【シアターブルック】~ドキドキの中の偶然 ~
思い出の中の曲について書いてみるシリーズをひとりよがりにやってみる。
おそらくギリギリのところで合格、入学できた希望の大学。18歳の私は夢に向かって歩み始めた。はじめての一人暮らし、はじめてのバイト。相変わらず協調性がないので、サークルというキラキラには足を踏み入れなかったけれど。好きな音楽を聴いて目覚め、好きなだけ気になるCDを借りて、お気に入りの音楽を寝るまで聴いてられるだけでも自由で楽しかった。
学生生活に慣れてくると、彼氏や彼女ができる友達も増えてくる。しかも先輩が恋人となると最大4つも年上。大学生って大人だわ~と妙にドキドキ人の恋愛話を聞いていた自分にも転機が訪れる。
いろんな学部の学生が集まる一般教養の授業。200人くらい軽くいるから、ちょっとでも遅れると教室内で目をこらして空いている席を探さなければいけない。ある日わたしの隣が空いていて、遅れてきた人が座った。それはどこの教室でもよくある、ただそれだけの出来事のはずだった。
それから、同じ人が遅れてきては私の隣の席が一つだけ空いていて座るということが重なった。一緒にいる友達が愛想のいいタイプで時々簡単に会話をすることもあって、普段は関わることのない学部の先輩だとわかった。広い大学内、授業の合間に移動するのも距離があれば当然遅れ気味になる。でもぽつぽつ席が空いている場合も彼は隣に来る。偶然なのか?わざとなのか?もしわざとだったら友達に気があってのことだろうと思っていた。
ある日、私の学科の授業の教室の前でその先輩が待ち伏せていた。どうやらいつもの友達と分かれる授業ということも突き止めてのこと。「今日、学校終わったら一緒に映画にいかない?」と彼は言った。免疫のない私は、頭パニック。偶然の出会いからの待ち伏せ、からの映画!?まるで恋愛漫画の世界。速攻で断った、「行きません。」
「じゃあ最寄りの駅まで車で送るから、あの子も一緒なんでしょ、一緒に乗せるから言っといて。」後で友達に話すと、人懐っこい友達は「乗っけてもらおうよ~」と軽いノリ。たしかに1年生は車通学禁止で不便な通学を強いられていた。
ドキドキしたまま乗った先輩の車から流れてきた曲。ギターのイントロを聞くだけで、一気に心をつかまれてしまった、、、何?いきなりこの曲がかかる車って?この人って何者!?シアターブルック聞く人だったんだわーと。しかもわたしの大好きな曲「ドレッドライダー」
この日をきっかけに自分の習性を自覚することになった。人見知りの自分が気に入ってるあまりメジャーでない曲を同じく気に入ってる人がいると、一気に心を許してしまう。
話をしてみるとこの先輩は、就職活動の前までバンドをやっていて、ギターが弾ける人だった。それから私に洋楽邦楽問わずいろいろな音楽を教えてくれた。一緒にお互い気になるバンドのライブにもいった。好きな音楽をかけながらドライブにも連れて行ってくれた。
彼は間もなく卒業して社会人になった。転勤もあった。そういう変化に耐えられる恋愛ができるほどの度量がその時代のわたしになかった。直接会える機会はなくなった。でもお互いいつも気になる音楽のアンテナを張っていて、かっこいいと思うものを情報交換するようになった。それは今でも変わらない。遠くに住んでいても、たまに連絡が来る、「最近かっこいいと思う音楽ある?今、俺が気に入ってるのはね、、、」と。
あの日、偶然わたしの隣の席が空いていなかったら、先輩が待ち伏せる気になってくれなかったら、たまたま車でかかった曲がシアターブルックでなかったなら、、、、、そう考えるとすべてがたまたまにしても偶然ってすごいと思わざるを得ない出会いと思い出。
♪ シアターブルックでわたしが好きな曲 ♪
ドレッドライダー、ありったけの愛、昨日までちょっと、まばたき
この中からの1曲が何も知らずに車でかかってたら、わたしは心を許してしまいます(笑)メロディーともはや平行並みに魅力を放つギターのフレーズ、和音の演奏からもギターのメロディが聞こえる。歌詞の熱さも、もはや詩集のよう。
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