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壁との向き合い方

今回は、目の前に立ち塞がった壁との向き合い方についてお話します。

スポーツにしても、物作りにしても、勉強にしても、掘り下げるとどこかで壁にぶつかります。壁を乗り越える過程は、ドラマチックです。小説や映画、マンガの題材によく選ばれます。少年マンガでは、強い敵が現れると主人公が自分の壁を乗り越え、今までにない力を出して敵を倒します。見る側にも力が入るシーンです。

このように、壁を乗り越えることは好まれる風潮がありますし、周囲で見ていても応援したくなります。

しかし、ある時に思春期の女の子が「世の中では、壁があったら乗り越えなきゃいけないっていう感じになってるけど、私はそうかな?って思う。逃げ切れる人ってかっこいいなぁって思う。私は逃げて逃げて、逃げまくりたい。できれば、こっそりいなくなって、逃げたことを周りに気付かれないようになれるといい」と言っていました。僕はこれを聞いて、目から鱗が落ちました。

もちろん、この人も自分にとって大切なことだったら、何とか乗り越えようと頑張るはずです。全くそういう気がなければ、そもそも壁を乗り越えることを意識しないでしょうから。けれど、自分では特に大切だとは思っていないことなのに、いつのまにか壁の前に立たされていて、「乗り越えろ」とお尻を叩かれることがありませんか?この人が言ったのは、そういう時のことだと思います。そんな風に追い込まれると、苦しいです。「できない自分に力がないのか」と悩みます。

『西の魔女が死んだ』という小説に、「シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、だれがシロクマを責めますか」というセリフがあります。自分に適した場所に行くのは自然なことです。それは、逃げることとは違うのかもしれません。

もし壁にぶつかったらちょっと立ち止まって、そこが自分にとってハワイなのか?北極なのか?を考えてみるといいですよ。どうすべきなのかが見えてきます。

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