【読書ノート】『寄生』(『約束された移動』より)
『寄生』(『約束された移動』より)
小川洋子著
「僕」は彼女にプロポーズするため、彼女が行きたがっていた高級なレストランを予約して、デートの約束をしたのだった。そして、デートの当日、見ず知らずの老婆に絡まれる。
キーワードをあげてみる
①寄生中
1. 寄生という行為は、寄生者が宿主に依存して生きることを意味する。このことは、人は一人では生きられず、他者との関係性の中で生きることを示唆する。
2. 寄生者と宿主の関係はしばしば力の不均衡を伴う。これは、社会における不平等や不条理を象徴する。
3. 寄生は、生存競争の一形態として捉えることができる。このことは、生き残るためにどのような方法を選ぶのか、倫理的な問題を示唆する。
②虫博物館
1. 虫博物館は、自然界の多様性や生命の豊かさを象徴する。このことは、異なる存在や価値観が共存する重要性について考える契機となり、生命の複雑さや相互依存性を理解する手助けとなる。
2.虫博物館を訪れることは、探求心や学びの重要性を象徴している。
③入館百万人目
人生における予測不可能な出来事や、偶然の出会いが持つ意味について考える契機となる。
物語の主題は何か?
ひとは一人で生きるのではなく、他人との関係性を築きながら、何が起こるかわからないなか、ひたすら、移動を続けることなのだ。そうして、自分に課せられた使命を果たしていくのだと理解した。