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【掌編小説】 まき

わたしと夫は
SEXレスだ

もう
かれこれ
3年くらいだろうか

最初は
あまり
気にかけても
いなかったのだが

何度か
そういう
雰囲気に
なった時も

うまく
はぐらかされて
いたのだと思う

それ以外の
日常は
今までと
何ら
変わることなく
続いているのだから

離婚したい
訳では無さそうだけど

なんだか
モヤモヤした
気持ちは
なくなる訳がないのだ

上手く隠してる
つもりのようだが
最近
女の影が
ちらつく

本気ではないから
問題ないとでも
思っているのだろうか

いわゆる
妻だけED?なのか

そういうことを
話し合う
機会さえ
もてていない

わたしには
触れること
なくなった

その手で

他の誰かには
触れるのか

そう思うと
嗚咽がもれるほどの
痛みが
込み上げてくるのに

身体も
心も
触れ合いたいと
願っているのに

あなたは

その気にはなれない
という一言だけで
片付けてしまうつもりなの?

拒絶されたら
わたしの
全てを
否定された気に
なってしまう

避けらるのが
怖いから

本当の気持ちを
隠して暮らすことにも
疲れた

馴れ合いの
生活を
断ち切るには

それなりの
勇気と覚悟が
必要だが

今が
その時なんだと
感じている

曖昧で
どっちつかずの
態度では

わたしの
憤りは

あなたに
届かない

もう
女として
見られない

というのなら

これ以上
わたしを
苦しめないで

嫌いになった
訳では
ないから

未練がないといえば
嘘になるけど

この先
ずっと
女として
生きられないのならば

惨めさで

自分を
保っては
いられないから

あなたの
気持ちを
確かめてみる

答えは
決まっているって

知っているのだとしても



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