映画「ルックバック」を見て感じたこと
どもども、明原星和です。
先日、というより昨日、チェンソーマンで有名な藤本タツキ先生原作の映画「ルックバック」を今更ながらに見てまいりました!
「クリエイターは全員見ろ」という感じのことを先輩に言われて興味を持っていたのですが、なかなか時間が取れず今になって視聴。
結論から申しますと、ただ胸が熱くなったというのが一言での感想です。
※以下、ネタバレ注意です※
まず序盤。藤野が学年新聞の4コマ漫画を描くという唯一の立場に優越感を感じている場面。
ここの場面、個人的にとても共感できました。
僕自身、小学生時代に自由帳に絵を描き、友人を集めてボードゲームみたいなものを主催していました。
ゲームマスターとして、その遊びでは僕がみんなの中心。その時に抱いていた優越感を思い出して、こそばゆくなってしまいました。
そしてその後、不登校の京本が唯一の立場であった「4コマ漫画」を新しく描き始めるようになり、その圧倒的な画力に藤野は悔しがる。
我武者羅に努力を続けるも、6年生の時に友人から、
「そんなんだとオタクと思われるよ」
「絵なんて書いても意味はない」
みたいなことを言われて、「やーめた」と4コマ漫画を描くことをやめてしまいます。
ここもよく共感できる。
自分だけの特別な場所だったのに他人が入ってきて、自分以上の実力…もしくは人気をさらってしまう。
ふいに現実を見てしまい、ずっと続けていた・好きだったことをパッタリとやめてしまう。
小学生が抱く夢の形をここまでリアルに描いてくるとは。素直に脱帽しました。
その後、卒業証書を届けに京本の家に行く藤野は、京本から「ずっとあなたの漫画のファンでした!」と言われて、再び漫画を描き始めることになります。
この、たった一言に。ただ一人のファンの言葉がただ嬉しくて、再びやる気が湧いてくるというのは、小学生のみならず全クリエイターが共感するんだろうなぁ、と思った場面でした。
中学〜高校と藤野と京本はコンビで漫画を描き進め、7本もの読み切りを掲載するほどの実力者に。
編集さんから「高校を卒業したら連載を始めてみよう!」と勧められるも、京本が「美大に行ってみたい」と自身の進みたい道を語ります。
そんな京本に対して藤野は、
「そんなところに行ってもうまくやっていけない」
と、京本の進路を一蹴。
ここもあるあるではありますが、とても高い共感ポイントだと思います。
今までずっとやってきた相棒が、突然自分の道を歩き出そうとする場面で、素直に応援してあげられない。
こうして藤野は人気漫画の連載作家。
京本は美大生と別々の道を歩むことに。
そんな時、京本の通っている美大で不審者が暴れるという事件が発生し、京本が帰らぬ人となってしまいます。
一度は離れ離れになってしまった二人でしたが、藤野は「私のアシスタントは京本じゃないといけない」みたいなことを思っていたんでしょうね。
京本という無二の存在を失くし、
「私は何のために描いているんだろう?」
と思ってしまいます。
これです。ここのシーン。
この世の全てのクリエイターが一度はぶち当たるであろう、この思い。
自分がいったいなんのために活動しているのか?
それは、漫画のみに限らず、小説やイラストなども同義。
残酷ですが、クリエイター活動なんて世間から認められない限り一円の価値にもなりません。
お金にならない、将来のためになるとも限らない。
ひょっとしたら、積み上げてきた努力が一瞬で水の泡に消えてしまうかもしれないのに、なぜ?
個人的に、この疑問に対して明確に答えることができる。自分の中に芯をしっかりと持つことがとても大切なのだろうな。と映画を見て思いました。
ルックバックの上映が終了した時、僕の胸はただ熱くなっていました。
早く書きたい。
早く文字を打ちたい。
早く物語を完成させたい。
僕の内なるクリエイター細胞が総立ちになって、僕自身にそう語りかけてきました。
ただ描いて、描いて。
それでも、描き続けなければならない。
色々とルックバックを見て感じたことはあるのですが、個人的に一番感じたのは、
“作る側”の覚悟
ですかね。
クリエイターの方はもちろん、クリエイターではない方にも是非とも見ていただきたい。
そんな素晴らしい映画でした。
ちなみに、少年ジャンプ+にて冒頭部分を無料で読むことができますので、興味を持ったという方は是非。
漫画も販売しておりますので、下URLから是非!
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