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書評 ナシーム・ニコラス・タレブ ブラック・スワン

以前に原著を拙い英語力もあって、時間をかけて読んだが、今回は上下巻の日本語訳で改めて読んでみた。

タレブといえば、08年のリーマン・ショック以前にこの書を世に出したことで、大いに注目されることになったが、副題の「不確実性とリスクの本質」とあるように、経済学とファイナンス理論と呼ばれる物を、いわば「ブッタ斬り」しているのが、本書の大きな特徴だ。歴史、哲学、心理学などからもアプローチしていき、「不確実性」は扱えないというのが、全体を通して著者が主張するところである。

「ブラック・スワン」とは、誰もが予想しえなかったことを指しており、読んでみて感じたのは、これはもう避けて通ることができないということである。世界は実際にはそんなにわかりやすくはできていない。それを踏まえながら、どのように対処していけば良いか。そんなことを突きつける書である。

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