十の音色

道の終着点が見えないけれど
もうすぐ終わるのかなって思う
インスタントカメラを携えて
こっそり戻って写真に収めていた

街並みは変わることを
実感として初めて知った14歳

緑色の大きなまんまるが目の前に現れた
あの光はなんだったのだろう

昔居た場所に行けば
終わることができるとどこかで思っていたけれど
そんなことは全然なくて
ずっとこの胸の痛みは消えない

傷口を縫い尽くして
それでも足りないと
無様にわらわらと
こぼれていく とめどない
私は人間なのに
どうして人間になり切れないような気がするのだろう

寒ければ温めればいい
暑かったら冷やせ冷やせ
でも痛みだけは繰り返し繰り返しじりじりと時に冷たさをも持っている
誰にも言えない
喚き立てるなと抑えることしかできない

大丈夫大丈夫大丈夫
あと何千回言えば大丈夫になるのだろう

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