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会社と一緒に成長・進化が楽しめることがインハウスデザイナーの醍醐味

デザイン事務所を経て、アパレルメーカーでインハウスデザイナーとして物販店舗中心に内装デザインをしてきた経験をもとに、フィールドデザインという新たな道を進み始めた宮澤さん。ただ美しいだけでなく、快適性・機能性も兼ね備えた空間デザインで、キャンプ場の魅力やアウトドアの楽しさをたくさんの人に伝えていきたい。そんな宮澤さんに、デザイナーとしてのやりがい、使命、大切にしていることなど、仕事の魅力をお聞きしました。

宮澤 衣瑠弥(みやざわ いるみ)
株式会社R.project キャンプ事業開発本部 クリエイティブ部空間デザイナー
物販店舗の内装デザインを数多く手掛け、デザイナーとして活躍すること約18年。R.projectに新設されたクリエイティブ部に2023年6月1日に入社し、キャンプ場のブランディングを軸にデザイン業務を担当する。


<R.projectグループについて>
合宿事業(株式会社R.project)、キャンプ事業(株式会社Recamp)、BBQ事業(株式会社ヒーロー)を柱に、キャンプ場検索・予約サイト「なっぷ」の運営、アウトドアの力を活用した日本全国の未活用不動産、公園などの活性化、公設キャンプ場のリニューアルを行い、アウトドア体験をより身近に、多くの方に体験いただけるよう展開を行っています。


━━入社のきっかけは?

宮澤:前職で取り組んでいた清川村(神奈川県愛甲郡)の新規事業で、イベント企画や地域の方々との関係性作りを担当していたなかで、グループ会社のヒーローに防災プログラムをお願いするなど、もともとつながりはありました。それまでは洋服など「商品」を通したお客さまとの関係でしたが、デイキャンプなどの「体験」を通じてお客さまが笑顔になって帰って行かれる姿を見て、内装デザインとはまた違ったフィールドデザインに興味を持つようになりました。
また、新規事業をきっかけにOIS(Outdoor Innovation Summit ‖ アウトドアイノベーションサミット)にも参加し、R.projectの社風やそこで働く人たちにとても魅力を感じました。今回クリエイティブ部を新設を機にお声がけをいただき、転職を決めました。

━━クリエイティブ部の業務、またデザイナーとして担当しているお仕事について教えてください

宮澤:新しくできた部署なので、これからもっと幅広い部分を担うようになると思いますが、今現在はSTEP OUTやRECAMPの根幹となるブランディング、そこから派生したサイネージやPOPなど、キャンプ場を視覚的に整えて、運営意図をお客さまに伝わりやすくするといった部分を担っています。
私自身は、ディレクターと連携しながら、空間デザインをメインに新規施設だけでなく、既存施設のVMDや物販エリアの改善提案などを行っています。

━━仕事をするうえで大切にしていることは?

宮澤:内装やお店作りは、どんなプロジェクトも一人で完結することはないので、自分がそこにいる意味や、自分ができることは何か?をひとつひとつ大切に考えるようにしています。チームの輪や関わる人の意見を「なぜそう思うのか?」まで深掘りして、最適なポイントを考えながら進めています。

打合せ風景(過去プロジェクト一例)

━━個人の好みや感性でデザインに対する意見が分かれるようなこともありますか?

宮澤:最初にコンセプトしっかり決めてそれに基づいてデザインをしていくので、意見が分かれた場合でもストーリーや経緯を交えて話すようにしています。そのうえで見た目の美しさだけでなく機能性も掛け合せるなど、丁寧にコミュニケーションを重ねてひとつの形を作り上げていきます。

手しごとの家(過去プロジェクト一例)

━━転職をする際、重視したポイントは?

宮澤:デザインの分野に関わることはベースにありました。「好きこそものの上手なれ」じゃないですけど、自分の好きな分野や得意なテイストに合うかどうかはデザインをするうえでとても大切です。そこまで得意ではないものや、自分事になっていないものは「こんなの好きかな?」といった想像の延長での提案になってしまうので、的外れだったり、説得力も弱くなります。なので、自分が良いと思うものからデザインを組み立てられるように、好きなテイスト・ジャンルに自分をおくことを重視していました。

━━社風や働く人たちのことを知っていたとはいえ、転職するとなると緊張したのでは?

宮澤:めちゃくちゃ緊張しました。今も緊張継続中です(笑)。前回の転職は、デザイン事務所で担当していたブランドを、インハウスでサポートする体制変更でしたが、やっていることもチームも継続だったので、今回、まったく新しい環境に変わることに「大丈夫かな?」という心配はありました。

━━環境が変わる、業界も変わる、そこにはどんな思いがありますか?

宮澤:今はワクワクしています。空間デザインという括りのなかでも店舗のデザインとキャンプ場のようなフィールドのデザインでは全く違います。内装については経験値も積んできたし、相談相手もたくさんいて、自分でもある程度「できる」と言えるスキルを身につけてきました。そこから次のステップを考えたときに、違う業界で自分の幅を広げられることに対してワクワクが大きいです。できることが多くなるのは嬉しいので。

━━今までの職場と比べて、R.projectに入社して驚いたことは?

宮澤:今回、完全リモートワークの環境からスタートして全体感がわかってなかったので、初めてなっぷやRecampの全社会議に参加した際に、「こんなにたくさんの人と働いているんだな・・・」と実感したのと同時に驚きもありました。
以前の会社もコロナのタイミングでリモートワーク環境は整備されていましたが、メンバーのことも規模感もわかっている状態だったので新鮮でした。

━━リモートワーク環境にやりにくさを感じることは?

宮澤:今のところ全くなくて、会議の進め方もスムーズで困ることはありません。

━━これまでの経験を活かして、R.projectにプラスに作用させたい、根付かせたいものはありますか?

宮澤:私の経験のなかで強みとなっている部分は、デザイン事務所で外から見ていたブランド側に移って、内側からデザインをしてきたところにあります。作ったら終わり、オープンしたら手を離れる関係性ではなく、オープンしてからスタートする運営を見越したデザインを意識してきました。今は、お客様もSNSやいろんな場所でセンスの良い素材に触れる機会が増えているので、感覚や期待値が上がっていると思います。現状運営する施設でも、デザイン寄りの意見だけじゃなくて、使い勝手とか実際の困りごとなど、コミュニケーションを取りながら一緒にブランドとしての表現を模索し、それがブランディングに繋がっていく仕事をしていきたいと思っています。

━━会社の雰囲気はどうですか?

宮澤:皆さん自然体で働いている印象があって、それはアウトドアにかかわる会社ならではなのかな?と感じています。先日も広島出張で他部署の方と直接話せる機会があったんですが、みんなで翌日の資料について遅くまでディスカッションしたり、夜も集まって話をしたりと良い雰囲気で仕事ができています。
オンラインだけではなかなかそこまで感じ取れないので、ほんとに良い機会でした。

━━デザイン分野に進もうと思ったきっかけは?

宮澤:絵画講師をしている父の影響で、幼少期から芸術に触れる機会に恵まれていたことがベースにあります。私はゼロイチで何かを表現するというよりは、もともとベースがあるものや問題をクリアにしていくイチからプラスに働く提案をするほうが合っていたのでデザインの分野を目指しました。漠然と自分がデザインした空間で、近しい人たちに心地良い時間を過ごしてもらうことができたら良いな、と思っていて…学生のころにディズニーランドで、昼間は茶色い山が、夜は白く演出されていたのを見て、まったく雰囲気が異なることに感動して、そんなふうに一度にたくさんの人を感動させられるような商空間のデザインに進みたいと決意して、今に至ってます。

━━進むべくして進んだ道ですね…天職だと思いますか?

宮澤:好きじゃないと続かない性格なので(笑)ここまで続けられたのは、やっぱり合ってたんだなと思います。

━━プライベート・休日はどんなふうに過ごしていますか?

宮澤:登山・キャンプ・映画・旅行とけっこう外に出ることが多いです。出掛けた先でご当地の食べ物やお酒を楽しむことも好きです。今年のゴールデンウィークに福井県に行って、ようやく日本全県制覇できました。良い眼鏡を買うぞ!と鯖江に行ったんですが、工場ばかりで眼鏡は買えませんでした(笑)。なので美味しいご飯とお酒をたくさんいただいて帰ってきました。
最近は旬なものが好きで、今週末も茨城で野菜の収穫を手伝わせてもらう予定です。

━━そういったプライベートの過ごし方が仕事にも影響していると思いますか?

宮澤:そうですね…過ごし方というよりも最近は、その場所にしかないものをどう感じられるかに目が行くようになったので、デザインの仕事につながればいいと思いながら、いろんなことに目を向けるようにしています。

━━夢中になっていることはありますか?

宮澤:今は、キャンプ熱が上がっています。
退職するにあたって前職の仲間からバトニングナイフをもらって…というかおねだりしたんですけど(笑)、最近はフェザースティックを作ってファイヤースターター(火打石のようなもの)でマッチやライターを使わずに焚火を楽しんでいます。これからもっと技を磨いていきます(笑)。

━━この業界でやってみたいことは?

宮澤:まずは私がデザインで関わった施設で、家族や友人とキャンプをしてみたいという目標がひとつあって、その先にキャンプ場のファンやアウトドアを楽しむ人が増えることに貢献できれば良いなと思っています。あとは、先日広島に行って実際に施設を見て、私自身がこんなに贅沢な空間でキャンプができるのは羨ましいなと思ったので、地方自治体が持っているポテンシャルの高い施設の利活用という点でも、施設ごとの色や特徴をたデザインで来場者増の役に立てればと考えています。

━━最後にご自身の生き方、働き方をひとことで表すとすれば?

宮澤:取り方によっては少しお恥ずかしいんですけど・・・転んでもただでは起きない(笑)です。
基本的には転びたくないタイプなので、転ばないための準備もするほうなんです。それでも転んだ時には“ドーン”って落ち込みます。ただそれだけで終わりにするのは悔しいというか、もったいないので、広い目で見たら学んだことがあったなとか、何かをするきっかけになったなとか、なにかしら意味付けをして納得するようにしています。気づけば平和な時よりも落ち込んだ後のほうが何かをする原動力に繋がっていることもあるので、人として成長するためには、転んだことも無駄じゃないと思っています。


<編集後記>

想いやイメージを伝えるために可視化すること、言語化することの難しさを経験したことのある人は多いはず。さらに、デザインには意図を伝えるだけでなく、課題解決といった使命もあるため、技術だけでなく聴く力=理解力が重要なんだということを改めて認識しました。宮澤さんのお話しは丁寧なことば選びがとても印象的で、「伝える」という点においては、デザイナーという職業柄や経験値以前に、ことばに心が添えられているからこそ「伝わる」のだと感じました。
やわらかで、楚々とした空気を纏いながらも芯の強さがある宮澤さんに、すっかり魅了されてしまいました。

取材・文:j.funakoshi
取材日 :Jul.2023


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