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【ビジネスデザイン】05 ビジネスデザイン(BFD型) 19ステップ(前編)


ビジネスデザイン(BFD型) 19ステップ

ビジネスデザイン(BFD型)を以下の19ステップで実行します。
この記事では、1ステップから7ステップまでのアクティビティ ステップについて解説します。

1.課題解決 達成目標および施策を理解する
2.変革ポイントを分析するアプローチを定める
3.ビジネスファンクションを調査・分析する
4.ビジネス情報を調査・分析する
5.情報システムを調査・分析する
6.変革ポイントを定める
7.実現すべき姿を定義するアプローチを定める
8.ビジネス情報(論理モデル)を定義する
9.分析用ビジネス情報(論理モデル)を定義する
10-1.ビジネスファンクションを定義する ビジネスイベント型
10-2.ビジネスファンクションを定義する クリエーション型
11.ビジネススケジュールを定義する
12.システムファンクション(論理モデル)を定義する
13.システム基盤構成(論理モデル)を定義する
14.実現すべき姿における整合を検証する
15.外部リソースを評価する
16.課題解決プロジェクト投資価値を評価する
17.実現すべき姿への移行方針を定める
18.課題解決プロジェクト 実行計画を定める
19.ビジネスデザインをまとめる


ビジネスデザイン(BFD型) プロジェクト組織体制とは

プロジェクト組織体制(前半期)
プロジェクト組織体制(後半期)

ビジネスデザイン(BFD型) プロジェクト組織体制とは、「ビジネスデザイン(BFD型)プロジェクト実行における役割、責任および権限を定めた組織の形」のことです。

ステアリング・コミッティは、課題解決プロジェクト実行における意思決定機関として、プロジェクト目標達成における進捗、プロジェクト成果における品質を掌握し、プロジェクトフェーズ毎にプロジェクト継続可否の判定およびプロジェクト成果への承認を行います。

プロジェクトオーナーは、課題解決プロジェクト目標達成における責任者として予算執行、人財アサインメントなどの権限を有します。適時、ステアリング・コミッティへプロジェクト進捗状況を報告します。

プロジェクトリーダーは、課題解決プロジェクトにおける推進責任者として課題解決の推進をリードします。また、予算管理、リソース管理、品質管理、進捗管理などを行います。適時、プロジェクトオーナーへプロジェクト進捗状況を報告します。

チームリーダーは、担当するプロジェクトプロセスにおいて成果/成果物の生成をリードします。プロジェクトプロセス毎に分析チーム、評価チーム、定義チームなどを編成します。適時、プロジェクトリーダーへチーム進捗状況を報告します。

チームメンバーは、担当するプロジェクトプロセスにおいて情報収集、分析、評価、定義などを実施し、成果/成果物を生成します。適時、チームリーダーへ進捗状況を報告します。


ビジネスデザイン(BFD型) アクティビティ ステップとは

ビジネスデザイン(BFD型) アクティビティ ステップとは、「ビジネスデザイン(BFD型) 19ステップ毎に成果を創出する活動の基本形を定めたもの」です。

ビジネスデザイン(BFD型)プロジェクトをプランニングする際には、この基本形に基づいてプロジェクト・アクティビティ ステップを組み立てます。


1.課題解決 達成目標および施策を理解する

最初にビジネス構想策定において承認を得た課題解決プロジェクトに関する情報を収集し、課題解決 達成目標、課題解決 変革テコ、施策、課題解決アプローチを理解します。

次に施策スコープ、プロジェクトスコープ、プロジェクト体制、プロジェクトスケジュール、プロジェクトステークホルダーへの活動、プロジェクトリスク対策および実現すべき姿を定義するアプローチを理解します。

実現すべき姿を定義するアプローチは、以下の2通りです。

As-is/To-be変革型アプローチ
リファレンスモデル参照型アプローチ

As-is/To-be変革型アプローチとは、「As-isを調査・分析し、変革ポイントを定めた上で、実現すべき姿を定義するアプローチ」です。

リファレンスモデル参照型アプローチとは、「類似事業をリファレンスモデルとして実現すべき姿を定義するあるいは標準化団体などが有するリファレンスモデルを参照して実現すべき姿を定義するアプローチ」です。


2.変革ポイントを分析するアプローチを定める

変革ポイントを分析するアプローチを定めます。最初に調査・分析スコープとして、調査・分析の対象とする組織および対象外とする組織を定めます。

次に調査・分析の対象とするビジネスイベント(As-is)、ビジネス情報(As-is)、情報システム(As-is)を定めます。

次に課題解決 変革テコ毎に変革ポイントを分析するアプローチを定めます。

変革ポイント分析アプローチ 基本形は、以下の3通りです。

情報収集 ー 分析・評価 ー 変革ポイント抽出
情報収集 ー 定義 ー 分析・評価 ー 変革ポイント抽出
情報収集 ー プロトタイプ作成 ー 分析・評価 ー 変革ポイント抽出

変革ポイント分析に用いる主な技法は、以下のとおりです。

ビジネスイベント分析
ビジネスイベント増減予測
ビジネス・アクティビティ価値分析
ビジネススケジュール分析

ビジネス情報 派生関係分析
ビジネス情報 相違点分析
エンティティ・リレーションシップ正規化分析

情報システム間連携分析
情報システム有用性評価
システムリソース負荷増減予測
情報システムセキュリティ評価
システムサービス業務評価

分析に必要な情報を収集する方法は、関係資料入手、ヒアリング・セッション実施、現地・現場見学実施、アンケート調査実施などです。


3.ビジネスファンクションを調査・分析する

変革ポイント分析アプローチに基づいて、ビジネスファンクションに関する調査・分析を実施し、変革ポイントを抽出します。

ビジネスファンクション分析チームを編成します。ビジネスファンクション分析チームは情報収集およびヒアリング・セッションを実施した後に分析および評価を実施します。適時、分析・セッションおよび評価・セッションを実施します。

情報収集に際しては、調査・分析の対象とする組織へビジネスイベントに関するヒアリング・セッションを実施し、その後にビジネス・アクティビティに関するヒアリング・セッションを実施します。また、できる限り現地・現場見学を実施します。事前に対象とする組織の組織編成および人員配置に関する資料を入手します。ビジネス・アクティビティ ルールに関しては、規約・規定に関する資料を入手します。

ビジネスファンクションにおける変革ポイントの主な分析視点は、以下のとおりです。

外部組織を変える
外部組織の役割を変える
組織間の連携を変える

ビジネスイベントの発生を減じる
ビジネスイベント 事由(構成)を整える
ビジネスイベント 頻度/サイクルを変える
ビジネスイベント 媒体を変える

ビジネスプロセスを割愛する
ビジネスプロセスの順序を変える
ビジネスプロセスを並行化する
ビジネスプロセスを自働化する
ビジネスプロセスを集約する
ビジネスプロセスにおける組織役割分担を変える
ビジネスプロセスにおける投入リソース量を変える

ビジネス・アクティビティにおける役割分担を変える
ビジネス・アクティビティにおける担当者のスキルを変える
ビジネス・アクティビティ ルールを変える


4.ビジネス情報を調査・分析する

変革ポイント分析アプローチに基づいて、ビジネス情報に関する調査・分析を実施し、変革ポイントを抽出します。

ビジネス情報分析チームを編成します。ビジネス情報分析チームは情報収集およびヒアリング・セッションを実施した後に分析および評価を実施します。適時、分析・セッションおよび評価・セッションを実施します。

情報収集に際しては、ビジネスリソースを管理している組織へビジネスリソースに関するヒアリング・セッションを実施します。次にビジネスイベント(As-is)の調査結果、システムデータ(As-is)の調査結果を入手します。

ビジネス情報における変革ポイントの主な分析視点は、以下のとおりです。

エンティティ名、属性名を統一する
識別子/コード体系を統一する
ビジネス情報/システムデータの構造を変える
ビジネス情報/システムデータを一元化、同期化する
ビジネス情報/システムデータの精度、更新頻度、単位・粒度を変える
ビジネス情報/システムデータの伝達媒体、保存媒体、保存期間を変える


5.情報システムを調査・分析する

変革ポイント分析アプローチに基づいて、情報システムに関する調査・分析を実施し、変革ポイントを抽出します。

情報システム分析チームを編成します。情報システム分析チームは情報収集およびヒアリング・セッションを実施した後に分析および評価を実施します。適時、分析・セッションおよび評価・セッションを実施します。

情報収集に際しては、調査・分析の対象とする情報システムを管理している組織、情報システムを利用している組織、システムサービス業務を提供している組織へ情報システムに関するヒアリング・セッションを実施します。事前にシステム設計書およびシステム操作手引書などを入手します。対象とする組織が遠地、多数になる場合にはアンケート調査を実施します。

情報システムにおける変革ポイントの主な分析視点は、以下のとおりです。

情報システム間連携を変える
システムファンクション 処理形態を変える
システムファンクション ビジネスロジックを変える
ユーザーインターフェース形式を変える
システム利用者の対象範囲を変える
システム利用者のスキルを変える
システム利用時間帯を変える

システム構成を変える
システムデータ入出力デバイスを変える
システム性能を変える
システム可用性を変える
システム拡張性を変える

システム所有・利用形態を変える
システム開発・導入アプローチを変える
システムサービス業務における役割分担を変える
システムサービス業務 担当者のリソースを変える
システムサービス業務 担当者のスキルを変える


6.変革ポイントを定める

ビジネスファンクション調査・分析結果、ビジネス情報調査・分析結果および情報システム調査・分析結果に基づいて、変革ポイントを定めます。

変革ポイントは、目標達成において変革の影響を受けるステークホルダーの皆様に理解していただくことが肝要になります。


7.実現すべき姿を定義するアプローチを定める

実現すべき姿を定義するアプローチを定めます。

最初にビジネスファンクションスコープを論理的に定めます。

ビジネスファンクションスコープを定める軸は、以下のとおりです。

ビジネスファンクション軸
ビジネスフェーズ軸
ビジネス活動 連携軸(戦略・計画・管理・実行)
ビジネス活動 頻度軸(随時・日次・週次・月次・四半期・半期・年次)

次にビジネスファンクション、ビジネス情報、システムファンクション、システム基盤構成において実現すべき姿を定義するアプローチを定めます。実現すべき姿を定義する技法のひとつとしてモデリング技法を適用します。モデリング技法を適用することにより、各々の構成要素および相互関係を抜けもれなく、段階的に整合を検証しつつ定義することが可能になります。

ビジネスファンクションを定義するアプローチを定めます。ビジネスファンクション定義におけるモデリング技法は、「ビジネスファンクションを5つのレベルに階層化した上で、レベル毎に定義を進める技法」です。5つのレベルは、「ビジネスファンクション レベル」「ビジネスイベント レベル」「ビジネスプロセス レベル」「ビジネス・アクティビティ レベル」「ビジネス・プロシージャー レベル」です。

ビジネスファンクションを定義するアプローチは、以下の2通りです。定義対象とするビジネスファンクションの特性を見極めてアプローチを選択します。

ビジネスイベント型定義アプローチ
クリエーション型定義アプローチ

ビジネスイベント型定義アプローチとは、「ビジネス活動の始まりに着目してビジネスファンクションを定義するアプローチ」です。ビジネス活動が外部組織とビジネス情報を受け渡しすることを主にする場合に適用します。

クリエーション型定義アプローチとは、「ビジネス成果物に着目してビジネスファンクションを定義するアプローチ」です。ビジネス活動がビジネス成果物を創出することを主にする場合に適用します。

次にビジネス情報を定義するアプローチを定めます。ビジネス情報定義におけるモデリング技法は、「ビジネス情報を3つのモデル(概念モデル、論理モデル、物理モデル)に分けて定義を進める技法」です。ビジネス構想策定において「概念モデル」を定め、ビジネスデザインにおいて「論理モデル」を定義し、システム要件定義において「物理モデル」を定義します。

次にシステムファンクションおよびシステム基盤構成を定義するアプローチを定めます。システムファンクション定義およびシステム基盤構成定義におけるモデリング技法は、「システムファンクションおよびシステム基盤構成を2つのモデル(論理モデル、物理モデル)に分けて定義を進める技法」です。ビジネスデザインにおいて「論理モデル」を定義し、システム要件定義において「物理モデル」を定義します。

次に実現すべき姿における整合検証ポイントを定めます。整合検証ポイントとは、「実現すべき姿におけるビジネス情報(論理モデル)定義、分析用ビジネス情報(論理モデル)定義、ビジネスファンクション定義、ビジネススケジュール定義、システムファンクション(論理モデル)定義、システム基盤構成(論理モデル)定義の整合を検証するポイントのこと」です。

変革ポイントおよび実現すべき姿を定義するアプローチを定めた後に、プロジェクトオーナーへ中間報告し承認を得ます。



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