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闘争の倫理

こんにちは。昨日、恩師 大西鐵之佑先生のことを少し書きました。ラグビー日本代表を率いて、敵地NZでオールブラックスの弟分、ジュニアオールブラックスを撃破。イングランド代表を日本に迎え、3-6の大接戦を演じた監督さんです。

大西先生は、早稲田大学ラグビー蹴球部も指導されています。私が学生の頃は教授として教壇に立っておられました。ラグビー部員の教育学部体育学専修(通称 体専 たいせん)の学生はほとんどが「大西ゼミ」を履修します。今思えば、大変貴重な体験でした。私は良く居眠りして、叱られていましたが。

先生は、ラグビーに関しては、すごく厳しい方でしたが、ふだんは、とてもやさしい方でした。

先生は、早稲田ラグビーがピンチの時に監督として指導に当たっていただき、大学を復活させる、切り札のような方でした。私の学生時代は、まさに、明治大学に3年連続で定期戦(いわゆる早明戦)に負け、いよいよ次に負けると明治大学に一度も勝つことなく卒業する部員が出てしまう、切羽詰まった状況でした。

そこで、大西先生に監督をお願いすることになりました。当時、少し心臓病を患われていて、健康上無理な状態でしたが、引き受けていただきました。

そのシーズンは、春のシーズンを早くスタートさせ、寮生は、毎朝サーキットトレーニング。週末は名だたるOBが東伏見のグラウンドに駆け付け、現役を指導しました。春シーズンは、まず、OBチームに勝つこと。OBさんは、さすがに強かったです。春の早明戦(練習試合)は負けたように記憶しています。

夏合宿は練習試合も公式戦並みに勝利にこだわり、ペナルティーゴールも狙いました。本番を意識した試合運びです。また、「体力の限界を知れ。」と言われ、走り込み練習に明け暮れました。

合宿の終了とともに、部員に告げられたのは「我欲を捨てよ」。具体的には禁酒、禁煙です。「?」部員には、はてなマークと、何の関係があるねん、でしたが、その意味が最後にわかります。

そして、秋のシーズン開幕前にダブリン大学(アイルランド)と国際マッチを行います。OBさんも入っていただき、オールワセダチームで対戦しました。ダブリン大学はこの遠征で負けなし。強力です。この試合をオールワセダは快勝!この勝利はチームに大きな自信を与えてくれました。

さて、シーズンに入るとワセダは連勝、慶応大学にも勝ち、全勝同士の早明戦になりました。明治大学は、史上最強と言われた重戦車軍団。王者の風格です。ワセダも展開力で勝負です。

動画を見ていただけるとわかりますが、両チームとも死力を尽くした好ゲームでした。ワセダが勝っています。

大西先生はメイジに勝つには、「我欲を捨てろ」と言われ、お酒、たばこを禁止する禁欲の生活を部員に求めました。好きなことをしていては、メイジに勝つなどという高い目標は達成できない、「我欲」を捨てて、メイジへの勝利のみに執着することで、自由闊達、自分の力を存分に発揮できる境地に立つことができる、と仰っていたと思います。まさにグラウンドの上でのワセダの選手は自由に思い切り走り回っています。これが目的だったのです。

さて、「闘争の倫理」の事を書こうと思っていましたが、すみません、ついつい、1981年の回顧になってしまいました。「闘争の倫理」は明日に回します。

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