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ロックと表現衝動をタウンワークにとじこめて

「家は死にたくなるから帰りたくない」
人もまばらな夜遅く、弾き語りに立ち止まってくれた男の子の言葉。歌をきっかけにして人と話すのが好きでした。恋人に裏切られた人、腕が傷だらけの人、暴力におびえる人。

出禁を言い渡されるような酷いライブを繰り返していたのは、理不尽という漠然とした敵への怒りからかもしれません。

じくじくと痛む額から流れる液体、真っ赤に染まる剃刀を放り投げる。ステージから降りると周囲をにらみつけて歩き回る。誰からも無視され続けた彼らの苦しみに報いるため、誰も無視できないよう大きな声で過激に叫ぶ。


誰のために音楽をふりまわす

気持ち悪い、おかしい、の言葉でくくられる欠点すら、「その人らしさ」として肯定していくパンクロックの文化。お金もない、演奏も下手、未来に希望が持てない。ただわめくことしかできない労働者階級から生まれた音楽。誰にも理解されず同情もされない誰かの寂しさに、せめて自分だけは寄り添いたい一心で歌を歌っていました。

臆病、感情的、非常識…様々な言葉で蔑まれた人たち。でも、同じ目線になって話を聞いてみると、優しすぎるだけだったり、感受性がとても豊かだったり、他人をのけ者にしない心の広さを持っていたり。

ちょっと視点を変えるだけで見えてくるたくさんの素敵な一面が彼らにはあって、世の中に対して、彼ら自身に対しても伝えたくて。「君の苦しみは間違っていない」「そのままで魅力的だ」とわかってほしくて、詩を通してヒトの価値を考え続けました。

苦しみを抱える若者が、同じように苦しむ若者へと歌で語りかける、だからこそ時代も国も飛び越えて、会ったこともない誰かと分かり合える。同じ視点、同じ苦しみ、そこから生まれる「共感」…そんなロックの文化が大好きだった僕は、だからこそ、30歳の年齢を機に音楽活動に区切りをつけることにしました。

歳をとって逃げ方も気持ちの整理もうまくなるにつれて、「寄り添っているふり」になってしまう。勘の鋭い彼らには、ポーズで歌を歌ってもすぐに見抜かれてしまいます。ロックという文化は若者が作っていくべき、それが僕の考えるバンドの世界への身の置き方、尊敬と敬意でした。

たぶんこれからは、誰かのためではなく自分自身が楽しむために、人生の中の小さな彩りとして音楽と付き合っていくのだと思います。

さよならギター、こんにちは社会

音楽から離れてみると、そこにいたのは何も持っていないちっぽけな自分でした。地元生まれ地元育ち、昔通っていた工業高校もすっぽかし気味だったし、20代はずっと音楽に夢中…栃木しか知らず、これといった資格もない。

とにもかくにも自分にできることをまずは洗い出してみる。趣味と言えば、お酒を飲むことか、たまに写真を撮ることか…遊びの延長で動画やデザイン系のソフトも少し使えはするけれど、仕事にできるほどかといえば…ちょっと微妙。社会人として積み上げのない、ゼロからの30代がスタートしました。

就職を考えていた僕に「ロケットスタート」と縁を繋いでくれたのは、転職エージェントサービスの営業さんです。

「面白い社長さんがいるから面接してみない?」条件や待遇ではなく、面白い社長さんという不思議な誘い文句。音楽を辞めてもヒトと関わることは続けたい。そう漠然と考えていたこともあり営業職として面接をお願いしました。

「とりあえず何か質問ある?」と一番に聞かれたのが印象的でした。急な振りに少しどぎまぎしながら面接がスタート。明確な答えのない哲学じみた質問を投げかけられたり、人間性を探られているような、他の面接とは違った緊張感のある時間。

ロケスタが掲げるパーパスについて、DXについて、営業について…知識も経験も浅い僕には難しい話も多く、正しく理解できていた自信はありません。

ただ、領域を広げ続け進化していく挑戦的な姿勢に面白さを感じました。

会話の中ではロジカルな話と、抽象度の高い話を行き来しました。「友達が悩んでたらなんて声をかける?」「そのアドバイスを否定されたらどうする?」「働く人の未来をしあわせにする」というパーパスについて、しあわせって具体的に何だろう?正解がない中に正解を見出そうとする難しい問い。

「楽しかった」終わってみれば面接をしていたとは思えない感想。理解よりも先に「この会社は面白い!」という確信から入社へと至りました。

タウンワークをつくるってこと

お客様によってゴールも正解も違うこの仕事では、その会社らしさを知らなければ方向性を定める事ができません。お客様にどうなってほしいのか?この前提がないと提案ではなくただの御用聞きになってしまう。

「いい人材が欲しい」の言葉の裏にある背景を知って、お客様の求める未来像を一緒に共有すること。とことん向き合って、意思と情熱をもって働きかけること。採用に悩むお客様の課題を解決するため頭を悩ませる日々。どうしたら応募があつまるだろう?ヒアリングした内容から求人原稿を考える。

一番に気遣うのは、ほかの会社様にはないたった一つの「らしさ」です。提示された条件と待遇を羅列しただけではただの情報の塊でしかなくて、ここは絶対にみんなに伝えたい!そう思えるような魅力を見つけること、表現すること。

その会社様がもつ輝きをテーマに落とし込んで定義する。とても面白くて、なにより難しい作業です。

アルバイトの募集でお悩みの居酒屋さんへ伺った時のこと、そのお店では店長さんの朗らかな人柄のおかげか、スタッフさんもリラックスした様子で楽しそうに働いていました。

ヒトが活き活きと働くこの光景を読者様にお伝えしたい!そのお店にしかない魅力がそこに詰まっているような気がして、原稿内に写真を掲載する追加の提案からお時間を頂きました。

カメラの前で冗談を言い合いながらはしゃぐスタッフさんたち。店長さんを中心に生まれる自然体の笑顔とふるまい。

撮影者では関与できない「そのお店らしさ」の詰まった一枚になり、今までより多くの応募をいただくことができました。

ただの御用聞きではなく「これをやりたい」の意思を持った働きかけ。実際に対面したからこそ見えたお客様の魅力から採用に繋がり、きちんと向き合う事の大切さを実感した出来事です。

原稿のなかに表現衝動を鳴らす

相手と向き合い「らしさ」を見つけること。それらを魅力や価値として再定義して発信していくこと。向き合う先はリスナーから企業へと変わったものの、ギターを弾いていた時と、採用のお悩みを聞いているときと、根本の部分では同じことをしているのかもしれません。

情熱をもって向き合わなければ人の心には響かない。それは音楽の世界でも、営業の世界でも同じでした。

バンドマンからロケットスタートへ、働く人の未来をしあわせにする、そのために何ができるのか…まだまだ手探りな毎日ですが、共に伴走する相手としてお客様に信頼して頂けるよう、ロケスタメンバーの一員として全力で向き合っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします。

ギターを振り回しマイクに向かって全力で叫んでいた情熱は、伝えたいことを伝えないと気が済まない昔の自分のまま、表現することへの欲求と共に、この仕事の中で今も生きています。
 
2022年2月10日 営業


【プロフィール】

小竹 大輝(こたけ だいき)
2022年1月、ロケットスタートに営業職で入社。生まれも育ちも栃木県地元の工業高校を卒業後バンドの世界へ。音楽を発信するためにYouTubeやSNSにも力を入れていた経験から、動画や写真など幅広いコンテンツ作りと流入分析を得意とする。好きな動物はマヌルネコ。通勤路をテリトリーにする近所のネコに毎朝威嚇されている。


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