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「わかったからごめんなさいって謝りなさい、それでいいのよ」

忘れられない先生のハッシュタグがあるのを知って、私がいつまで経っても忘れられない、ある先生の話を。

小学生の時、やたらと先生に怒られる時期がありました。
その時一緒にいた友達のお母さんがモンスターペアレント代表!みたいな人で、我が子に何かあるとすぐに学校に連絡する人だったから。

でも、特別怒られる様なことをしたわけではありません。
正直もうなんで怒られたかは覚えてないけど、私の親も友達もみんな味方してくれたのは覚えています。

なのになぜ私は先生に怒られなければならなかったのか。

その時の担任の先生は新卒で新任の若い女の先生でした。
その先生には子どもから見てもこわ〜いベテラン先生が初めはいつも付いていて、授業のことなど色々怒られていました。
今になれば、先生も大変で辛くて、問題を抱えたくなかったんだろうなと思います。

なのに毎週のように保護者から電話がかかってきて、「うちの子がこんなことをされたらしいです。先生に言えるような子じゃないから家に帰ってきてから全部言うんです。もっとよく見てあげてください。そしてちゃんとその子に、うちの子に謝らせてください。」なんて電話がかかってきたら、、、しんどいですよね。先生もいっぱいいっぱいだったんだろうとは思います。

でも、電話がかかってきた次の日に毎回呼び出されて、取り調べみたいに話を聞かれて、責められて、こちら側の話は何にも聞いてくれなくて、、、、
最後には「わかった、あなたの言う通りあなたは悪くないのかもしれない。でもわかったから、ごめんなさいって謝りなさい、それでいいのよ。あの子は嫌な思いをしてお母さんに先生に言ってってお願いしてるんだから。あなたが謝らないと終わらないよ?」と、そんな感じのことを言われたのを今でも覚えています。
一応その場で謝りはしたけど、その子は気に食わなかったらしく、その子の親から次は家まで親と一緒に謝りに来るように言われました。

母はいつも、何度も何度も先生に怒られて、私悪くないのに、、、と泣いていた私の味方でいてくれました。
「大丈夫、ママは悪いことしてないのわかってるよ。ずっと味方だよ。」そう言いながら一緒にその子の家に謝りに行ってくれました。

母はそこで、私と一緒にしっかり謝りながらも、私にそういうつもりは無かったこと、私の思いとその子の思いをお互いに気づけていなかったね、とその親子に話してくれました。
その子やその子の親がどう思ったのかは分かりませんが、それからそのように呼び出されることは無くなりました。

なぜこの先生を忘れられないか。
嫌な思い出としてずっと残っているから、と言うだけでは無いです。

この先生のおかげで私は教師になる夢を見つけたから。

悲しかったし、悔しかった。
ちゃんと話を聞いて欲しかった。
大人の目を気にするのではなく、私のことを、もっと子どものことを見て欲しかった。

自分がしたこの気持ちを無かったことにはできないから、その代わりに、これから産まれてくる子どもたちがどうか同じ思いをすることがありませんように。
その先生を反面教師に、子どもたちのことをしっかり見て、耳を傾けて、寄り添える教師に私がなる。

そう思わせてくれたからです。

周りの先生を目指す友達とは全然違う、ポジティブではない志望理由です(笑)ひねくれてるのかな、私(笑)

でもありがとう、先生
あなたの見せてくれた夢はとても大きくて、眩しくて、遠くて、熱い、素敵な夢です。

夢見て10年
数週間後に教員採用試験を受けます。

いつか立派な教師になって、あの先生に再会したいです。その日まで、必死に頑張ります。


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