自分を大切にできないと人を大切にできないとはどういう事か分析してみた

こんばんは。タイトルのこの言葉をお聞きしたことはありますか?

『自分を大切にできない人は他人を大切にすることができない』

私はここ数年で何回か聞いたし、そのどれもが皆、私自身に対して向けた言葉だった。今回この言葉について分析が進んだのだが、至極個人的な内容なので、大多数に当てはまるかはわかりません。

きっかけはコロナです。友人と遊ぶ機会や遠出する機会がなく、もともと物欲の少ない私は自粛期間中に順調にお金がたまっていった。(幸い業務停止する分野ではない仕事でした)

仕事には変わらず週に5回行くのに、週2日の休みは家にいろとなると仕事嫌いな私は相当なストレスを感じた。家でやることも尽き、緊急事態宣言が明けても大手を振って出かけるのははばかられるため、身の安全が保障できるふるまいをすることにした。

具体的には整体通いとスキンケアだ。整体は理学療法士のみが在籍するクリニックに通い、短い施術時間で効果が発揮されるところへ通わせていただいた。根本的な姿勢の改善にもなり、更に自律神経を整える方法(呼吸や食事など)も具体的に学ぶことができ、疲れを翌日に引きずることが少なくなった。

スキンケアのほうは、お金の使いどころがこれといってないものの、買い物がストレス発散にもなるため、普段手を出せないデパコスや美容液に手を伸ばした。ちなみになぜメイク用品や服を買わないかというと、出かける場所がないとモチベーションが上がらないためである。洗顔を用途別にし、その日の過ごし方によって夜のスキンケアを変えるなど、アイテムをそろえる事でかなり充実したケアが行えるようになった。今までは洗顔・化粧水・乳液の最低限しかしてこなかったが、自分にはそれでは足りなかったのだと実感した。

コロナの影響で休日の過ごし方だけでなくお金の使い方まで変わったことで、私の内面にも変化が現れた。今まではこういった自分の疲れや老いへのアプローチがお金の無駄だと感じていたのだ。確かに今はマッサージではなく整体に行き、コンシーラーではなくシミ予防化粧水を使うなど、「予防」に目を向けた行動をしているが、昔はそれすらも無駄に思えた。どうせ疲れるのにどうせ歳とるのにどうしてお金を使うんだという考えだったのだ。我ながらケチ。

しかし実際行動を変えてみてどうだろうか。めちゃくちゃ楽しいこれが。姿勢がよくなるだけで自分の体に少し自信がわく。シミは消えてないけど、くすみが減って肌全体はワントーンアップしたように感じる。他人は気づかなくても、毎日鏡を見て確認するのが楽しくて仕方なかった。もっとやろうという気持ちになり、すべてが前向きに進むように感じられる。

おそらく今の状態を自分を大切にしているというのだろう。基準は分からないが、当社比ではかなり向上している。そこで更に内面から外の世界への認識も変わってきたのだ。前・前々記事にもあるように、他者評価への重要性が薄れてきた。周囲の価値観に合わせ、周りにお節介なほど気を使って生きてきたのが、徐々に少なくなってきた気がする。

以前は人に嫌われることが怖くて仕方なかった。パートナーに捨てられたら、職場で見限られたら、と思い悩んでいた。しかし今となっては「そうなったら仕方ない」と思うようになってきた。私が周囲に嫌われるのを恐れていたのは、「自分に気を使ってくれなくなる」からだったのだ。

私は一見お節介なほどやさしいように見えて、その実、相手からの見返りを求めていたに過ぎなかった。他者評価で「良」をとるほど人格者と思われなければ、周りは私を助けてくれない、愛してくれないと恐れていた。記事タイトルの「自分を大切にする」ということは「自分に自身をもつこと・自分の価値を認識すること」だと思っていたが、私にすればそれは異なる。自分を大切にするということは、純粋に自分が喜ぶことや我慢していたことを、自分自身にしてあげることでいいのだ。自信をつけるのは難しくても、日常的に自分に手塩をかけてあげることだ。

私は他者から手塩に掛けてもらうことを望んでいたが、それが自分に成り代わった今、本当の意味で他人を大切にできている気がする。以前は同僚や後輩の仕事を手伝い、自分を後回しにしていたが、結果的には彼らの為にならないことをしていた。パートナーを助けるという名目で家事を手伝っていたが、本人のやりたいようにすること・させることの方が本人の幸せだと気付いた。相手が私にかまわなくても、私自身の方は整体に行ったりリンパマッサージしたりスキンケアしたりとで忙しくも充実していた。

難しい言葉と感じた「自分を大切にできないと人を大切にできない」という内容は私に意訳させるとこうだ。

「自分のこと全部やってから人にかまいな。暇が敵だ!」

他人にお節介しがちな人は、もしかしたらこの言葉のほうが通用するかもしれません。