イマージョン・ジャズ:ジャズとクラシック音楽を組み合わせる際の個人的なアプローチ

ピアニストの声明


この文書では、私が一人の芸術家としてピアノ演奏、作曲、ピアノ即興に対してどのようにアプローチをするかについて説明します。

そのため、これは個人的に使用するための文書となっており、他者に指示をする目的ではなく、説明を目的としたものになります。

特に、2023年3月より、イマージョン・ジャズは私が日本とカナダにて行ったコンサートホールでのリサイタル、YouTubeライブ・Clubhouse(クラブハウス)・インスタライブなどでのピアノ演奏ライブ配信においてベースとなっているものです。

たいてい、多くのジャズピアニストはピアノの演奏にてクラシックとジャズ音楽を組み合わせる際に下記のうち、いずれかのアプローチを取り入れています:

1. クラシック音楽家は、正統派のジャズ曲を演奏する際、有名な音楽家による編曲がされたものでも苦戦することが多い。これはほとんどの場合、「スウィング」のリズムを体で感じることができなかったり、ジャズの即興でのメロディーやハーモニーの表現に十分慣れていなかったりすることによる。

2. 一部の音楽家はクラシック音楽の主題をもとに、ジャズまたはクラシックの即興スタイルで即興演奏を行う。

3. そして最後は、私が「イマージョン・ジャズ」と呼んでいるもので、ピアニストがジャズとクラシックの豊富なピアノ演奏経験を元に、新たなメロディーやハーモニーの個性豊かな表現を作り、即興の際に使用するというタイプのピアノ演奏。この時、リズムと音色は重要ではない。
この中でも、私は3つ目のアプローチ「イマージョン・ジャズ」に興味を持っています。

上に挙げた通り、一人一人のピアニストがそれぞれ特徴的な表現をすることになりますが、これは経験値や使用する表現方法が個人個人で異なるからです。

全てに共通するのはイマージョン音楽という考え方であり、注意深く聴いている聴衆は魅了され、音楽の世界に没頭し、まるで聴衆一人一人の心理的な気分や体調次第で癒し・リラックス・精神浄化・瞑想・ストレス解消といった効果があります。

そのため、イマージョン・ジャズは次のように特徴づけられる傾向があります:

Ⅰ. ゆっくりとしたテンポのため、演奏家に選択的・表現的に長く響き渡る音に浸ることを可能にする。
Ⅱ. 演奏家は一定の拍子で演奏する必要はない。(適切だと感じた部分で、通常の拍子に従って演奏する部分があっても良い。)
Ⅲ. 全体的な主題を意識する必要はない。たいてい、曲を即興で演奏する場合、すでにあるコード進行を基にし、そこから主題の一部一部を組み込んで、展開していく。演奏家が主題をすでに作り上げている場合、これらを行うのはより困難である。このため、主題を程度展開しても良いものとし、展開部に続いて再現部があるとしても、従来の主題に戻る必要はない。
Ⅳ. 最後に、イマージョン・ジャズは主に西洋のクラシック音楽とジャズの美的感性から得た表現力、滑らかさ、切なさ、瞑想的なものを兼ね備えたものである。


以上が、私がイマージョン・ジャズを作曲、即興、演奏する際の指針となる芸術哲学と習慣を要約したものとなります。

上記の内容に関して、是非皆さまからのコメントをお待ちしています。

私の手がけているイマージョン・ジャズは、Youtubeからご視聴ください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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