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「自分がない」からこその良さ

「自分がない」ことには良くないイメージがありませんか?しっかりと自分の考えや意見を持つ方が良いような、いわゆる「自分がある」ことを良しとするような考え。これは社会全般になんとなく流れる雰囲気のようです。

厳密に言えば、全く「自分がない」なんてことはないのですが、自分の意見が強くない人は一定数おられます。実際にカウンセリングにも、「自分がない」ことに悩んでこられる方がしばしばいらっしゃいます。

しかし、「自分がない」ことはそもそも良くないのか?を考えてみると、そうでもありません。どんな特徴にも、長所と短所、両面あることを考えると、当然「自分がない」ことにも良さはあります。

人を癒す才能がある

「自分がある」人は、自分なりの考えや意見を持っているので影響は受けにくく、むしろ影響を与える人です。そういう人と話をすると、こちらが相手に合わせないといけないので、ややエネルギーを使う側面があります。一方で「自分がない」人は、他者からの影響を受けやすいです。そのため、コミュニケーション上は、相手に合わせる側に回るので、一緒にいて気が楽で、居心地が良いです。癒し系だと言っていいかもしれません。

柔軟性がある

相手の影響を受けやすいという点では、柔軟性があるとも言えます。広告の仕事をしている人が、「自分がない」からこそ仕事がうまくいくと言っていた記事を読んだことがあります。広告は、クライアントにやりたいことがあります。自分がないから自分で発信したいことはないけれど、それをクライアントが持ち込んでくれるので、アイディアが湧いてくるそうです。
もし、クリエイターにやりたいことがあるのなら、クライアントから影響を受けにくく、柔軟に対応できないかもしれません。

多くのものを吸収できる

ドキュメント番組を見ていると、良い俳優の中にも「自分がない」人が多そうです。自分がないからこそ、様々な役に染まることができます。カメレオン俳優と呼ばれるような方は、自分がない方が多いのだと思います。一方で、どんな役をやっても毎回似たような感じになる俳優さんもいます。そういう方は「自分がある」のかもしれません。

以前、自分の持ち味を活かすことが心の健康法だと書きました(何がココロを壊すのか?)。「自分がない」という特徴も、直すべき性格として捉えるのではなく、その良さをどう活かすか?と考えた方が気は楽ですし、社会の中で能力を発揮しやすくなります。

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