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究極のミステリーにしてアンチミステリー(本紹介1)
今日、紹介するのはこちら。
![](https://assets.st-note.com/img/1697350994716-doQy1biqVB.jpg?width=1200)
西尾維新『サイコロジカル』。
この小説を一言で紹介すると、「究極のミステリー小説にしてアンチミステリー」。
僕がこの本を読んだのは中学2年生の時。初めて読んだ西尾維新の作品です。この小説は、上下巻ありますが、事件が起こるのは上巻のラスト5ページ。正確には、事件現場の描写があるのが上巻のラスト5ページ。だから僕は、上巻を読み終わった時点で、この小説がミステリー小説だと気づきませんでした。下巻を読んで、初めてミステリーだと気づきました。下巻を読もうと思ったのは、つまり、ミステリー以外の魅力が上巻にあったからです。
その1つは会話の面白さ。
![](https://assets.st-note.com/img/1697361228421-m13F8PH7Aa.jpg?width=1200)
こういう面白い会話が多くあるのが作品の魅力です。
しかし、この作品の魅力はミステリー以外の部分だけではありません。この作品はミステリーとしての完成度も高いのです。具体的に言うと、上巻を読んだだけで犯人が分かるようになっている。事件が起こるのはラスト5ページにも関わらずに、そうなっているのです。
さらに、その結末はミステリーともアンチミステリーとも取ることが出来るものになっています。この作品をミステリーと解釈するか、アンチミステリーと解釈するかは読者次第。
「究極のミステリー小説にしてアンチミステリー」。それがこの作品、『サイコロジカル』なのです。
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