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ルールメイキング・サミット2024 参加ログ

2024/10/13に行われた「ルールメイキング・サミット2024」に参加してきました、というお話。最近健忘が悪化している気がしてならないので、自分の備忘録的な感じで色々と書いていきます。

割とどうでもいい話ですが、準備〜当日まで比較的長い間のことなので関わった人格が色々です。参加ログを書かなきゃと思っては居たのですが、僕(ルカ)が荒れてるシーズンだったこともありズルズルと1週間が経ち、流石にそろそろ書かねばと思い筆を執っています。どの人格がメインで参加したのかとかも(圧倒的自分用ですが)併せて残しておこうかな……



0.そもそも、ルールメイキングとは。

生徒・先生・保護者・地域の方など、立場や意見の違う人たちと「対話を通して納得解をつくるプロセス」を経て、校則・ルールを見直す手法を「ルールメイキング」と呼んでいます。

「みんなのルールメイキング」公式HP

僕は中2で生徒会に入り、そこで先輩に誘われてルールメイキングプロジェクトに参加しました。元々校則改正とかには興味があったので意気揚々と参加したものの、まぁ上手いこと進んでいるわけではなく。この辺りのことは去年のサミットのあとに公式サイトに載せていただいたアーカイブ記事で細かく書いているので興味があれば↓↓(と言いつつこの1年で色々あって考え方とかは変わっています。まぁ学校の現状とかはある程度分かってもらえるかと)


1.エントリー(ルカ)

サミットに「招待生」として参加するには事前にエントリーをし、全国の応募者の中から選ばれる必要がありました。去年は3人のチームで1つの文章を提出する形でしたが、今年は僕1人で1つの文章を書いて提出しました。現在ルールメイキングで行っていることや、自分が活動を行っている理由などを書いていたはずです。

これを書くときにもう一度自分の記事を読み返して改めて自分の活動の理由を考えてみたのですが、自分の周りの環境の変化などで結構理由が変わってて(というよりは自分の考えの根幹に近付いた?)面白かったです。

2.事前課題 (とも・由姫)

無事招待生に選ばれた後、1つの事前課題が知らされました。「校則を変えたらどんな変化が起きると思う?」ということを校則改正に関心がある人・反対派・無関心な人にインタビューする、というものです。本当はお偉い先生方にインタビューしたかったのですがそんな時間も勇気もなかったので比較的仲の良い先生や数少ない友達、あとは学校外で関わっている組織の人たちに聞きに行きました。

立場によって回答が変わるのは当たり前なのですが、個人的に1番印象が残っているのは僕と同じくDIDをもっている2つ年上の友達の回答です。

「生徒の声が反映されやすくなるとは思う」
「でも最終的に多数決で決めることになるとしたらさ、少数派の人の意見が届きにくいのは変わらないかもね」

僕の友達の回答

この話を聞いて、ハッとさせられました。
校則はその学校に通っている全ての生徒だけでなく、学校に勤めている先生、そして今後その学校に通うことになる未来の生徒など多くの人に関わるものです。そんな校則を変えていこうとするプロジェクトだからこそ、多くの人が求める校則から見直しを行うのは半ば必然的なことです。

でも、それって少数派の意見が届きにくいのは変わらない気がする。

今まで生きてきて、色々な分野で「少数派」として扱われる僕が感じてきた声を届けることの難しさに改めて直面した気分になりました。


3.サミット第一部 (紺・凪)

サミットは大きく二部構成になっていて、第一部ではアイスブレイクを含めたゲームを行いました。この日のために作られたゲームなので何かしらルールメイキングと絡む部分はあるんだろうなとメタ的な考えが若干頭の片隅にありつつ楽しくプレイしました。ルール等は省略しますが、ゲーム形態としてはRPGに近い、かな?ゲーム開始時に与えられたミッションをこなしながらゴールを目指して、世界を脅かす魔物たちから自分の村を救おう!的なゲームです(雑)

ゲームの振り返りを兼ねた対話では、全員に共通する目標(今回のゲームでは全員が魔物たちから自分の村を救うこと)を共有して行動すること、いわゆる最上位目的の共有の重要さ相手の行動の背景を知る(今回のゲームでは相手のミッション内容を知る)ことで相手の見え方が変わってくることなどが分かりました。これってルールメイキングの対話でも同じことが言えるよね、という学びを得たわけで……

パッと思ったのは、僕らはこれができていないなということ。

先生たちと校則について対話したときも、対話というよりも議論に近くなってしまって最上位目的の共有ができていなかったし、自分がどうしてこの取り組みをしたいのか先生に直接伝えたことはあんまりない気がする。
前に「どうしてこの校則を変えたいのか」と聞かれたときに、上手く自分の考えを説明できなかった気がする(これにはちゃんとそれなりの理由があるし、あのとき話さなかったのは正解だった気もする)

4.サミット第二部 (莉音・瑠依)

第二部はパネルセッションでした。普段は関わることができないような凄い方々を前に、僕は話を聴くだけなのに何故か緊張していました←

トークセッションの中で「ルールメイキングする立場」にいる理由、という話題が出ました。登壇していた方の“自分が少数派だからこそ常識を疑って、壊していく立場にいなければならない”という話に激しく共感。頭が取れるんじゃないかってくらい首を縦に振ってました(((
その方もある障害を持っていて、自分との共通点があったから、かな。

FtX(不定性)などのセクシュアリティやDIDなどの精神疾患など、多くの面で少数派な僕。話を聞いてもらえること自体がレアで、仮に聞いてもらえたとしても相手に正しく伝わったと思えたことは申し訳ないけれど今のところ殆ど無い。自分の声を無視されて存在しないものとして扱われるのは一種のトラウマになっている。

どうしてルールメイキングをするのか。この去年のサミットからずっと考え続けたことへの答えの手がかりが見えた気がしました。

5.サミットが終わって考えたこと。

5-1.今後僕が変えたい校則

サミットのあと自分の考えを整理して、取り組みたいと思った校則とその理由をまとめてみました。昔から言ってることとそこまで大きくは変わってないけれど、理由含めて文字化しておきたいなと思ったので((

①制服の夏服冬服併用期間
→今の校則だと夏服を着れるのが早くて5月中旬から。
僕の学校は4月末という超早い時期に体育祭がある。体育祭練習の後に冬服を着るのは酷だし、熱中症など生徒の体調にも関わる。目標は4月中旬の体育祭練習が始まる頃、遅くとも5月からは夏服を着れるようにしたい。
というか、別に併用期間って定める必要ある?と最近思い始めた。仮にも対外的には進学校として売っているし、それなりに難易度の高い受験を乗り越えた優秀な方々が集まっているはずなのだから、天気を見て制服を選ぶくらいできると思う。12月の気温1桁の日に半袖で来るような人はいないだろうし、8月の猛暑日に冬服で来るような人もいないだろう、流石に。
始業式とかの式典の日だけ正装を指定して、他の日は生徒個人の判断に委ねても良い気が……と思ってならない今日此頃。

②冬季のタイツ着用
→タイツを着用しちゃいけない理由は先生たちも良く分かっていないという謎状況。なんでダメなんですかねぇ……(呆)
タイツ着用したいのに寒い以外の理由っていります?(((
スカートだから足はどうしても冷えるし生理中とかは特に身体冷やしたくないんです。あと普通に風邪引く。普通に先生たちは冬になったらタイツ履いてるんだから生徒だって履いていいじゃないですか……

③学校指定スラックスの色の追加(変更?)
→今のスラックス、生理が来たら一発で汚れるような色なんです。しかもその色になった理由は理事長の好み。流石に巫山戯て冗談言ってるよね?って言いたくなるようなことばっかり。
取り敢えず、先輩が昔やってたというチャコールグレーのスラックス導入の話は詳しく聞けるうちに聞いておきたい。実際に導入できるかはさておき、今の制服にはこういう欠点があるんですよってことを伝えるくらいはいつかできたら良いなぁ……

④縮毛矯正/ストレートパーマ
→禁止する理由が正直よく分からない、普通にしてる人沢山いるし……
てか縮毛矯正禁止なのに宿泊行事にヘアアイロン持ってくるなは流石に癖毛の人に人権なさすぎて笑うしか無い、引きこもれと?
前に先生と話したときに、上手く理由を説明できなかったのはこの校則について。僕がこの校則を変えたいと思っているのは、自分がありたい姿で生活するために必要なことだったから。自分の性自認的にはもう少し髪は短くしたいけれど、癖毛なせいでこれ以上のショートヘアはできない。縮毛矯正をかけることができれば自分の理想の髪型ができる、だから縮毛矯正を許可してほしい。
ちゃんとした理由はあるのだ。でも、その理由を話す勇気は正直僕にはない。先生はまだ信用するのが怖いし、アウティングされたらと思うと何も喋ることができなくなってしまった。おしゃれのためじゃない、でもその説明ができない。辛いし、悔しい。

5-2.僕がルールメイキングをする理由

僕の行動の原動力は疑問や不満をそのままにしたくないという強い思いです。

僕が書いた去年のサミットのアーカイブ記事

去年のアーカイブ記事では、僕のルールメイキングへの原動力はこんなにも明るいものとして書かれている。まぁ外部に載せる記事ということもあって結構闇な部分は削ったし正直これが本音だったかは覚えていない((((

今の正直な気持ちを吐露するなら、こんな思いはどこかへ消えていった、気がする。校則への疑問も、何もかも理解しようとしてくれないような学校への不満も去年より山程ある。でも、心の何処かではもう諦めている気がする。

それでも僕がルールメイキングをする理由。それは多分、僕が声を上げるのを諦めた結果として周りの人が苦しむなんて経験をもう2度としたくないから、だと思う。
僕の中にいる、僕の過去の苦しい記憶を背負ってくれている子たち。言葉では言い表しきれないほど酷い環境に居たのに僕のことを気遣い続けてくれた親友。こんな出来損ないを大切だと言ってくれる先輩、頼りにしてくれる後輩。
僕は幾ら傷ついても良い。幾らでも逃げる手段はあるし、そもそも既に傷だらけなのだから傷の1つや2つ、増えたところで関係はない。でも、僕の周りの僕の大切な人たちは違う。この人たちが傷ついているところを、苦しんでいるところは見たくない。傲慢な願いだけれど、どうか笑顔で生きていてほしい。

大袈裟な表現かもしれないけれど、僕は大切な人たちの為なら命だって喜んで投げ出す。僕なんかに存在価値はないけれど、僕の大切な人たちの為に時間を捧げることが赦されるなら、どんなに幸福だろう。


今のところの僕の最上位目的は大きく2つ。
「苦しまなくていい人が苦しまないようにすること」
「全員の意見が平等に扱われるようになること」

取り敢えず、僕が学校を卒業するまでに少しでも理想の環境に近付いていたら良いな、という願望を添えて。

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