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大人になんかなれないぞ

スズメ、教えたろうか。人間なんちゅうのは、大人になんかならへんぞ。ずっと子供のままや。競争したら勝ちたいし、人には好かれたいし、お金は欲しい。

これは、NHKの朝ドラ「半分、青い」で主人公スズメの祖父のセンキチさんのセリフだ。

私はこのセリフを、センキチじいちゃんの口から聞いた時、ふっと肩の力が抜けた。

子供の頃は、大人になったら思慮分別がついて、常に正解を出し続け、子供を諭し、表の顔と裏の顔を使い分け、子供の頃のみた夢なんか、ちゃんと忘れて、堅実に生きていける人になれるものだと思っていた。
それなのに、何年生きても、間違いだらで、人に教えることもない、裏表も使いこなせなくて、欲にまみれ、夢ばっかり見ていて、いつまでも大人になりきれない。
歳だけをくっていく、宙ぶらりんで中途半端な人間だと思っていた。

でも、人間、大人になんかなれない、いつまでも勝ちたいし、好かれたいし、欲しいんだ。なんだ、そうなんだ。ああよかった。
私は、このままでよかったんだと思った。

先々週の土曜日は、職場の研修で知り合った友人と、その友人の紹介で仲良くなった彼女の友人たちと新年会をした。
先週の日曜日は、また別の友人と、アーティストのライブに行った。
もう10年近く、毎週決まった曜日にランチしてるから、年間40回以上は顔を合わせる友達だだけど、今まで、皆家庭の事情もあり、休日に集まって一緒にライブに行ったりしたことはなかったので、とても新鮮だった。
3月には福岡に旅行に行く。
昨日は、仲良しMちゃんと、豪快でめちゃくちゃ美味しい海鮮料理のお店にいった。道中の車内でも笑いっぱなし、しゃべりっぱなしで、あっというまのドライブだった。帰りは、これまたお化けのように、大きくて安くてうまいクレープを買って、学生の混じって食べた。お腹が幸せになった。
どの友人たちとの付き合いにも裏表もなくて、本音で話し、ボケたりつっこまれたり。

面白そうな誘いには乗りたくなるし、面白そうなことを見つけたら、試してみずにいられなくなった。行きたいところにいくし、嫌なことはますますしなくなる。

それから、今はこうして、こんなことをnoteに書き連ねている。
いつか何かを書きたいという夢を持ちながら、できずにいた。それがこうして、毎日、何かしら書いている。拙い文章にも関わらず、読んで感想とともにシェアしてくださったり、スキやコメント、サポートをいただくこともあって、本当にありがたい。
楽しくてやめられそうもない。

人生は楽しくなる一方で、ますます自分が思い描いていた大人像から、遠ざかる。
まるで子供に還るように、オモロイものを探し、オモロイことをやって、失敗こそオイシイと思い、欲も不安も悩みもネタにして生きている。

人間は大人になんかなれない

実はそれを自覚した時が、大人になったってことかもしれない。
何歳になればもう大人っていうのでもなくて、「ああ、私は大人になんかなれないなあ」と諦めた時からが大人なんだ。

還暦を迎えた頃に母が「心は18歳のままなのにさ、還暦だって!」と笑いながら言ってたけど、そう言って生きている人が大人なんじゃないかな。

好きなことをする行動力と、ネガティブだってポジティブに変換する力を得て、子供のまんまでいいやって思えたら、どんな世の中も渡っていける最強の大人に違いない。

そうすると、いつの間にか私も大人になってたんだなあ。うふふ。楽しい。

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