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【山雅2022レビュー】vs岐阜|J3 第6節

2022.4.17
J3 第6節

FC岐阜
×
松本山雅FC

※本ブログ投稿時点で、第9節まで終了していますが、最新の試合についての内容ではありません。
※第7節以降は観ていない状態でのレビューとなっています。

スタメン

岐阜(緑):4-2-3-1
山雅(白):4-4-2

前節からの変更点

  • 3-4-2-1 → 4-4-2

  • 宮部、外山、浜崎 → パウリーニョ、佐藤、小松

前半

岐阜のビルドアップ

岐阜はボランチの庄司が最終ラインに加わり、3バック+アンカーの4人でビルドアップを行う。

対して、山雅は基本的に2トップが縦関係になり、プレスをかけにいく。

庄司へのパスコースを切りながらプレスをかける。

岐阜は3-3-3-1のような形になっていて、この状態だと、フレイレからのパスコースは舩津しかない。そして、舩津からのパスコースは窪田しかない。

窪田に渡すしかない。

岐阜の攻撃は、窪田のドリブルでの仕掛けがうまくいくかどうかにほぼ掛かっていた。

小松の貢献

このように、相手のパスコースを限定することができていたのは、小松の貢献が大きい。

この試合、小松は、相手のボランチをしっかり潰そうという意識が非常に高かった。プレスをかける場面でもそうだし、相手がボールを前に運べた時も、ボランチが上がっていくところにしっかりついて行くことが多かった。

これまでの試合では、ボランチに好き放題やられてしまうことが多かったのだが、この試合では小松の働きが素晴らしかった。

第6節になってやっとか…という思いも少しあるが、とにかく、今後も小松にはこの仕事をぜひとも続けてほしい。

岐阜側の問題点

岐阜のビルドアップがあまり効果的にできなかった原因のうち、2つ挙げる。

①庄司
CBの間に下りてくる庄司が、左右どちらかのCBに預けた後、もう一度パスコースを作ってあげる動きがあまりなかった。

②3バックの距離
3バックの選手間の距離が近いので、山雅FWがプレスをかけやすい。
第4節の相模原戦では、相模原の3バックが距離を取ることで、山雅のプレスがはまらなくなるという現象が起こっていたが、この試合ではそうならなかった。

後半

ハーフタイムのメンバー変更

前に代えて外山を投入し、左SB外山、右SB下川に変更。

外山を、前半に何度もドリブル突破を試みていた窪田とマッチアップさせるのは怖さもあったが、その点についてはあまり問題にはならなかった。

むしろ、外山の投入は攻撃面で大きな効果をもたらしていた。

チームがボールを奪うと同時にサイドを駆け上がることで攻撃に厚みが出ていたし、1対1で仕掛けてクロスを上げるなど、得意なプレーで脅威になっていた。

岐阜の時間帯

柏木がボランチに移ったあたりから、岐阜がボールを持ち始める。

タメを作ることのできる柏木がボールを触る回数が増えたから、というのもあるが、加えて、SBが少し中に絞ることで、DF4人+ボランチ2人の6人が近い距離でパス交換することで、ボールを保持していた。

岐阜が余裕を持ってボールを回すようになる。

山雅のシステム変更

左右に揺さぶられるのを防ぐため、中央が厚い5-2-1-2に変更。中央を経由しづらくなるので、岐阜はサイドチェンジが難しくなる。

空きやすくなるSBに対しては、WBがなるべく出ていき、無理な時は、交代で入ったフレッシュな前線の選手たちが追いかけ続けることで対応できていた。

中央で自由を与えないようにしつつ、SBにもしっかりアプローチする。

試合結果

FC岐阜   1
45+2' 菊池
松本山雅FC 3
37' 小松  59' 住田  73' 住田

ハイライト振り返り

失点シーン

試合時間46'05"~

46'13"の瞬間の各選手の立ち位置は下図の通り。

どんなに丁寧に守っても、時には失点してしまうのがサッカーなので、今回の失点に関しても絶対に防げたかは分からない。ただ、防ぐ努力はもっとできたのではないかと思うので、触れていきたい。

守り方はチームそれぞれ決まっていることがあると思うので、あくまで個人的な意見である。

パウリーニョ
目の前を柏木が走って行っているのだから、ついて行ってほしい。ついていかないのであれば、しっかり味方にマークの受け渡しをしてほしい。
今回に限らず、マークの受け渡しを怠っているシーンは定期的に見られる。

柏木への対応をはっきりと。


柏木のことを誰も見ていない状況(大野はギリギリまでFW山内を見ていた)なので、柏木が大野と前の間のスペースに入ってくることを警戒して、もう少し中に絞ってほしかった。
大外の選手を見るのはSBとして重要な仕事ではあるが、中央が危険な時は、優先すべきは中央の対応である。
もし絞っていたら、菊池のシュートコースに入り、ブロックできた可能性がある。できなくても、シュートコースを限定できるので、ビクトルがコースを予測しやすくなったかもしれない。
難しいシーンではあるが、柏木に対してあまりにも無警戒だったのは少し気になった。

柏木が走り込むスペースを消したい。

住田(または佐藤)
右SH窪田から、中央の柏木・山内への直線的なパスコースを消すような立ち位置を取って欲しかった。
住田はおそらくボランチの庄司のことをずっと気にしていたが、優先すべきはエリア内の選手である。

エリア内の選手へのパスコースを優先して消したい。


住田

この試合2得点と活躍した住田についてだが、個人的には、ボランチとしてはきついと感じた。

まず守備面において、ポジショニングが甘いと感じる。マークすべき選手がいるのにしっかりついていかなかったりとか、もう少し急いで下がってきて欲しいと感じる場面でジョギングしていたりとか。

また、球際のぶつかり合いにおいても頼りない印象を受ける。

攻撃面では、ポジショニングはそれほど悪くないのだが、展開力が物足りない。

例えば、左サイドでパスを受けた時に、ターンできれば右サイドに展開できる場面で、ターンできないことがある。シャドーとしてプレーしていた時も気になっていた点である。360°どの方向にも敵がいるような、中央でのプレーは得意ではなさそうに見える。

よく首を振って周りを確認しているのに、なぜそうなってしまうのか。推測だが、「パスを受けられるかどうか」しか考えていないからではないか。

「パスを受けられるかどうか」を考えているので、首を振って敵の位置を確認する。ただ、「パスを受けた後どうするか」を考えていないので、味方の位置を確認していない。パスを受けてから、味方を探し、どうするかを考えるので、その分時間がかかり、相手に寄せられてしまう。寄せられるとターンすることはできなくなる。

パスを受ける前の準備が、住田の課題の一つかもしれない。

余談

プレミアリーグ最終節で劇的な逆転勝利を収めたマンチェスター・シティにおいて、ギュンドアンが本当に上手かった。

ギュンドアンのポジショニングが素晴らしくて、2得点とも、相手DFキャッシュの背後に入ることでフリーになり、得点を決めていた。

相手の背後を狙う動きは、FWなら必須級のスキルだと思うのだが、中盤の選手が当たり前にやっているのだから恐ろしい。

シュートも上手で、特に1点目のヘディングシュートは、ストライカーかと思うくらいミートが上手かった。

来季のプレミアも非常に楽しみである。


最後まで読んでいただきありがとうございました。

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