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『ペルソナ』

ペルソナ
中野信子著
著者は、「ホンマでっか」でもお馴染みの脳科学者。

「海外では博士号取得者がビジネスの第一線で活躍しているが、日本では博士号取得者の受け皿がなく、高学歴ニートが大量に生み出されてしまったという。。そして、中野氏もその一人だった。

日本で生きていくために必要なものは、高度な知的能力でも学歴でもなく、「マイルドヤンキー」たちのもつコミュニケーション能力なのだった。」

日本は、環境問題にせよ、20年くらい欧米から遅れているように思うが、博士号取得者不足問題も最近になってようやく問題として取り上げられるようになった。

「人間は思っているほど一貫しているわけでもなく、一つの顔しかもっていないわけでもない。」著者はこれを一番言いたかったのだろうと思った。幼少期の闇(毒親)、中高生時代の闇(孤独)、大学研究者の道を歩み始めてからの闇(男女差別)とあったが、結婚もしたし、TV出演などを通して社会適応もしつつある。。。さして、一貫性があるわけでもなく、ここで語られたことがすべてでもない。。

その他、印象に残ったこと

①「大学の良さは無駄なことを考えてもよいところにある。むしろ、役立つことをあからさまに考えるのはあまり格好よくないことだと、そういう空気があったと思う。明日の役にはたたなくても、300年後に役に立つかもしれない。それが大学の存在意義なのだと。」

②「本当に溺れている人は溺れているようには見えない。溺れている人は、静かに沈んでいく。」助けてくれと声を出せる人は溺れない。。

③「私たちの現在の繁栄はネガティブな抑うつ的反駁によってもたらされたものなのかもしれないのだ。」

④「敢えて勝ち負けをつけるのなら、自分が興味を持っていることや、楽しいと感じることに取り組みながら、その人に与えられた生を生き切ったものが勝ち、ではないか。」


おわりに、
ひとの評価をあまり気にせず、自分の興味や使命に従って強く生きるべきなのではないかと改めて思った。

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