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【ビジネスデザイン】03 ビジネスデザイン(BFD型) アプローチとは


ビジネスデザイン(BFD型) アプローチとは

ビジネスデザイン(BFD型)
ビジネスデザイン(BFD型)アプローチ
ビジネスデザイン(BFD型)アプローチ

企業が課題解決に取り組む際には、目標を達成するために自らの経営資源を変革します。
ビジネスデザイン(BFD型)は、主に「ビジネスファンクション」「ビジネス情報」「情報システム」を課題解決 変革テコとして実現すべき姿を定義する型です。

ビジネスデザイン(BFD型)を以下のアプローチで実行します。

1.課題解決 達成目標および施策を理解する
2.課題解決 変革テコを分析し、変革ポイントを定める
3.ビジネス情報(To-be)を定義する
4.ビジネスファンクション(To-be)を定義する
5.システムファンクション(To-be)を定義する
6.システム基盤構成(To-be)を定義する
7.実現すべき姿における整合を検証する
8.課題解決プロジェクト投資価値を評価する
9.実現すべき姿への移行方針を定める
10.課題解決プロジェクト 実行計画を定める


課題解決 達成目標および施策を理解する

ビジネス構想策定で合意した課題解決 達成目標および施策を理解します。


課題解決 変革テコを分析し、変革ポイントを定める

変革ポイントとは、「課題を解決するための施策において変革する経営資源の具体的なポイント」です。課題解決 変革テコを調査・分析し、変革ポイントを定めます。


実現すべき姿(To-be)を定義する

定めた変革ポイントに基づいて以下の4つの実現すべき姿(To-be)を定義します。

ビジネス情報(To-be)定義
ビジネスファンクション(To-be)定義
システムファンクション(To-be)定義
システム基盤構成(To-be)定義


ビジネス情報(To-be)を定義する

ビジネス情報(To-be)定義では、変革ポイントに基づいてビジネス活動で使用する用語を定義します。ビジネス活動で使用する用語は、エンティティ名および属性名として定義します。

次にビジネス情報間の相互関係を定義します。ビジネス情報間の相互関係を「派生関係」「親子関係」「参照関係」の3つに分類します。ビジネス情報間の相互関係を分析するために「エンティティ・リレーションシップ正規化分析」を用います。

次に識別子を定義します。識別子とは、「インスタンスを一意に識別する属性または属性の組み合わせのこと」です。インスタンスとは、「ひと組の属性において個々の属性値を記録するもの」です。識別子に関しては、コード体系および採番ルールを定義します。


ビジネスファンクション(To-be)を定義する

ビジネスファンクション(To-be)定義では、変革ポイントに基づいてビジネスイベントを定義します。ビジネスイベントとは、「ビジネス活動の始まりを定めたもの」です。ビジネス活動の始まりを「外部組織からビジネス情報を受けることにより始まるもの」「あらかじめ定めた時間により始まるもの」の2通りとして定義します。
ビジネスイベントは、「外部組織」「ビジネス情報」「事由」「頻度」「媒体」の5つの要素の組み合わせで定義します。

次にビジネス・アクティビティ、ビジネス・アクティビティ ルールを定義します。ビジネス・アクティビティとは、「ビジネス活動におけるビジネス情報の収集、伝達、価値付加、保管、廃棄を定めたもの」です。ビジネス・アクティビティ ルールとは、「ビジネス・アクティビティを適正且つ効率的に遂行するために遵守すべきルールのこと」です。ビジネスイベント毎に一連のビジネス・アクティビティを定義します。

次にプロジェクト・プロシージャーを定義します。ビジネス・プロシージャーとは、「ビジネス・アクティビティにおける手順、スクリプト、シナリオを定めたもの」です。

次にビジネスロールを定義します。ビジネスロールとは、「ビジネス・アクティビティにおける担当チームおよび担当者の役割、業務権限、必要とする資格を定めたもの」です。定めたビジネスロールをビジネス・アクティビティ毎に割り当てます。

次にビジネススケジュールを定義します。ビジネススケジュールとは、「ビジネス活動を遂行するためのスケジュールのこと」です。「ビジネスプロセス依存関係」「ビジネスプロセス毎のリソース投入量」「ビジネスプロセス毎の所要日数」「ビジネスプロセス毎の余裕日数」「最短所要日数/クリティカル・パス」の5つの要素を分析した上で、ビジネススケジュールを定義します。ビジネスプロセスは、一連のビジネス・アクティビティを論理的に集約して定義します。最短所要日数およびクリティカル・パスを分析するために「スケジュール・ネットワーク分析」を用います。


システムファンクション(To-be)を定義する

システムファンクション(To-be)定義では、変革ポイントに基づいてシステムファンクションを定義します。システムファンクションは、「情報入力」「情報更新」「情報削除」「情報出力」「情報I/F」の5つに分けて定義します。

次にシステムファンクション毎に「ユーザーインターフェース」「ビジネスロジック」「システムデータアクセス」を定義します。ユーザーインターフェースとは、「システム利用者とコンピューターシステムとの間でシステムデータを受け渡しする要件のこと」です。ビジネスロジックとは、「ビジネス・アクティビティ ルールおよびビジネス・プロシージャーに基づいてシステムデータを処理する要件のこと」です。システムデータアクセスとは、「データベースに対してシステムデータの生成、照会、更新、削除を操作する要件のこと」です。


システム基盤構成(To-be)を定義する

システム基盤構成(To-be)定義では、変革ポイントに基づいてシステムハードウェア、システム制御ソフトウェア、ミドルソフトウェアの組み合わせ、アプリケーションおよびデータベースの配置を定義します。

次にシステム基盤におけるシステム性能要件、システム可用性要件、システム拡張性要件を定義します。システム性能とは、「コンピューターシステムが演算処理およびデータ処理を実行できる能力のこと」です。システム可用性とは、「コンピューターシステムがシステム利用者からの要求を停止せず継続して処理できる能力のこと」です。システム拡張性とは、「コンピューターシステムに対する負荷増減に応じて、システムリソースを拡張あるいは縮小できる能力のこと」です。


実現すべき姿における整合を検証する

実現すべき姿におけるビジネス情報(To-be)、ビジネスファンクション(To-be)、システムファンクション(To-be)、システム基盤構成(To-be)の整合を検証します。

検証する視点は、以下のとおりです。

エンティティ名および属性名と成果物記述との一致
ビジネス活動における事由の完結性
ビジネス情報における受け渡しに関する整合
ビジネス活動におけるサイクル連携に関する整合
ビジネス・アクティビティにおける4つの組み合わせに関する整合
ビジネス統制ルールとの整合
会計仕訳生成に関する整合
ビジネス情報とシステムファンクションにおけるCRUD操作に関する整合
情報システム間I/Fに関する整合


課題解決プロジェクト投資価値を評価する

実現すべき姿における整合を検証した後に、課題解決プロジェクト投資価値を評価します。ビジネス構想策定で合意した課題解決 達成目標およびプロジェクト投資価値評価結果に基づいて、投資効果を得られるか否か検証します。プロジェクトリスクを評価した上で、課題解決プロジェクトが創出する価値(プロジェクト・キャッシュフロー)を定量的に評価します。プロジェクト・キャッシュフローとは、「プロジェクトへの投資による収入額(キャッシュインフロー)から支出額(キャッシュアウトフロー)を差し引いた額のこと」です。


実現すべき姿への移行方針を定める

課題解決プロジェクト投資価値を評価した後に、実現すべき姿への移行方針を定めます。

移行方針では以下の事項を定めます。

ビジネスファンクションを移行する方針
組織・人財を移行する方針
情報システムを構築する方針
システムデータを移行する方針
ビジネステストを実施する方針


課題解決プロジェクト 実行計画を定める

実現すべき姿への移行方針を定めた後に、課題解決プロジェクト 実行計画を定めます。

実行計画では以下の事項を定めます。

施策スコープ
プロジェクトスコープ
(プロジェクトフェーズ、ビジネスプロセス、プロジェクト・アクティビティ)
プロジェクト業務工数
プロジェクトスケジュール
プロジェクト体制
プロジェクトステークホルダーへの活動
プロジェクトリスクに対する対策


ビジネスデザイン(BFD型) 19ステップ

ビジネスデザイン(BFD型)を以下の19ステップで実行します。

1.課題解決 達成目標および施策を理解する
2.変革ポイントを分析するアプローチを定める
3.ビジネスファンクションを調査・分析する
4.ビジネス情報を調査・分析する
5.情報システムを調査・分析する
6.変革ポイントを定める
7.実現すべき姿を定義するアプローチを定める
8.ビジネス情報(論理モデル)を定義する
9.分析用ビジネス情報(論理モデル)を定義する
10.ビジネスファンクションを定義する
11.ビジネススケジュールを定義する
12.システムファンクション(論理モデル)を定義する
13.システム基盤構成(論理モデル)を定義する
14.実現すべき姿における整合を検証する
15.外部リソースを評価する
16.課題解決プロジェクト投資価値を評価する
17.実現すべき姿への移行方針を定める
18.課題解決プロジェクト 実行計画を定める
19.ビジネスデザインをまとめる


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