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『Self-Reference ENGINE』を読んだ。(21年3月)

抽象的かつ哲学的、それでいてSFの世界観で語られる短編集 。全ての短編は独立しているかのように見えて繋がっている。そのことは読み進めるにつれてわかってくる。故に実際には短編集ではないが、内容の難解さを踏まえ、一般的な観点から見ると恐らく短編集に分類されるだろう。

床下から大量に出てくる血色の良いフロイト、背中に解読不能の刺青を施されたナマズ、少女のこめかみから過去方向に吹き飛んでいく銃弾。
何のことか分からないと思うが、読了直後にコレを書いている自分にとっても、本書に何が書かれていたのか全てを認識することはできなかった。ただ恐らく全ての話がなんらかの関係性を持っていることは理解した。

SFとは一概には言えない、文学的要素のある作品だと思う。

SF小説を読み出したのは最近のことで、いわゆる古典などはこれから読んでいくつもりだけど、思っていたよりも高尚で奥が深い分野であるなというのが感想だ。21年1月ごろ読んだテッド・チャンの『ソフトウェアオブジェクトのライフサイクル』の倫理的思想と似ている節があると思う。STAR WARSのようなドンパチSFばかりだと思っていたので今後も読み込んで深い世界観な触れていきたいと考えている。

『Self-Reference ENGINE』という作品がも円城塔氏の頭の中を表しているのだとしたら、彼の頭の中は私よりも数段高い「知能階梯」にいることだろう。

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