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弊社の自己紹介

口コミサイトOpenWorkの『待遇面満足度ランキング』で、弊社が5位から4位に上昇しました。Meta、Google、Microsoftなどの超大手企業が名を連ねる中、中小企業である弊社が選ばれたことは、驚きであり、とても光栄に思います。

openwork:https://www.openwork.jp/

そこで、本日は自己紹介を兼ねて弊社についてお話をしようと思います。


1.会社概要

弊社の名称は『株式会社リツアンSTC』です。「リツアン」は「立案」を意味しており、創業時には資金はなかったものの、どの企業にも負けないアイデアだけは持とうとの思いから名付けました。

本社は、静岡県の人口約11万人の小さな街、掛川市に位置しています。この街は私の故郷でもあります。創業当初から予想される多くの困難に備えるため、地元で事業を立ち上げることを選びました。厳しい時期でも、常に近くにいる友人たちが心の支えとなると考えたからです。そのため、東京や大阪のような大都市ではなく、地元の掛川市に本社を設置することに決めました。

本社の場所は掛川市の商店街の一角に位置しています。この場所を選んだ理由は、当時掛川市が行っていた家賃が安く借りられるチャレンジ企画のようなイベントに応募したためです。家賃は、40坪で月14万円と破格の安さでした。内装工事には約150万円ほどかかりましたが、家賃の安さが決め手となり、この場所を本社に選びました。

写真:弊社の本社、家賃は14万円と破格の安さ

営業範囲は静岡県内に留まらず、東京、名古屋、大阪はもちろん、北は宮城県から南は沖縄に至るまでに広がっています。ちなみに売上の大部分は、企業数や人口が多い東京が占めています。

写真:東京オフィスは洋風の一軒家

営業範囲の拡大に伴い、現在弊社は東京、名古屋、京都、沖縄にオフィスを設置しています。これらのオフィスは、大学生にも利用されており、特に注目すべき点は、大学の単位が取得できることです。オフィスでは、大学の教授を招いてゼミを開催し、サークル活動や自主学習のための勉強会などが行われています。

写真:東京オフィスの日常風景1

オフィスを大学生に開放するようになったきっかけは、東京大学の研究者や学生から真剣に学ぶためのスペースを求める嘆願があったからです。最初は単に空きスペースを貸し出す程度の軽い気持ちでしたが、若い才能と共に過ごす中で気づきや発見があり、学生たちの溢れるエネルギーから刺激を受け、今では彼らの存在は私たちにとって欠かせないものになっています。

写真:東京オフィスの日常風景2

弊社の家賃に関する方針として、私たちはコストをできるだけ抑え、社会に有益な形でスペースを活用することを心がけています。

これは、弊社の社員の大部分がエンジニアであり、日常的にクライアントの職場で常駐勤務をしているためです。その結果、自社のオフィスに出勤する機会は年に数回に過ぎず、入社から退職まで一度も来社のない社員もいます。このような状況では、例えば都心の高額家賃のオフィスを借りる必要はありません。

写真:東京オフィスの日常風景3

そのため、使用頻度の少ないスペース、例えば会議室やミーティングルームを社会に有益に使われるよう貸し出しています。業務終了後の空いている時間も家賃は発生するため、それを学生に貸し出すことでスペースを有効活用しています。

私たちは、高い家賃を支払うよりも、その経費をエンジニア社員の給与や社会に還元することを選択しています。

2.事業内容

弊社の事業は、人材サービス、駄菓子屋運営、植物園経営の3つの分野で構成されています。

まず、私たちの人材サービスについてご紹介します。弊社は、自動車や半導体などの機械・電気系分野、ITや携帯電話などの通信分野に特化したエンジニアを企業へ派遣する人材派遣事業からスタートしました。しかし、近年はSES(システムエンジニアリングサービス)の需要が高まっています。SESとは、派遣業と同様にエンジニアをクライアントの元へ派遣し、システム開発やIT関連の仕事を支援するサービスです。弊社はこの分野においても積極的に事業展開を進めています。

2-1.請求単価の公開と高い還元率

弊社のサービスの特徴は、クライアントからの単価(派遣料金)を実際に働く社員に公開している点です。これは、社員が自身の評価をしっかり理解し、安心して働けるようにするための取り組みです。この透明性は創業時から続けられており、弊社を代表する特徴の一つです。

また、単価(派遣料金)に基づく給料を「報酬早見表」として公開しています。この早見表は弊社の公式ウェブページでどなたでも閲覧可能です。

*報酬早見表は公式ウェブページで公開

そして、給与は単価連動制を導入しています。単価連動制とは、給与が単価に応じて決定される制度です。これにより、スキルや成果が直接給与に反映されることになります。この制度は社員にとって、仕事へのやりがいやモチベーションの向上、スキルアップへの意欲を高める効果が期待されます。一方で、企業にとっては、高いスキルや成果を持つ社員を適切に評価し、適正な報酬を与えることで、優秀な人材の維持と育成につながります。

*年収早見表(報酬早見表の抜粋)

マージン率についてですが、弊社では単価や報酬早見表を公開しているため、誰でも簡単にマージン率を計算し確認することが可能です。弊社のマージン率の特徴は、勤続年数に応じて段階的に「マージンを低下」させる仕組みを導入している点です。このシステムを採用した理由は、エンジニアと派遣先企業を紹介しただけで、永続的に同じマージンを取り続けることに疑問を感じたためです。マージンには労務フォロー費用が含まれており、勤怠管理、給与や請求処理、労働相談対応などの経費が含まれます。

しかし、勤続年数が長くなるにつれて、これらの業務にかかる工数は減少します。そのため、勤続年数に応じてマージン率を低下させることは、よりシンプルで合理的であると考え、当該制度を採用しました。

*在籍年数に応じてマージン率が減少

マージン率は、社員が在籍3年を経過し、4年目に入ると大幅に減少します。給料は、毎月の売上高から約65,000円と社会保険料の会社負担分を差し引いた金額になります。さらに、10年以上勤続する社員には、社会保険料の会社負担分を除く追加の費用を差し引かない、事実上の「マージンゼロ」の制度を導入しています。このアプローチにより、長期にわたって貢献する社員に対してより公平な報酬体系を実現しています。

『実質マージンゼロの場合、会社はどうやって収益を得ているのか』という質問をよく受けます。これに対する答えは、弊社の転職サービスに関連しています。

2-2.転職サービス

弊社は派遣サービスに加えて、転職エージェントのサービスも提供しています。通常、派遣会社やSES企業は社員のクライアントへの引き抜きを禁止していますが、弊社は逆に社員の転職を歓迎する姿勢をとっています。その理由は、弊社の社員がクライアント企業の正社員になることは、クライアント内に弊社を支持してくれる新たな仲間が増えることを意味するからです。

*リツアンは社員のクライアントへの正社員化を推奨

私たちはビジネスを信用の積み重ねと考えています。社員がクライアントに引き抜かれることは、短期的には売上や利益の減少というデメリットが生じるかもしれません。しかし、長期的には、クライアントへの転職を容認することで良い評判が生まれ、新たな候補者の獲得に繋がります。また、クライアント内に弊社を支持する人が増えることで、新たな案件の獲得がしやすくなり、結果としてビジネスにとってはプラスになります。

実質マージンゼロのサービスについて説明を戻すと、10年間勤務した社員は派遣社員としてではなく、この転職サービスの登録者の位置づけで働いて頂くことになります。10年間という長期にわたり、派遣社員として弊社に利益をもたらしてくれた社員の功績を称え、10年を超えるとマージンを取らず、転職が成功した際の成功報酬で収益を得るようにしています。

成功報酬は転職後の想定年収の35%(在籍3年以下は30%)を頂いております。例えば、想定年収800万円の転職が決まれば、280万円の利益を上げることができ、実質マージンゼロのサービスを導入しても会社として十分なメリットがあります。

2-3.リツアンの転職サービスの強み

一般的な転職エージェントが求職者との数回の面接に基づいて企業とのマッチングを行うのに対し、弊社では在籍する社員の中から候補者を選出し、数年間にわたる勤務経験を通じてその人柄、能力、スキルを深く理解した上で企業に紹介します。この方法により、短期間の面接だけで行われる一般的な評価とは異なり、長期にわたる詳細な評価に基づいて人材を紹介することができます。その結果、同業他社と比べて、弊社は大きな競争上のアドバンテージを持っています。

また、転職希望者にとっても派遣期間を通じて実際に志望企業で働いてみることで、自己との適性を判断する機会があります。転職には、自身の能力や経験との業務適性、企業文化とのフィット、職場の人間関係など、多くのチェック項目があります。これらを派遣期間中に十分に判断し、転職を決めることができれば、入社後のミスマッチを避けることができます。

*リツアン×転職サービスのイメージ図

今後、弊社は転職エージェントサービスのさらなる充実に注力していきます。弊社の目標の一つは、従来の面接や試験に重きを置く採用プロセスに加えて、派遣を活用した転職手法を新たな標準として確立することです。

2-3.フリーランス独立支援

弊社では、社員がフリーランスとして独立する際の支援も行っています。フリーランスは自由度が高く魅力的な働き方ですが、リスクも伴います。特に、プロジェクト終了後の新規受注獲得に伴う収入の安定性の問題があります。案件の獲得には営業力が必要なため、弊社ではその点についての支援を提供しています。

具体的には、社員がフリーランスとして独立する際に、業務で築いたコネクションをその後も活用することを容認しています。弊社も同業他社と同様に、退職後の一定期間内での競合行為を制限する競業避止条項を設けていますが、具体的な細部にわたる指摘は行わず、クライアントや弊社に迷惑をかけない範囲であれば、基本的には社員の自主性を尊重し、業務で築いた人脈の活用を許可しています。

*リツアンはフリーランス独立も支援

その理由は、多様な働き方が求められている現代において、それを積極的に支援する姿勢は、新たな候補者を呼び込む魅力になるからです。また、弊社では毎年一定割合の社員がフリーランスとして独立するために退職します。退職するのであれば、彼らの未来を応援し、良好な関係を維持することで、将来的に相互のメリットが期待できると考えています。

3.ビジョンとミッション

弊社のビジョンは『いきいきと生きる人を増やす』ことです。人は1日の中で、睡眠時間を除いた多くを仕事に費やしています。そのため、いきいきと生きるには、いきいきと働くことが重要です。

3-1.1円でも高い報酬を支払う

いきいきと働くためには、適切な評価が不可欠です。評価は、感謝の言葉や「ありがとう」という表現だけではなく、適切な金額での報酬として具現化されるべきです。このような適正な給料の確保は、安定した生活を築くうえで極めて重要です。それにより、個人は日々の不安から解放され、より大きな目標やキャリアの進展に集中できるようになります。

この理念を踏まえ、私たちのミッションの最上位には「1円でも高い報酬を払う」を掲げています。実際に、弊社の単価に対する還元率は人材業界の中でもトップクラスです。これにより、私たちは社員がいきいきと働き、その結果として長期的なキャリアの成長と発展を実現する環境を提供することを目指しています。

3-2.会社を出入り自由のコミュニティの場にする

現代の労働市場は、終身雇用の概念から、より高い自由度と柔軟性を持つ働き方へと大きく変化しています。かつての「一社一生」の考え方は過去のものとなり、転職を前提とした働き方が主流になってきました。このような背景のもと、企業と労働者を結ぶ新しいハブが必要です。

入社するのも、退社するのも、そして再び入社するのも、全てが自由なハブです。興味のあるプロジェクトに参加し、それが終了したら他の場所に移り、再び興味が湧けば戻ることができる、特定の企業に固執せず、その時々のプロジェクトに参加する新しい働き方です。

雇用の形態も多様化します。例えば、前回は正社員として働き、今回は派遣社員としてプロジェクトに参加し、次回はフリーランスを検討するなど、雇用形態に縛られることなく、多様な働き方を選べます。会社に所属するのではなく、プロジェクトベースで仕事を選べるようになり、仕事の本質についてより深く考えるようになるでしょう。

3-3.会社を「使われる」ものから「使う」ものへ変える

企業と社員の関係は、過去には「上位服従」の形態が主流でした。社員は自己の時間とスキルを提供し、見返りとして給料を受け取るという単純な交換関係が基本でした。しかし、現在この関係は「相互発展を目指すパートナーシップ」へと移行しています。

企業は、単に報酬を提供するだけではなく、社員のスキルやキャリア発展の機会も提供することが重要になっています。優秀な人材を確保し維持するために、企業は社員に対してより多くの価値を提供することが求められています。

私たちは、社員が自分のキャリアを発展させるために、弊社が持つクライアントとのコネクションやその他のリソースを活用できるような仕組みを提供しています。例えば、先ほど説明しましたフリーランスとして独立した社員が、以前の職場で築いたコネクションを継続して活用できるようにすることは、この新しいアプローチの一例です。

私たちは、社員と企業間の関係が単なる雇用から、お互いの成長と発展を目指すより協力的なパートナーシップへと進化している過程において、そのモデルケースとなることを目指しています。

4.駄菓子屋と植物園の経営

弊社は人材ビジネスの他に駄菓子屋、植物園を経営しております。駄菓子屋と植物園はともに障害者雇用の一環として事業をスタートいたしました。

4-1.駄菓子屋

『横さんち』と名付けられた駄菓子屋は、車椅子を使用する店長、横山博則氏にちなんで名付けられました。当店は11名のスタッフにより運営されており、それぞれが様々な障害を抱えています。スタッフは状況に応じて接客を行ったり、在宅でぬいぐるみなどの作品を制作したりと、役割を分担しています。

写真:「横さんち」の横山夫妻

駄菓子屋を開店した理由は、横山氏自身が障害を持っているために子供の頃に駄菓子屋へ行けなかった経験に基づいています。私たちは、横山氏と同じように障害のために駄菓子屋に行けない子供たちが多いのではないかと考えました。身体障害者、視覚障害者、知的障害者、精神障害者など、障害を理由に外出を控える人々が少なくありません。誰もが訪れることのできる駄菓子屋を作ることで、これらの人々に外出のきっかけを提供したいと思いました。

写真:横さんちの日常風景1

さらに、健常者の子どもたちが幼い頃から障害を持つ人々と接することは、彼らの人生において価値ある経験となります。障害を持つ人々が日常に溶け込むことは、違いを受け入れ、適切な接し方を学び、多様性のある時代を生きるための重要な学びとなります。

写真:横さんちの日常風景2

『横さんち』は今年で4周年を迎え、5年目に入りました。多くの子どもたちが放課後や休日に訪れることで、福祉の枠を超えた、子どもたちにとって大切なコミュニティの場となっています。

写真:横さんちの日常風景3

駄菓子屋「横さんち」
静岡県掛川市城下7-10
🈺月火木金13:00-17:00/土日祝11:00-17:00


4-2.植物園

植物園は障害者雇用の一環として開園しました。植物園では、主にアフリカや東南アジアなどの熱帯地方に自生する1000種類以上の珍奇植物(多肉植物や塊根植物)が展示・販売されています。

写真:植物園の外観

植物園を開設した理由は、種まき、水やり、土壌改良、株分け、鉢植えの装飾などの作業が障害を持つ方々にも親和性が高く、ストレスを感じずに楽しんで取り組めるためです。また、珍奇植物は価格が高く、利益率も高いため、多く売れるとそれだけ多くの給料を支払うことが可能になります。

写真:珍奇植物

障害を持つスタッフも、健常者と同じ作業を行っていれば、同一労働同一賃金の原則に基づき給料を支払います。駄菓子屋が福祉教育をテーマに運営しているのとは対照的に、当植物園は障害者への適切な賃金の支払いを目的としています。

オープンしてまだ3ヶ月のため、課題は多くあります。しかし、理想を実現するためスタッフ一同力を合わせて日々奮闘中です。

写真:珍奇植物を1000種類以上、展示販売している

OZMAN(オズマン)
静岡県掛川市初馬325−5
🈺火水木金土日 10:00-17:00

4-3.障害者雇用法促進法と駄菓子屋と植物園

弊社が運営する駄菓子屋と植物園は、障害者雇用促進法の遵守を目的の一つとしています。この法律では、全従業員に対する障害者の法定雇用率を2.3%と定めています。弊社には現在800名の社員が在籍しており、理論上は約18名の障害者を雇用すべきです。しかし、実際には11名の障害者を雇用しており、不足分のペナルティを支払っています。

ただ、私はこの現状にも前向きな見方をしています。過去に訪れた企業で、障害者雇用率を遵守するためだけに設けられた、実質的に必要のない業務に従事している障害者を目にしたことがあります。法律の遵守は重要ですが、ペナルティの支払いにより回避できる場合、私たちは業務内容に注目し、障害者が「いきいきと働ける」業務の創出をすることに力を注ぎたいと考えています。

5.弊社の今後の課題

弊社の課題の一つは、一般応募者を増やすことです。現在、入社する方の約7割がリファラル採用、つまり社員の紹介による入社です。これまで弊社は転職サイトへの求人掲載は行ってきませんでした。その理由は、高額な広告費を支払うよりも、エンジニア社員への還元を優先してきたためです。また、売上拡大のために無闇に人材採用を行うよりも、在籍社員の満足度向上に力を注いできました。しかし、クライアントからの人材需要が高まり、今後はSNSなどを中心に一般応募者も積極的に募集する方針に転換していきます。

次に、メンター制度の本格的な導入により、未経験者や経験の浅い方々にも雇用の機会を提供します。現在も、ベテラン社員が若手社員の支援を行い、チーム体制で業務を担当していますが、今後この体制をさらに拡大し、採用の対象範囲を広げていく予定です。

エンジニア無料育成講座「TERAKOYA Thec」

最後に、研修プログラムを充実させ、若手からベテランに至るまで全ての社員に学びの場としてのスキル向上の機会を提供します。ちょうど本日はエンジニア育成講座『TERAKOYA Thec(テラコヤテック)』の面接会でした。テラコヤテックは、未経験者や経験の浅い方々が180日間でAWSやFlutterを学び、一人前のエンジニアとして育成することを目的とした一般向けプログラムです。今後は、社員に対しても、このような研修プログラムを充実させていく予定です。

6.弊社のフィロソフィ

私は第二新卒で人材ビジネスの業界に入りました。偽装請負が社会問題になった2000年代初頭の人材業界です。その当時は、いまのように派遣のマージン率の公開が義務化されておらず、過剰なマージンを搾取する人材会社が多数存在していました。社員の生活よりも会社の利益を優先する姿勢に、嫌気がさしリツアンを設立しました。以下は、いまから8年前の2015年5月に掲載した私のブログ記事です。

ぼくが派遣会社を設立した理由は、業界の『ぴんはね』の実態につくづく嫌気がさしたから。もちろん会社を経営して社長になればお金持ちになれるという期待感はありましたが、派遣社員の生活の向上など考えてもいない会社に嫌気がさしたからです。

ぼくは静岡県の大須賀町という今では掛川市に合併された田舎町でうまれました。ぼくがうまれた当時、両親はピザやパスタなどをだすレストランを営んでおりました。40年も近くまえの田舎町でピザやパスタです。コンセプトが斬新すぎて儲かるわけがない。当然、客足も伸びず、すぐに経営は行き詰り、ぼくが小学生の低学年のころにはお店をただんでしまいました。

それからというもの父親は、トラック運転手、移動販売、工場の期間工、交通誘導の警備員など職を転々。料理しか知らない不器用な父親です。職場では使いものにならなかったのでしょう、給料は安くいつもお金の工面ばかりしていた記憶があります。

それでも両親は、ぼくを大学まで出させてくれた。車や土地を売ったりして学費を捻出してくれた。勉強はからっきしできなかったけれど、なんとか単位を取って卒業、その後は大手のエンジニア系の派遣会社(当時は請負会社)に営業職として入社しました。

社会人になってからは、とにかく営業成績を上げることにだけに専念し必死に企業訪問をした思い出があります。そのおかけで、入社してからそんなに遠くないころ、ぼくはひとつの営業所を任させるようになりました。
営業所長です。営業所長になれば社内のあらゆるデータをみることができます。派遣料金も、派遣賃金も、会社の利益も知ることができる。

ただ、知ってしまって唖然とした。

あまりにも派遣社員のエンジニアの給料が安い。手取りで10万円台前半のエンジニアもいる。これじゃ生活はできないんじゃないか。

でも、その裏で会社はエンジニアから30万も40万も利益を得ている。
ある日、エンジニアのひとりと飲みに行く機会がありました。彼には小学生になる息子がいて、子どもの学費や今後の生活のことを考えれば会社を辞めざるを得ないと相談を受けたのです。

ぼくは彼の給料を知っています。たしかに彼がもらっている給料では生活が厳しいことは容易に想像できます。でも会社が彼から得ているマージンも知っています。そのマージンのうちの一部でもいいから彼に還元してあげれば、彼が抱えている今の悩みは解消される。だから、ぼくは翌日に上司に掛け合ってみました。でも、まったく相手にされない。それどころか、もっと契約を取れ。売上をあげろ。利益をあげろ。今期の目標は昨年対比120%だと。

彼から相談を受けているとき、彼と彼の息子が数十年前の父親と自分自身の姿に重なりあい、毎日疲れて帰ってくる父親とそれを子どもながらに心配する自分に思えてきて、自分がこの会社で頑張れば頑張るほど、多くの不幸な家庭を増やすことになる。自分が知らず知らずのうちに社会に対して罪悪を犯し続けるように思え退職を決意致しました。

リツアンは、とにかくエンジニアの給料にこだわる。エンジニアと飲みに行って、今年の年収は※※※万円くらいになるという会話を聞くのがたまらなく好きだ。

もちろん仕事は給料の高い安いではない。特にエンジニアのようなクリエイティブな職種は、苦労して1つの作品を世に出したときの充実感は決してお金では買えるものではない。エンジニアの仕事には、お金以上の価値があることは知っている。

ただ、リツアンはエンジニアを正当に評価をしたい。リツアンはモノづくりの会社ではない。仕事を紹介することしかできない派遣会社だ。エンジニアの彼らに面白い仕事も、夢があるプロジェクトも、やりがいのあるテーマもぼくたちは提供できない。

ぼくたちができることは、ひとつだけ。エンジニアを正当に評価すること。それしかできない。だから、リツアンはエンジニアの給料にこだわる。  
ちなみに今回ご紹介したエンジニアの彼のその後は、前派遣会社退職→リツアン入社→1年半後に派遣先クライアントへ中途採用。いまでは3人目が産まれ、職場の近所の山奥に家購入。地元の消防団にも入りご近所づきあいも忙しいようですが、たまに飲みに誘われます。

この当時の想いは、いまも変わりません。

リツアンは社員の給料にこだわります。

時折、経営者の中には、社員の給料を低く設定しながら、夢や希望といった曖昧な概念で彼らを鼓舞する人がいます。これは私が最も避けたいタイプの経営者です。会社の役割は、社員を正当に評価して、給料という数字で感謝の気持ちを示すことです。

100年続く企業を目指す経営者がいます。会社の継続を美徳と考える経営者です。確かに企業の持続性は重要ですが、それを理由に現在の社員の生活を犠牲にしてはいけません。

会社の発展を強調する経営者もいます。会社の成長は確かに良いことですが、それが社員にどのような実質的なメリットをもたらすのかは重要な問いです。

組織は個々の人間の集合体です。私たち経営者は、まず個々の社員に焦点を当て、彼らの生活を向上させることを目指すべきです。

順序が逆になっています。

社員一人ひとりの満足度が高まり、その結果として企業が100年存続する。これこそが理想的な企業の姿ではないでしょうか。

リツアンは、そんな理想の企業を目指し、これからも努力していきます。

長文をお読みいただき、ありがとうございました。

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SES企業や技術派遣で働いているエンジニアの皆様、必見です。

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1.1年目からの「通常契約」時の年収
2.4年在籍で適用される「プロ契約」時の年収
3.10年在籍で適用される「さよならマージン」時の年収

弊社では、勤続年数に応じてマージン率を低減し、還元率を高める仕組みを導入しています。


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