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Social Disdain


Disclaimer

これからかくことは、今、自分の頭の中に渦巻いているもので、何かを批判したり、何かのあり方を否定したいものじゃない。べき論を考えることは簡単ではないが、それをimplementするのはその何倍も難しく、痛みや予期せぬ結果を生むものであり、自分にそこまでの覚悟はなく、正確に言えば臆病であるから。ただ、それでも自分が考えざるを得ない世界の見え方は、大切だと自分は思っているものであるから、誰かの何かに繋がって欲しいと思う
また、例によって、反対意見などは大歓迎です!

本題

アメリカに行こうと思っていて、メッセージアプリで自分が「イミグレに捕まったらやだな」のような趣旨の発言をして、「不法入国者みたいな見た目してるしな」と言われた。このいじり自体よくわからず反応に困ったけれど、それと同時に「不法入国者」っていうものに対する、潜在的なdisdainの存在を感じた。潜在的なそういう感情は誰でも何かしらに持つものであるが、それでも自分が最近見ていたものや感じていたこととマッチしたせいで、考えの渦を生み出してしまった。なので、その考えの渦をバーっと書く。

まず、Five Years Northという"Living on one dollar"という6年前に自分をグアテマラに連れて行ったドキュメンタリーの続編的?なドキュメンタリー。グアテマラのアティトラン湖の近くにある小さなマヤ民族の村出身の少年が、アメリカに不法入国者として入った姿を追った映像。Social Mediaの発達などさまざまなことが寄与して、不法に入国する特にラテンアメリカ系の人が増えたことで、アメリカの社会問題になっている。Bidenの対策が甘かったことが原因となり、Trump支持に繋がってるくらい、次の大統領選ではいくつもある中でのメイントピックの一つらしい。自分は英会話の先生ともよくこの話はするので、以下にこの問題の深刻性は生半可ながら知っているつもりである。別に不法入国規制に反対したい訳ではない、ここで重要なのは、その人たちも同じ人間であるということと彼らに見えているものはどういうものなのかということ。

そして次にマイケル・サンデル作の "The Tyranny of Merit" という本。これは能力主義が如何にアメリカ社会の分断につながっているかを訴えている本。自分はまあ能力主義者として生きてきたと思うし、ある意味で能力主義的社会の恩恵を受けてきた。人それぞれ才能があるとはいえ、社会がvalueする才能とそうでないものがあるから、そもそも平等など無いにも関わらず、全ての人に平等な機会を保証しているという建前のもと、あらゆる格差を容認しているのが、今のアメリカ社会における能力主義の姿であるという解説が印象的だった。歴史的には、生まれや育ちが成功を定義した側面が多かったし、社会的にもそういう風潮があるから、成功できないのは個人のせいという感覚がそもそも薄かった。ただ、平等な機会が与えられているというassumptionに基づく今の社会では、失敗した人は自分以外責められるものはないというhumiliationを、成功した人は自分たちの努力のおかげで成功していて、失敗した人は努力をしていないのだというhubrisを持ち、essential worker を見下すあるいは、正当に評価していないというような構図、今の立場は、自分の才能と運がいいことに自分の才能をvalueしてくれる社会の存在と、成長過程で自分を励ましてくれた環境が大いに関係している、そういった運の要素がとても大きいということを忘れているということ

Furthermore, it is questionable whether those who possess merit and talent genuinely deserve the rewards they receive in our society. For instance, does a manager working in investment banking truly deserve their earnings? Moreover, did they achieve success solely through hard work, or is it simply a matter of fortune that their talents align with what society happens to value and their parents and environments help them to achieve their success? If that's the case, the premise of "equal opportunity" begins to unravel.

本に書いてあったようなこと(原文ではない)

で、主にこの2つが合わさって自分が感じたことは、少なくとも自分たち日本人の立場からしたら、不法に入国するか合法で入国するかなんて、生まれた国や生まれた家にお金があったか否かという差しかないはずだってこと、別に該当発言に悪気があったとは思わないが、そういう潜在的な差別意識が社会的な法律や価値観によって根付いてしまうことが、能力主義の話からも分かる通り、非常によくあることで、少なくとも社会の分断にはつながっているであろうこと、また、そういった意識に対して自分は向き合っていきたいということだった
不法移民が不法なのは、社会を保つために(この文脈で言えばアメリカという社会)違法にすることが必要な判断だからなのであって、何も彼らに対しての人としての優劣は存在しないっていうことを自分の中には持っておきたい。ただ一方で、この不法移民の問題に正面から戦っているドキュメンタリーのキューバ出身の女性を心の底から尊敬する。自分は蚊帳の外の人間に過ぎないから

自分の中では想像力という言葉はとても大切であるから、こんな全く違う人だらけの世界の中でも、あらゆる人に対して、なるべく想像力を持っていたいと思う

こんなポリコレみたいなことばかり考えてしまう脳みそはとても窮屈で辛いこともあり、また、つまらないなとも思う。それでも、夕日が綺麗な日とかよく晴れた日に空を見れば、世界って綺麗だなって思えて、頭の中に"What A Wonderful World" が流れてくれるくらい世界のことが好きなので、自分なりにできること、できる生き方をしていきたい


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