考察

総務省 情報通信白書 考察

序にかえて

本noteは総務省が毎年公開している「情報通信白書」本編PDFから重要事項を抜粋しマーケッター・経営・投資家の視点から諸考察を記述しております。

本年度の情報通信白書(総420項)を最大限圧縮しまとめたものとなり、大きく情報を除いている項もありますのでそれらは自身で確認をお願いたします。

※図は全て総務省情報通信白書PDFの著作権に帰属いたします。
※本年度の情報通信白書はこれまでの総括的なデータが多く記述されているため昨年までの情報と重複する箇所があります。

データ元
http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/


先に結論を述べると
私達がしなければならないことは「群像マーケティング」を脱却し「固有マーケティング」へ移行しユーザーにとって有用なデータを活用していくことです。そのためにはデータ処理のインフラの確立とソフトウェア(AI)の進化が必要な時代へとついに突入しました。

親愛なる日本のデジタルマーケッターの為に。

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昨年・本年の主旨

2018年(昨年)の情報通信白書は

インターネット利用の増大とIoT(Internet of Things:モノのインターネット)の普及により、様々な人・モノ・組織がネットワークにつながることに伴い、大量のデジタルデータ(Big Data:ビッグデータ)の生成、収集、蓄積が進みつつある。それらデータのAI(Artificial Intelligence:人工知能)による分析結果を、業務処理の効率化や予測精度の向上、最適なアドバイスの提供、効率的な機械の制御などに活用することで、現実世界において新たな価値創造につなげることができる。

と記述されITニュースに注目をしていた方は「デジタルトランスフォーメーション」という言葉が世の中に多く出現するようになり新鮮さを覚えたという方も少なくないと思います。

令和(今年から)は

「society 5.0」サイバー空間と現実世界が高度に融合し、経済発展と社会的課題の解決を両立するという時代

と冒頭の図で記述されており、「society 5.0 とは何か」「真価を発揮するためのガイドライン」などを記載しておりますがICTの分野はあまりにも広大すぎるために概念的なものに留まらざるを得ない冒頭になっておりました。

それらを圧縮すると時代の役割は以下にようになります
平成▶デジタル経済が進化した時代
令和▶ICTにより「ゆらぎ」が生まれ、ビジネスモデルに留まらず人と企業の関係性にも「ゆらぎ」が生じ、「市場の拡大」など構造の変化や概念の変化など、次の次元が生まれようとしている。

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ネットワークの高速化・大容量化でインターネットの利用がより円滑に

5G が完全には普及していないので現在は 4G(右上)の時代となります。もうすぐ更に速度が向上する5G時代になるとビジネスとしてはどうなるでしょうか?

考察
・クラウドから提供されるサービスのハードルが低くなるために、デジタルデータのサブスクリプションモデルは更に活性化されます。今でも右肩上がりの市場なだけにもっと面白くなるはずですし、これに関連する株も注目するべきだと言えます。


・動画サービスなどは更に「高画質」「大容量」であるなどデータ量に依存したサービスの展開などがあると十分に考えられます。

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インターネットの利用率・機器

「利用率は 80%弱をTOPにし頭打ち」となってい状態です。おそらく超高齢など諸事情により普及できない層が残った層なのではないか。とすれば現状普及しているπ(パイ)がどの様な配分になるのかを分析する必要があると考えます。


上図はインターネットの利用率において、パソコンとモバイル端末を比較したもの。2010年に逆転してからモバイル端末が僅かに優勢になっています。


モバイルの利用時間は順調に伸びている。パソコンのπ(パイ)が大きく削られたわけではないので「ながらモバイル」ということが想像できます。実際に「スマホ歩き」という言葉があるように社会問題になっています

※携帯性による「スキマ時間の利用」という概念は省略させていただきます。


それらの利用時間内訳としては「オンライン・ソーシャルゲーム」「動画サイト」「ソーシャルメディア」が上位で非常に伸びた結果です。


ソーシャルメディアに特化した行動調査では「LINE」の利用率はかなり高いと言えます。

考察
※マーケッター向け
オンライン広告においてLINE媒体というのは重要度は高いと考えられるのは勿論ですが、LINE審査やユーザー属性・配信方法など様々な観点からソーシャルメディアへの広告を検討するならば、Twitter・Facebook(Instagram)面も等しく重要視するべきです。

※事業主向け
LINE媒体でカスタマーを展開するというのは非常に有効な手です。公式LINEアカウントを作成して事務局対応でレスポンスしていくというのがメール問い合わせに変わって行くはずです。実際にそのようなLINEサポート企業は増えていてそれはCV数・CV率に影響している例もあります。

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医療分野でのドローン活用

ルワンダでは、携帯電話のメッセージ機能で注文した輸血用の血液や
医薬品をドローンが届けるサービスが始まっている。
サービスを手がけるのは、米国のスタートアップ企業のZipline(ジッ
プライン)であり、ルワンダでのサービスを2016年10月に開始した。
ドローンは時速120キロで飛び、目的地まで来ると輸送品を投下して届
ける仕組みとなっている。注文から配達までの平均時間は約30分であ
り、緊急時の配送などに利用されている(1日に約500フライト)。ま
た、ドローンは人によって遠隔操縦されており、何か問題がある場合は、
操縦者が航路を変えることができる。
現在、先進国でもeコマースで購入された商品の輸送等でドローン活
用が検討されているものの、新興国・途上国では先進国ほどの交通網(高
速輸送システム)が備わっていないといったことを背景に、既にドロー
ン配送が商用サービスとして根付いている。

日本ではドローンへの規制があるなど難しい分野ではありますが、行政と連携することで事業展開が出来そうだと言えます。

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IoTデバイス数は、「自動車・輸送機器」「医療」「産業用途」で高成長が見込まれている

直近では特に「産業用途」の成長率が高い 34.1% これらデバイスについては深く言及しない。頭の片隅に入れておくと良いと考えます。

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コンテンツ(動画・音楽・アプリ)*サブスクリプション

日本でもNetflixなどが勢力を伸ばしているように、サブスクリプションモデルは確実に浸透しています。iOSなどのアプリでもサブスクリプションが目立つようになっている他、Microsoft Office・Adobe製品などのビジネス向け、企業用ではBIツールやDMPなどビッグデータを活用するビジネスにもサブスクリプションモデルの需要が高まっています。

考察
※投資家・経営層向け
事業のポートフォリオにサブスクリプションモデルが入っているとすれば長期的な株価上昇の要素になり得るのでは...

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アジャイル開発について

年々増えているようです。

実際、筆者もアジャイル開発に携わりましたが、新しいビジネスモデルで開発を進めるには、ウォーターフォールよりも小回りがきく(新しい取り組みやシステムを柔軟に入れられるために)ためにアジャイルの方がやりやすいと感じました。

考察
ただし開発進行時よりもテスト期間に苦労することが多くなると感じましたので、バックテストなどの検証用仕様をどのように固めていくかプログラムを組むことよりも手数がかかる所が懸念です。

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デジタルプラットフォーマー

リストアップされたもの

中国の「バイドゥ」「アリババ」「テンセント」が入っているのが特徴的ですね。隣国であり市場も大きいことから看過出来ないものです。

マーケッターとしてはこれらのプラットフォームを抑えておけばバッチリです。

事業領域

より具体的に、GAFAとBATの売上高の内訳を示したものが、図表1-3-1-6である。このように、あくまでも売上高からみると、それぞれの主力事業は、Google、Facebook、バイドゥについては広告、Amazonとアリババについては電子商取引、Appleについてはハードウェアの製造・販売、テンセントについてはサービス(コンテンツを含む。)となっており、GAFAやBATと総称されるものの、事業構造は異なっていることが分かる。
また、これら企業は積極的に新事業に進出する等、一般的に多角的な事業を行っているとの印象を持たれているが、売上高で見る限り、少なくとも現時点では特定の事業に頼る構造となっていることが分かる。
なお、利益の事業別の内訳については、7社のうち公表しているのはAmazonとアリババのみであるため、図表1-3-1-6では、他社についてはあくまでも推測である。公表しているAmazonをみると、売上高では約1割を占めるにとどまるクラウドサービス(AWS)が、営業利益においては約6割を占めているといった特徴がある。

営業利益の成長は「Apple」「Facebook」「Amazon」が良い。その成長カーブがかなり急上昇していることからビジネスモデルの成功を意味していると言える。

考察
Apple」App StoreのUIであったり、iPhoneのUXから学ぶべきものがあるはず。「Amazon」も然りUI・UXですがAmazonのレコメンドはどのように効いているのか? アクションタイミングなど時間軸にも注目した分析を行うと良いかと思います。

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AIに関する動向

全時代で進化した人工知能の開発時代は終わり、機械学習と深層学習が実用段階へ到来し、広告表示・チャット応答サービスなどで一般ユーザーレベルで利用されるようになりました。

マーケティング領域では媒体資料などで、機械学習と深層学習の二つをよく耳にするはずなので両者の違いをしっかりと理解していないければならないと言えます。

考察
※投資家向け

これからは「深層学習」が更に領域や業種幅を広げて採用されていくと推測し(それはよりユーザーの目に触れられるサービスの一環として世の中に進出してくるか、それとも産業用途において効率化の一環になるのかはまだまだ未開の部分だと言えます)この学習分野を着手している企業はどこなのかを調査すると面白いと考えられます。

学習種類において有名な例を挙げると、「キャットペーパー」や「AlphaGo」とその後継プログラム等に使われているようです。

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セキュリティ

IPA「情報セキュリティ10大脅威」

「クレジットカード情報の不正利用」が前年に引き続き1位となっている。また、4位の「メール等を使った脅迫・詐欺の手口による金銭要求」が新たに登場しているほか、「偽警告によるインターネット詐欺」の順位が前年の10位から6位へと上昇している。

考察
年々手口が巧妙化しているインターネット関連の犯罪には利用者側のリテラシー向上も必須だが、企業側における情報管理に対するリテラシーや問題が起きた時にどのように対処していくのか?という業務フローにおいても十分な(事前的な)アクションプランが必要だと考えられます。


JASA「情報セキュリティ十大トレンド」

企業等の組織については、「標的型攻撃による被害」が前年に引き続き1位となっている。また、4位の「サプライチェーンの弱点を悪用した攻撃の高まり」が新たに登場している。これは、原材料から部品の調達、製造、在庫管理、物流、販売までの一連の商流とこれらに関わる複数の組織群(委託先の外部組織を含む。)の中で、セキュリティ対策を適切に実施していない組織等を攻撃するものである。このほか、「内部不正による情報漏えい」「サービス妨害攻撃によるサービスの停止」「不注意による情報漏えい」の順位が前年から上昇している。

考察
新しい手口「サプライチェーンの弱点を悪用した攻撃の高まり」があるものの、依然1位としては「標的型攻撃による被害」は多い。つまり攻撃者は圧倒的に実行しやすい(効率的に攻撃ができる)わけであるのでこちらについても企業側が重大なインシデントまたはアクシデントの際にどのようなフローで対処していくのかを明確に事前準備をしておかなければならないのです。


JASA「情報セキュリティ十大トレンド」

「仮想通貨の盗難、詐欺の拡大」「時代遅れとなりつつあるパスワード認証」「問われるサイバーセキュリティ経営の責任体制」「クラウドバイデフォルトの情報セキュリティ体系化」が新たに登場している。

考察
記憶に新しい「Coincheck 事件」仮想通貨のハッキング被害は毎年大きいもので数件ニュースにあがっていますし、これからも後を絶たないでしょう。フィンテックに関わる人達だけでなく、また組織の責任者だけでなく、個々としてインターネットに関わるすべての人達がセキュリティに対する知見を高めていかなければいけない時代だと考えられます。


またそれらは 特に Windows サーバーサービスに多いこともひとつ気をつけておくべきだと言えます。

セキュリティに対する人材不足

セキュリティ人材の不足率は各国と対比し4倍以上不足している状況であり、抱えている課題は「キャリアパス」となっている。

特に人材種別で3位となっている「セキュリティインシデントへの対応・指揮ができる」については、例を挙げると年金関連で個人情報が何度も流出してしまった事件、個人情報の重要な部分を取扱う政府機関にその人材がすでに不足していることなどから日本全体として喫緊の課題だと言えます。

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ソーシャルメディア関連

ソーシャルメディアの情報に対する信頼性

ソーシャルメディア上に表示されたニュースに対して、その情報は嘘であるという懸念をユーザーは抱いています。それらをどのように判定するかは「情報源」に依存しているという回答があるようです。

また類似する資料では以下のようにあります。

ニュースソースよりもシェアした人に影響されているという海外の研究結果も存在する

信頼したユーザーの情報を信じる傾向にあり、信じるユーザーの情報であればリツイートするという傾向にあります。

考察
つまり日本でのインフルエンサーマーケティングを活用するのであれば、「ヒカキン」のようなインフルエンサーは良いだろうし「炎上マーケティング」をするようなインフルエンサーは決してタイアップしてはいけないと結論づけます。

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政治とソーシャルの項がありましたが省略します

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ネット上の炎上について

「炎上」とは、「ウェブ上の特定の対象に対して批判が殺到し、収まりがつかなさそうな状態」「特定の話題に関する議論の盛り上がり方が尋常ではなく、多くのブログや掲示板などでバッシングが行われる」状態である*18。
日本国内での炎上発生件数はモバイルとSNSが普及し始めた2011年を境に急激に増加しており、個人・企業問わず炎上の対象となっている。

考察
情報通信白書の内容ではネット炎上について参加している人々(書き込みへの直接参加)は全体から見るとマイノリティであるという結論ではありますが、直近であった「くら寿司」や飲食店などの炎上動画においては爆発的な一般人の参加やマスメディアに特集されるなど社会的な影響も見受けられるようになっていると言えます。

ですので考えるに、BtoCから(企業の公式アカウントからユーザーへ)炎上したパターンと、CtoCで(企業に務める人物がプライベートで投稿したものが一般ユーザーへ)炎上したパターンは性質が違うのでその点を考慮した社内のコンプラ・契約・炎上時のフローというものはしっかりと対策する必要があると思います。

炎上確認経路のエビデンス

最近ではネタを取るために「局」がバイトを雇って炎上ネタの収集などを行っておりますので炎上に敏感なのはユーザーよりも局であって、それをリテラシーの低い視聴者が視聴し、更にはフェイクニュースであってもシェアしてしまうということもよく耳にするようになってしまいました。

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IoT 国際競争力指標はハードウェアの内容が多かったため省略します

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Society 5.0が真価を発揮するために何が必要か

人々のマインド変化

「所有から利用へ」と言われるように、人々はモノを所有するのではなく、使いたいときに使うという思考・行動様式に変化してきた

必要な時に必要なだけ利用する。レンタルという概念はさらに進化し常に他人とシェアするという概念へと変わりました。

レンタルからシェアリングへ。

そして、モノから時間へ。
人の稼働時間をシェアする「ウーバーイーツ」の出現など。

これらが「ゆらぎ」です。


そしてビジネスモデルの構造の変化が上図になります。
特に C to C に注目がある状態を感じております。


5G の世界で実現に可能になること

データに付加価値が加わるには量・速度・正確性・多様性が必要です。その勝ちあるデータを提供していくためには安定したインフラ位が必要です。それが5Gです。

5Gのインフラによってサイバー空間と現実世界が融合し新しいビジネス・サービスの提供が可能になります。


データが価値を創出する例

例)
株式会社小松製作所は、建設現場のあらゆるデータを活用して建設生産プロセス全体を最適化する「スマートコンストラクション」を推進している*16。この「スマートコンストラクション」では、同社の製造・販売する建設機械に取り付けたセンサーから収集する様々な施工現場のデータのほか、ドローンにより収集した測量データ、設計図面のデータ、地質・地下埋設物のデータ等を3次元データとして構成する。これにより、正確な施工計画や、施工中のリアルタイムでの進ちょく管理が可能となるとしている。また、施工現場で事前に予測が困難な事態が起こった場合であっても、現場監督や現場作業者の会話・日報等から学習したAIが、最適な対処方法を提案するとしている。更に、施工のプロセスのみならず、調査測量や設計、維持保守といった全てのプロセスの見える化を可能とし、全体最適化を図っている点に特徴がある

考察
あらゆる工程にIoTを組み込むことで全体の生産性が上がります。それは誰もがぼんやりと抽象的なイメージをもってはいますが自分の家ですらなかなかスマートハウスにすることは難しいことです。着手できることからスマート化することが大切だと考えます。


規模の制約を超える―ニッチマーケットが成立する「市場の細粒化」がおこる

考察
ビッグデータがいよいよ活用されるとユーザーのニッチ化が進みロングテール商品の訴求が可能になります。それは既にAmazonがユーザーの購買行動をより細かくオートメーション訴求を実行し、ロイヤリティを高めています。しかし市場全体のインフラが充実することでAmazonの競合が出現出来る環境となるわけです。

5Gによるインフラの充実、ICT費用の低下によっても日本には課題がまだ残っています。それは、ビッグデータに対するデータサイエンティストの不足です、それらのデータを有効活用する人材は圧倒的に足りないということです。それらが解消されない限りは5Gはただの宝の持ち腐れとなってAmazonなどの巨大企業に対抗する術は無いといういことです。


ICTの位置付けの転換

マーケティングの責任者(CMO)という概念が徐々に日本でも定着しつつあるようにICTを推進していく姿勢はこれまでとは違った方向へ向かっています。守りから攻めへ。バックオフィスからフロントオフィスへ。

企業における推進責任の「ゆらぎ」と言えます。

BizDevOpsというコンセプト

サイバー空間と現実世界の融合が進んでいく中で、ICTと事業との連携は一層重要になっていくと考えられる。ICT企業や、ユーザー企業の情報システム担当部門は、事業についての業務知識を向上させるとともに、積極的に事業に関与していくことが求められる。

と、上図のように記載されておりますが実際にはかなりの人材不足によることから中小企業では難しいですし、大企業で現実的ではないということが多いと思います。

この課題はこれからの日本では継続的な課題となり得ますので、先に述べたように個々のリテラシーがどれだけ伸びていくかということが重要かと考えております。


人材不足についての資料

我が国のICTは推進されていることとは反比例して人口減少による人材の全体数の減少と、キャリアパスによる育成数の増加が見込まれないことから若手の数が不足していることが課題であり、これもまたすぐには解消されないことである。

これについて情報通信白書では「大学はニーズにあったカリキュラムを提供できるか」と記載しており、日米の法科大学院におけるカリキュラム内容を比較する資料を掲載していました。圧倒的な内容不足です。


地方はデジタル経済によってチャンスが巡るか?

考察
すでに地方特産品の個人売買などでその恩恵を受けている方々はいるが、まだまだインフラを利用しきれいていない数はがいます。それはICTへのハードルは高い世代(リテラシーの問題によって多くが)存在しています。

また地方に居住しテレワークを行うことや、企業が地方を利用したコスト減など双方にとって雇用変化をもたらし始めています。


働き方改革の影響資料

プラスの変化
・変化なし
・休暇取得のしやすさ
・労働時間減少
・効率化

マイナスの変化
・変化なし
・人手不足の悪化
・収入の減少


考察
自身も企業の働き方改革を実感してきましたが、業務効率化を実行していかなければプラスの変化はおろかマイナスへの影響が非常に大きいと感じました。ですので「タスクの明確化」「誰がいつまでに実行するか」というものが非常に大事になりますのでそれを整理していく人材やツールにフォーカスされます。それらを実行する術や管理していく能力のある人材が有用になっていく時代になります。
令和こそマネージャーが活躍する時代だと考えられます。

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災害とICTについては省略します

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小売・飲食・宿泊等接客業のデジタルイノベーションが引き起こす急激な変化

小売業における「Amazonエフェクト」の影響

「Amazonエフェクト」とは、アマゾン・ドット・コムの急成長に伴い様々な市場で進行している混乱や変革などの現象である。消費者の購買行動が実店舗からオンラインショッピングへと移行したことで、米国内の百貨店や
ショッピングモールが閉鎖に追い込まれるなど、既存の米国の消費関連企業が業績悪化や株価低迷に陥っており、同社による買収や新規事業拡大の影響は他の産業分野にも及んでいるとの指摘もある。インターネット上の新たなサービスが既存企業の存続に影響を与えるこうしたデジタル・ディスラプションへの対策は、実店舗における喫緊の課題といえるだろう。

人口減少による働き手不足の問題

Amazonエフェクトとは別に、人口減少に伴う働き手不足も接客業に大きな影響を及ぼしていると考えられる。我が国における15歳以上65歳未満の生産年齢人口は1995年をピークに減少傾向が続き、2025年には約800万人、2040年には約2,000万人が、それぞれ2016年と比べて減少するといった見通しがなされている。このような中長期のトレンドに加え、近年の景気回復及び雇用情勢の改善といった短期トレンドにより、労働需要の高まりとそれに
伴う人手不足感が拡大しつつある。特に接客業は他の産業と比較してこの傾向が高いことが分かる。また人手不足を起因とした店舗閉店・営業時間短縮といった動向もあり、人手不足型の倒産についても2018年は過去最多の件数に達している

デジタルトランスフォーメーションの広がりによって生き残りを試みる時代へ

・キャッシュレス決済
・セルフレジ
・AI、ロボット

考察
など人手不足を解消しつつデータの活用と利用者の利便性を向上させるサービスが出現してきました。またコンビニ大手ではユーザーの購買行動と天気情報をかけ合わせて商品発注データ予測の高精度化への取り組みなどを行っており、これまでの発注業務のオートメーション化が期待されています。

しかし日本のコンビニ業界はまだ一手遅く、米国では「Amazon GO」というレジなしコンビニ1号店を出店しています(2018年1月)。

このような進化は「Automation 1.0」▶「Automation 2.0」と課題付けられている。

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サービス別売上高

考察
情報検索サービス、掲示板・ブログ・SNS運営業は売上高が前年比で上昇しています。これらは少し情報が古いのでセキュリティに関連する電子認証などは回復しているのでは?とも考えられます。

今後展開したい事業分野も古い情報なので判断は難しいですが、ひとつ確実なこととしては1位の「クラウド」に関しては2019年現在確実に成長しています。それはSaaSビジネスモデルの成長性が裏付けております。

また、映像コンテンツ関連はサブスクリプションモデルが浸透し現在市場が伸びております。

コンテンツ内訳

こちらはデータ資料だけ転載となります。

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サービス利用動向(ユーザー行動)

世帯におけるスマートフォンの保有割合が約8割、一方、固定電話の保有割合は約6割になっている

スマートフォンでのインターネット利用がパソコンを上回っている

多くの都道府県でスマートフォンによるインターネット利用率が50%を超えている

考察
スマートフォンに重要性があるからと言って、都市型の利用時間でマーケティングを行っても、地方型の利用時間で行ってもいけません。

都市は電車通勤の時間帯にインプレションが寄るだろうし、電車通勤の人は動画による音声を聞けない人が多いはずです。絶対数が多く効率的にデータを取ったりCV数を上げていくならば単純に都市へ集中すれば良いのですがこれからニッチ市場をより開拓する時代が来ることに逆らう可能性になります。

地方は車通勤であったり生活時間が都市型と少しずれてくるはずですが、動画は流しっぱなし(音声可)に出来たりするとも考えられます。しかし絶対数が少ないのでデータ収集精度とオートメーションが課題になってくるかと思います。

総じて「個人の消費タイルに合わせてマーケティングする時代にシフトしている」と言えます。


インターネットに対する不安

考察
インターネットを利用する上で「履歴」に対する行動プライバシーへの不安と、「ウイルス関連」に対する悪意のある攻撃への不安が上位でした。

また何らかの被害を受けた経験がある方がパソコン・スマートフォンにおいては過半数を超えていることからユーザーの不安への配慮ということは絶対に欠かせない企業側の課題であると言えます。

・https
・プライバシーポリシーやセキュア情報の明確な開示
・サポートへの明快な導線
など不安をどのように払拭していくのか?などです。

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まとめ

・時代は5Gへ
・ビジネスモデルのゆらぎが発生
・スマートフォンありきへ
・サービスはサブスクリプションへ
・時間をもシェアリングへ
・深層学習や強化学習などのAI化
・セキュリティは大きな課題
・IT関連の人材は非常に不足している
・企業のIT人材育成が急務
・地方振興にはICTが不可欠
・人々は信頼を求めている
・固有にマッチしたデータ提供をしなければならない


私達がしなければならないことは「群像マーケティング」を脱却し「固有マーケティング」へ移行しユーザーにとって有用なデータを活用していくことです。そのためにはデータ処理のインフラの確立とソフトウェア(AI)の進化が必要な時代へとついに突入しました。

「ゆらぎ」の時代ではウォーターフォール型の開発よりも、アジャイル型でよりスピーディーに対応し新しい技術の取り入れをしていかなければならないのです。

やがて提供されるデータがユーザーにとって信頼性の高いものであれば、企業へ還元される果実は素晴らしいものになると期待するばかりです。


※本年度の情報通信白書は「Amazon」など黒船的な海外諸国のサービスや諸々のデータと比較された内容が多かったと感じました。本noteには記述しておりませんがPDFにはIoT導入状況などの諸国比較資料もありますので興味があればご覧ください(P65)。


ご拝読ありがとうございました。


筆者紹介

経歴
一部上場企業(取引先はメガバンク・地銀・投資信託事業社など)のIRやディスクロージャー関連を中心としたWEBディレクター・WEBプランナーを経て、ITコンサルタント、メディアバイイング、広告事業セールスサポート(国内最大手コンビニエンスグループ系列傘下のSNSチーム立ち上げ・百貨店SNS広告・音楽事務所SNS広告・国内最大手教育事業グループ自社ネットワーク広告立ち上げ)など多数を経験。



サポートは無料記事やインジケーター開発費用に充当させて頂きます。