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RECAMPの第一走者として、未踏の課題に挑む背中を示していたい

見た目のクールさとは打って変わって、高い熱量でチームを引っ張る髙橋さん。その原点は、学生時代の競技経験にありました。いつでも困難に対して前向きに思考錯誤しながら、挑戦を楽しんでいる髙橋さん。RECAMPしょうなんのマネージャーとしてのやりがい、難しさ、目標についてお話を聞きました。

髙橋 武(たかはし たける)
所属:株式会社Recamp RECAMPしょうなん|マネージャー
陸上競技選手と営業のデュアルキャリアを経て、2021年にRecamp入社。几帳面で、実は虫が苦手。

――これまでのキャリアを教えてください。

髙橋:学生時代から、陸上競技の走り幅跳びに打ち込んでいました。社会人になってからは実業団選手として、会社にはスポンサーとしてもサポートしていただきながら東京オリンピック出場を目標に競技をしていました。フィジカル・メンタルの両面でタフさが求められ、なかなか大変でしたが、この時の経験が今も活かされているなと思います。

学生アスリート時代

実業団選手時代は、競技はもちろんですが、業務でも成績を残さなくてはいけません。自分から志願した働き方でしたが、誰にも言えない苦しさがありましたね。また、限られた時間で練習と業務をこなすので、マルチタスクをこなすスキルもこの時に身につきました。

――なかなか特殊な経験をされていますね!Recampにはどのような経緯で入社されたのですか?

髙橋:陸上競技は自分にとってとても大きい存在です。区切りをつけようと思ったとき、同じくらい情熱を注げるものは何かを考えました。そのときに思い浮かんだのが、趣味として好きなキャンプでした。
Recampのホームページに焚火ミーティングの写真があって、それを見たときに「会議ってこうあるべき」みたいな既成概念に捉われずに働いている姿に惹かれ、心が躍ったのを覚えています。ほかにも興味あることはあったのですが、心が躍ったし、未来が見えました。この先やっていきたいという具体的なイメージが持てたのが決め手でした。

――Recampでの業務や役割について教えてください。

髙橋:RECAMPしょうなんのマネージャーとして、施設の運営管理全般を担っています。しょうなんは数あるRECAMPの中でも特殊な施設です。
まずはキャンプの楽しみ方「スタイル」です。多くのRECAMPにはテントサイトの他にロッジやキャビンなどの建物があり、楽しみ方の幅がありますが、しょうなんはテントサイトとフリーサイト、常設テントで構成されています。特に、デイキャンプの割合が大きく、売上構成比なども含めてここは他の施設と比べると特殊な点です。

また、「立地条件」も少々特殊で、しょうなんは柏の住宅地のすぐ近くにあります。高速道路のインターからも近く、アクセスは抜群なのですが、自然のダイナミックさは少し欠けます。そのようなキャンプ場として限られた環境のなかで、どのように収益を上げていくかに挑んでいます。
しょうなんが成功事例となれば、今後、公園や遊休地の利活用で悩んでいる自治体様へアプローチする良い事例にもなるのではと考えています。旗艦店として、そのような役割を秘めている店舗を任せてもらえることに、とてもやりがいを感じています。

――最近注力されていることはありますか?

髙橋:2年くらい前から運営にフォーカスし推し進めてきましたが、ここはだいぶ固まってきたと感じています。現在は旅ナカにあたる部分として、顧客体験価値を高める施策に着手しています。しょうなんは手賀の丘公園内にある施設です。アスレチックと結び付けたり、イベントを考えたりと、公園という空間を最大限活かした仕掛けをつくれないかと知恵を出し合っています。

――具体的に行ったことはありますか?

髙橋:RECAMPしょうなんとして、お客様にどのようなバリューを提供するのか。目的を明確にするために、ストアコンセプトの策定から行いました。
しょうなんのストアコンセプトは“あなたの「HOME」キャンプ場に”です。

先ほども言ったように、しょうなんは他のキャンプ場と比べると、ないものがたくさんあります。逆に、あるものもたくさんあります。RECAMPしょうなんを因数分解していったときに、公園であるが故の「なじみある」「かまえない」という点に親しみを感じていただけているのではと考え、このコンセプトにたどり着きました。今では、イベントを企画するときも、カフェのメニューを考えるときも、このコンセプトに沿って形にしています。

ストアコンセプトの策定

実際に昨年の夏はカフェの売上目標達成に向けて、コンセプトに則ってメンバーと取り組みました。しょうなんのカフェは、公園利用のお客様にも多くご利用いただいています。特に夏はお子さま連れのご家族も多くなります。ターゲットを明確にし、公園に来園される朝のタイミング、また、遊んでひと休みする昼過ぎのタイミングでしっかりとご利用いただけるような対策をしました。メニューもコンセプトに沿って内容を見直し、「届けたい人へ、届けたいものを届けたいタイミングに」を考えて行った結果、売上目標の達成はもちろん、昨対比1,100%を達成できました!ものすごく嬉しかったし、中心に動いてくれたメンバーの努力が形となって本当に良かったなと感じました。

――昨対比がすごい!これまでに髙橋さんの印象に残っている業務はありますか?

髙橋:RECAMPでは全施設でスマートチェックイン(※)の導入を進めているところですが、全施設に先駆けて初めて導入したのが、しょうなんです。白羽の矢を立ててもらい、奮闘したのは印象に残っています。
(※)スマートチェックイン:web上で受付ができる機能。受付に立ち寄らずチェックインができる。

RECAMP全施設導入へ向けた説明会の様子

しょうなんの役割は、現場で実装し課題を洗い出し、全施設展開のフェーズへもっていく橋渡しをすること。私自身、誰もやったことがないことにやりがいを感じる方なので、とてもわくわくしていました。とはいえ、困惑する場面も多々ありましたが(笑)。

このプロジェクトはRECAMPだけではなく、「なっぷ」エンジニアの辻本さん、システム開発会社の方など多くの関係者と連携しながら進めなくてはいけませんでした。これまで関わりのなかった方々と、やったことがない領域をつくっていく。まさに手探りで進めていきました。

――意識したことは?

髙橋:コミュニケーションのスピード感は意識していました。また、今回は現場であるしょうなんがキーとなる大事な役割を担っていたので、社内外の人たちが関わるプロジェクトのため、誰にどこまで伝えていいのかなど、各関係先へ適切な橋渡しができるようにも心がけましたね。現場では通常通り営業もしていましたので、ケーススタディを事前に準備するなど、現場メンバーへの負担を最小限にする工夫も行っていました。

――Recampで、習得したこと、成長したなと思うことは何ですか?

スタッフと意見交換

髙橋:全部です!ビジネスの根本的な部分を学ばせてもらえているなと思っています。どうすればお金をいただけるのか、どういったものを提供すれば利用していただけるのかといった基礎的な部分から、ダイナミックプライシングなど宿泊業特有の仕組みなど。学生時代は観光学部だったので概念としては学んでいましたが、Recampで実務として捉えられるようになり、「観光業や宿泊業ってこんな仕組みで成り立っているのか」と身をもって学べています。

また、対人の部分では、考え方やスタンスの違う人とどのように一緒に進めていくかを学びました。競技時代にも主将としてチームを鼓舞して引っ張ってきました。でも、会社はそうはいかない。個人個人に合わせて長期でモチベートできるような接し方をしないといけないと実感しました。

しょうなんメンバーと焚火ミーティング

私の好きな言葉に「早く行きたければ一人で行け、遠くへ行きたければみんなで行け」があります。これまでは自分が抱えて歯を食いしばればいいと思って進めてきましたが、それだとどこかで頭打ちになります。ひとりひとりに任せるところは任せて、みんなで進まないとダメなんだと思います。ただ、そうしてもらうには自分の役割を示すことが必要で……。
背中を見せて「髙橋もやっているんだから、やらなきゃ」と思ってもらえるようにしたいですね。ここはちょっと体育会系っぽいですが(笑)。

――大人になると自分の考えを変えられない人も多いかと思いますが、どうやって変えられたのですか?

髙橋:私自身、周りからのアドバイスは素直に聞ける方なので、いろいろな方からのアドバイスを聞いているうちに変わったのかもしれないですね。あと、変わらないといけないと思うタイミングも多々あったのも事実です。その都度、そう思いながら変わっていったのかも。

しょうなんスタッフ山田さんと

また、しょうなんのみんなの言葉も大きな支えになっています。「髙橋さんとは考えやスタンスは違うけど、本気度がすごいからついていきます」と言ってくれたメンバーもいます。お互いがリスペクトしようと思う気持ちがあれば、結果的にいい方向に進むのではないでしょうか。

――逆に、課題感はありますか?

社内外の関係者と連携

髙橋:面白さでもありますが、守備範囲が広いことですね。キャンプ場運営は宿泊業やホテル業とも近い部分もあるし、物販など小売の側面もある。また、しょうなんはカフェがあったり行政との折衝もあります。運営だけに目を向けていればいい訳ではないため、守備範囲が広く、そこは魅力でもあり難しさでもあると感じています。
特に難しいのは、行政との連携ですね。そもそも役割や目的が違うなかで、同じ目標に向かって進めていきますが、各々のポジションが違うのでハンドリングに課題感を認識しています。工数のわりに、思うように進まない、といったもどかしさもありますが、「地域をよくしたい、活性化させたい」と思う気持ちは同じ。うまくできるようにしていかないと、と思っています。

他にも、旅ナカの施策をもっと高めていきたいし、新しい企画もやっていきたい。やりたいことがたくさんあるのに、現状手一杯。そこの時間の使い方も課題です。また、たくさんのことを進めるには現場メンバーの負担も増えます。みんなの負担を考えつつ、新しいことに挑戦していく摩擦をどうバランスとっていくかとか……。

――そこが今後の目標ですね。

髙橋:そうですね、プロジェクトの進め方についてもっと知見を習得していければ、今よりもスピード感をもって実現することもできると思っています。施設ごとにオーナーが違うので、他の施設と比較するとスピード感に欠けたり思うように改善ができなかったりして、もどかしく思う部分も正直ありますが、しっかりと目的を持って熱量をもって伝えればきっと伝わるはず。社内外の考えの違う人たちとも、自分でハンドリングして進めていける技量を身に着けていきたいです。

薪割りなどのフィールドワークの様子

また、同じ志をもった仲間をもっと増やしていきたいです。しょうなんは旗艦店としてさまざまな機会で訪れていただくことも多い施設です。他の施設のメンバーにしょうなんのいいところや熱量に触れてもらって、感化された人が更にその施設でも熱を伝導させて、波が大きくなっていく。そんな波を起こせていけたらいいなと思います。

個人目標では、エリアマネージャーを目指したいです。簡単な道のりではないですがいい方向へ進めるように、Recampと一緒に成長したいです。熱量はずっと維持したまま、「あいつもがんばってるから」と思ってもらえるような行動をしていきたいです。自信をもって「背中見ろよ」と言いたいですね!アスリートとしてのアイデンティティをベースに、自分らしくありたいなと思っています。



【編集後記】

つくづく感じるのは、Recampのマネージャーの皆さんは、求められる役割を理解し、能動的に行動している人が多いということ。さらに言うと、穏やかでいて、芯が強い、そんなイメージがあります。
髙橋さんのお話しからも、環境や規模、それぞれ施設によって特徴が異なるように、改めてマネージメントスタイルはマネージャーの数だけあって正解なんだと思いました。

余談ですが、記事作成にあたって、原稿を髙橋さんにチェックしていただいた際、“トップランナー”ではなく、“第一走者”で、とご指摘がありました。確かに、誰よりも速く先頭を走る“トップランナー”ではなく、“第一走者”としてベストな状態で次の走者へバトンを繋ぐ、そんな仕事の仕方をされているではないか!と。だからこそ、“第一走者”という例えが何よりもしっくりきました。

持ち前の柔軟性と熱意を強みに、これからもたくさんのバトンを繋いでいかれることでしょう。

取材日 :May.2024
取材・文 小野
編集 j.funakoshi



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