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【掌編小説】 ふみ

わたし
結構もてるみたいだよ

世間一般でいう
いい男たちから
たくさん
アプローチあるよ

でも
心惹かれる人は
あまりいないかな

まだ
あなたのことが
忘れられないからかもね

特に
これといった決め手は
なかったけど

いつのまにか
好きになってたみたい

あなたが
あまり
わたしに
興味なさそうだったから

好きになるの
抑えようとしたけど
難しかった

思い通りには
行かないね

だんだん
連絡も
途絶えがちになって

寂しい気持ちが
溢れてきたけれど

本当は

会えないことが
辛いんじゃなく

会いたいとも
思ってもらえないことが
悲しかった

たった一言の
つなぎの言葉さえ
あったのならば

もっと
待つことだって
できたけど

あなたにとって

いても
いなくても
かまわない存在
なんだと思うと
胸が潰れそうになるから

わたしから
サヨナラするね

もっと
ちゃんと
意思表示してほしかった

嫌いなら嫌いと

好きなら好きって
言って欲しい

わたしにばかり
言わせたがったけど

あなたが
どう思ってるか
最後まで
わからなかった

わたし
そんなに
魅力なかったかな?

あなたのことは
諦めて

新しい恋を
見つけようとしてるけど

そう簡単には
いかないみたい

もう
伝わることはない

この想いを
どこへ
ぶつけたら
いいのかも
わからないまま

まだ
当分には

抜け出せないのだろうと

この
どうしようもなく

深くて
甘い

暗闇の中で

溺れそうな
わたしがいる




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