そうなんだ…こんな警察官見た事ないからビックリした。とりあえず掃除やります!』
A『ざっとでいいからね!あ!保護房部屋締め切っちゃうと、声も聞こえないし、精神的にもよくないだろうから、開けとくからね〜!』
私『はい、ありがとうございます!』
そう言いAさんは隣の部屋の房へ声をかけに行った。
私は元々トイレ掃除や家の掃除が大好きだった為、念入りに掃除した。
あんなに小さな部屋でも、掃除をするととても心が晴れた感じがした。
数10分後、今度はCさんという警察官がきた。
C『1007番さん、洗顔の時間っす!』
若い小太りなお兄さんだった。
Cさんに、固形石鹸や歯磨きをもらった。
C『今日は留置所の貸し出し出来るんすけど、次の○曜日買える日くるんで、買って下さいね!』
私『はい、わかりました。』
私は顔を洗い、歯磨きをした。
C『なんか○物で入ってきたって聞いたすけど、全然1007番さん普通っすね!』
私『○物いうても、○○です。○物じゃないです。』
C『あーなるほど!最近多いんすよね〜』
Cさんは、とても若者口調だった。
歯磨きが終わり、着替えを棚から取るように言われた。
着替えをとり、また房に入るよう言われる。
C『またオリの中っすよ〜こんなに天気いいのに、見てて可哀想っす。頑張って下さい。もうすぐ朝食くるすからね!』
私『ありがとうございます。』
着替えをもち、房へ戻った。
”はぁ…あと何回これを繰り返すんだろう。耐えられないかもしれない。”
私は時折、とてつもない絶望感に襲われた。
出口が全く見えない迷路を歩かされているような感覚。
自分がした事にとても後悔して、涙が溢れて止まらない。
捕まる直前の朝、母と電話していた。
母『体調どう?』
私『今日もちょっと持病が良くないけど、まぁまぁだ!お母さんも一日頑張ってね!いつもどうもね。』
私は持病がある為、毎日連絡をくれていた。
母はきっと急に私が連絡取れなくなって、とても心配しているだろう。
留置所に入ると、留置課の人から、一人だけ逮捕の事実を身内に電話で伝えてもらえる。
私は迷わず、元旦那にした。
元旦那は、私の全てを知っていた。別れてからも、人として、友達として上手くいっていて、しょっちゅう連絡を取り合っていた。
A『元旦那さんに連絡したよ〜。すごい心配してた。面会出来るようになったらすぐくるって!あと、明日差し入れとか持ってくるみたいだよ!よかったね!伝言で、気をしっかり持てよ!って伝えてって言われたよ!一人じゃないから、頑張ろうね!』
私『ありがとうございます…』
それを聞いて、また泣いた。
同時に、とても申し訳なくなった。
私事にみんなを巻き込んで、心配させて、2度とみんなを裏切らないと誓った。
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