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書評 縄文vs.弥生 設楽博己

個人的には、縄文時代と弥生時代は原始時代で連続性があるように感じているのだが、実際には異なっているのが同書を読んでの感想だった。著者は縄文・弥生文化の専門家。縄文時代は採集狩猟を中心としたから、農耕を営み文明化や国家の形成が進む弥生時代に移り、大陸からの文化の流入も見られているという。農耕、漁撈、狩猟、通過儀礼、祖先祭祀、格差、ジェンダー、動物表現、土器という9つの視点から、当時の生活を浮き彫りにしている。現在のさまざまな状況につながる流れについて、その起源にも触れている。書の性格上仕方のないかもしれないが、やたらと研究者の名前が出てくるので、やや追いつくに苦心したが、最終部を先に読むと整理できるかもしれない。

#書評 #日本史 #古代 #弥生 #縄文