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高野政所『大麻でパクられちゃった僕』を読む

とにかく逮捕って大変なことなんだなあ・・・と思う



さてさて・・・



前回の爪切男『もはや僕は人間じゃない』に引き続き読んだ本。



大麻でパクられちゃった僕

DJ/ラジオパーソナリティとして絶好調だった高野政所が、2015年3月、大麻取締法違反で逮捕された。
取り調べ、クサいメシ、眠れない夜……。その過酷な獄中体験をユーモラスに綴った名著『前科おじさん』(スモール出版)が、大幅な加筆・修正を経た新装版として再登場! !
金も仕事も失った先に見えたものとは……? (Amazonのページより)



まず

高野政所ってどんなひとなの?


という方は下記のサイト動画をまずご覧ください。






高野政所さんが現在手掛けられている昔のTVCMの魔改造がすこぶる素晴らしい。

魔改造というアレンジがカオスというか狂っていて最高なのである。


高野政所さんのYouTubeをご覧になって面白いと思える人はきっと本書も楽しく読めると思うのだ。



興味深い留置場の食糧事情


人一倍、意地汚く食い意地も張っている自分には留置場の食事の事情はとても興味深かった。

白身魚のフライ、個人的には好きなんだけども実際に留置場に入れられたら

嫌いになって出てくる自信があるわ。


いわゆる『臭い飯』ってやつだけども難しいよね。


犯罪行為というか法に反する行為を行ったので檻に入れられている人たちに、「おお!これはウマイ!!これを食べるためだけにまた入って来たいよなw」なんて思われたら本末転倒な気がするし、一般市民が色々とうるさいだろうしなあ。良いもの出したら『我々の税金で犯罪者たちを食わせるのか!』とか言い出しそうだしさ。だからウマイものを提供するわけにはいかないけども、かといってあえてマズイものを出すというのもね、人権派の弁護士団体とか左側の市民団体とかが色々とうるさそうで面倒くさい人権問題に発展しかねない、いやはや本当に難しい問題なのよ実際・・・


・・・と警察の中の人の苦悩の声が聞こえてきそうな。

本書を読んでいて、そのギリギリの線を攻めているメシを出してます、という

警察サイドのジレンマ

が、メシに出ているのではないかと思った次第。



有名人の自粛期間という問題


読んでいて一番心に響いた箇所。


自分の好きな有名人の方も過去に逮捕されたりしたので、出てきてから、元の仕事に復帰するまで、復帰してから、本当に大変だよね。


薬物で逮捕されたピエール瀧さん

薬物ではないけど逮捕された小室哲哉さん


このお2人の逮捕はファンとして本当にコタエタ


ピエール瀧さんの場合は、楽しみにしていた30周年ライブの直前で中止になったのも大きかったけど、マスゴミ(あえていう)やネットの野次馬どものバッシングがキツかったけども、あのときは親友である石野卓球さんの存在が本当に大きかったな。


小室哲哉さんの場合は本当にキツかった。

あの当時Twitterなんてやってなかったから、ファン同士のつながりもなく、目にするのはゴミとゴミの目に余る罵詈雑言の数々で、ファンの交流目的とするネットの掲示板なんかは真っ先に狙われペンペン草も生えないような荒らされ方だった。

数ヶ月間、ネットを絶った。


ファンの目線からでもきついのに、政所さんの場合は本人にすべて来るものだから、それをいちいち我が身で受けていたらとてもじゃないが持たないよな。


今回の本は大麻にスポットを当てたものだけども、マッサージの勉強してそれで食べて行こうとするくだり、次回以降執筆の機会があるならばその辺の苦悩、苦闘、心の中の葛藤、読んでみたいなと思いましたね。


クレイジージャーニーとの共通項


丸山ゴンザレスさんの話が出てきて、ああ政所さんが逮捕された当時は、まだTBS『クレイジージャーニー』がやっていたんだなあ・・・と改めて実感する。水曜日の深夜の楽しみだったなあ。

有名人の逮捕等、不祥事においてその後の自粛期間や何かあると不謹慎である!とすぐに不謹慎警察みたいな人が正義の御旗(歪んだ正義だけど)を振りかざし、市民の代表でござい、ってデカイ面して攻撃してくる。

この番組は「やらせ」をして終了してしまったけども、そろそろ自粛期間というか謹慎の期間は良いんじゃないの?

毎週はネタ不足になって、番組を成立させるためにやむを得ず「やらせ」に手を出してしまう・・・という構図が、何となく違法の薬物に手を出してしまう有名人、という構図に似ているような気がする。

あくまでも法律を破ったわけでも逮捕されたわけでもなく、罰金を支払ったわけでもないけれど、社会的な制裁は十分されたと思うんですよ。いつまで反省、自粛していなければならないのか。死ぬまで?もしかしたら死んでも・・・?

本当に際限がない。

確かに視聴者やスポンサー等の信頼を裏切ってしまった


という動かしようのない事実はある。いや、それのみ、でしょう。ひとつの人気番組が終了になったのは。


信頼を裏切る


ここも薬物で逮捕されたということと共通している部分がある気がする。


奇しくも高野政所さんの本書を読んで、丸山ゴンザレスさんのことが書かれていて、クレイジージャーニー終了と麻薬で逮捕された有名人の活動自粛と、奇妙な共通項を見つけてしまったような気がしたのだ。


本当に難しい問題ですよね。


いつまで謝り続ければいいのか

いつまで反省し続けなければいけないのか

いつまで仕事を自粛しなければならないのか


大麻に対しての政所さんの考え方、これも読む人によっては批判を呼びそう(実際、Amazonのレビューでも批判的なコメントがあった)ではあるけれど、個人的には中島らものエッセイが大好きなので自分としてはストンと落ちるところはあった。


麻薬は危険!というのはごもっともだし、法律でそう決まっているのだからそれを破った人間には罰を与えろ!というのもごもっともなのだけれども、実際に使用していた人の意見というのも、もう少し尊重されてしかるべきなのではないか、と。

自分のような全く無縁な一般人にとっては非常に重要な情報でもある。

なぜ麻薬はダメなのか

法律で決まっているから問答無用でダメなのだ、と頭ごなしに言われても、たとえば実際に使用していた人が使ってみて「健康に害があった」とか「もう訳わからなくなって気づいたら人を刺していた」とか、実例を挙げてくれる方がより一般人に対して説得力が全然違ってくると思うのだ。

その点では政所さんにはその辺のところを、機会があればさらに掘り下げて書いていただきたいと思いましたね。


大麻に限らず麻自体は本当に日本人の生活と切っても切れないものであり、古くは縄文時代の遺跡から出土してきたとも言われているほど。服とかほとんど麻製品だったらしいし。あとは日本人なら七味唐辛子のガリッとなる種、あれがオナジミですね。麻の種です。(邪魔だけどw)


さらにヘンプシード。実際に自分も食べたことあるけども、麻の種は非常に栄養価が高くて、ヘンプシードとして流通しており、それをご飯に混ぜて塩や味の素的な調味料で味付けしたらめっちゃ旨かった。


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クセがなくナッツっぽくて食べやすかったです。炊き立てのご飯にヘンプシードを適量混ぜて塩や味の素的な調味料で味付けするだけ。簡単ですね。


そういう麻と日本人という歴史を踏まえた上で、改めて大麻の問題は議論していかねばならないんだろうなあ。短絡的な意見や感情論ではなく。


あと、丸山ゴンザレスさん以外に、おっ、と思ったのが、パリッコさんの名前が出てきたところ。


清野とおるさんの漫画が好きなので、清野さんの飲み仲間としてパリッコさんのお名前はよ~く出てくる。


なので、ちょっと親しみを感じたというか嬉しくなってしまった。(ただの一読者に過ぎないけどw)


まとまりのない内容になってしまったけど、今後ますます目が離せない人ですね。高野政所さんは。


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