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「還元率の問題」などに関する警告の効果と限界

SES企業の「還元率の問題」などに関して私たちは繰り返し警告していますが、その効果がどれほどあるのかは不明です。恐らく、私たちの声はあまり届かないと、半ば諦めかけています。

というのも、私たち自身が高還元SESに対して「誤解してき」たという歴史があるからです。

期待していた時期(2018年ごろ)

2018年ごろから、高還元を謳うSES企業の存在を知りました。SNS(旧:Twitter)でリツアンの名がたびたび登場し、「還元率が高くて良い会社は自社とリツアンと〇〇」と紹介されていたからです。当時は還元率を公開している健全なSES企業として、好意的に受け止めていました。

傍観の時期(2020年ごろ)

2020年ごろから、ある高還元SESの経営者が他社を批判するツイートを始めました。その中には、おそらく当社も含まれていると感じましたが、あまり関わらないようにと傍観していました。

注意喚起を始めた時期(2022年中旬ごろ)

2022年ごろから、その批判的なツイートをしていたSES企業や他の高還元SES企業からの転職者が増えました。転職者からその企業の内情を聞き、「還元率=給与」ではないという事実を初めて知りました。還元率の水増しだけでなく、前回のブログで触れた印象操作の問題など、昔の悪しき派遣会社の仕組みがSES業界で再現されていることに危機感を覚えました。

このように、私たち同業者でさえ、彼らの実態を数年間把握できませんでした。彼らは印象操作に巧みであり、転職者たちから詳細な情報を得なければ、今も問題に気づけなかったと思います。

そのため、いくら私たちが警鐘を鳴らし続けても、SES業界に長年携わる私たちですら把握できなかったことを、業界事情に詳しくない求職者の方へ求めるのは酷ですし、私たちが鳴らす警告の効果は薄いと思われます。

今後もSES業界では「水増し還元率」が使われ続けます。派遣会社が法改正でマージン率の公開が義務化されたように、法律の介入がなければ、還元率の計算に統一ルールが適用されることはありません。そのため、今後も「入社後に期待を裏切られた」と感じる方々が一定数発生することは残念ながら避けられません。

リツアンにはSES業界を変えるだけの力も影響力もありません。

私たちにできることは、継続的な情報提供と注意喚起という草の根の活動だけです。

私たちが発信する情報が少しでも役立ってくれることを願っています。


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