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思うこと241

 気合いを入れて創作物を書くには、どうしてもインプットがないと拍車がかからない。前回の劇脚本では、映画「何がジェーンに起こったか?」(1962年)を観たことが脳内と作業にかなり良い影響をもたらした。不思議なことに、何かを書こうと奮闘している際にふと手に取る小説や映画の中には、意外にも今「書きたい」と思っているテーマと合致するものが必ずある。いわんや、名作にはあらゆる普遍性が含まれるものだから、そういった共通項を見出すことは別段おかしくはない。ただ、「おおっ、すげえな!」と一人しみじみ感動するのである。
 深夜二時を過ぎて、さて書かないとヤバイ、という頃にどうしても気乗りせず、かと言って寝てしまってはもう明日の夕方まで目覚めないのを分かっているので、借りていた本を読むことにした。「コンビニ人間」/村田沙耶香。コンビニ店員としてしか生きられない物悲しい中年女性の話だが、結局本人はそれで何の問題もなく、周囲だけが彼女を変えようとする。世間の声というものが如何に自分勝手で、異質者をスケープゴートにするか。
 結局作業を放棄して丸一時間を捧げた「コンビニ人間」。今後の創作を後押ししてくれそうな、良い読書であった。ところでそろそろ映画も観たいなぁと思いながら、しかし作業も進めなければ、と38度を越える猛暑の中でクーラーも使わず、じわじわギリギリ苛まれつつ。

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