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#98 NFTで紙のデジタル化が加速する!?

『紙について楽しく学ぶラジオ/Rethink Paper Project』
このラジオは、「紙の歴史やニュースなどを楽しく学んで、これからの紙の価値を考えていこう」という番組です。
この番組は、清水紙工(株)の清水聡がお送りします。
よろしくお願いします。

紙の偽造防止技術

前回の放送で、紙幣の偽造防止技術の一つである「透かし」について取り上げました。
紙幣は、偽造防止の技術が使われた最高峰の紙です。
紙幣には、「透かし」以外の偽造防止の技術がたくさん使われています。
当たり前ですが、現在の紙幣の偽造防止技術は公開されていません。
公開したら、偽札の製造斡旋に繋がりますからね!
そんな紙幣以外にも、偽造防止の技術が使われた紙はたくさんあります。
例えば、「株券」とか「金券」「チケット」なんかもそうですね。
そんな偽造防止用紙たち。
「透かし」以外には、どんな技術があるのでしょう。

例えば、蛍光物質を抄き込むもの
これは、以前番組でも取り上げた「混抄紙」の一種です。
蛍光物質を抄き込むことで、蛍光灯を当てると、蛍光物質の部分が浮かび上がります。
一見普通の紙だけど、条件を加えると、状態が変わるものですね。

それから、紙と紙の間に金属やホログラムなどを挿入したもの
これは、金券やチケットなどにみられるものですね。
紙って実は1層で漉かれているものは稀で、大体の紙は多層構造になっているんです。
試しに水に浸してみてください。
綺麗に2枚や3枚といった風に剥がれてくるはずです。
これは、接着剤でくっつけている訳ではなく、乾燥する前の紙を合わせて、水素結合でくっつけているんです。
水素結合は、以前の放送で取り上げましたね。
この乾燥する前の紙の間にホログラムなどを入れ込むわけです。

紙を抄くときに加工を加えるもの以外で言うと、抄かれた紙に、特殊なインキで印刷して、偽造防止をする場合もあります。

こんな風に、紙には色んな偽造防止の技術があるんですね。

NFTとは?

さて、こんな紙の偽造防止技術たちに、デジタルの世界から新たなプレイヤーが現れました。
「NFT(エヌ・エフ・ティ)」です。
伊藤園が開発した、新しいお茶の名前ではありませんよ。
「NFT」とは、「Non-Fungible Token」の略で、日本では「非代替性トークン」と訳されています。
はい、日本語でも意味が分かりませんね。
「非代替性」は、そのままの意味で、「替えが効かない」ということです。
「トークン」は、「象徴」とか「記号」と言った意味がありますが、「NFT」の場合は、「価値のあるもの」みたいなイメージでとらえてください。
つまり、「替えが効かない、価値のあるもの」みたいなイメージです。

2021年に革命的な出来事が起こります。
Beepleという、当時ほぼ無名のアーティストのデジタル作品が、約75億円で落札されたんです。
ここから、主にアートのNFTがめちゃくちゃ出てきます。
最近では、OpenSeaというオンライン上のデパートみたいなところで、日夜色んなNFTが売買されています。

ブロックチェーンとは?

さて、このNFTの何がすごいのか?
それは、ブロックチェーンという技術です。
ちゃんとブロックチェーンについても説明しますね。
仕組みについて説明すると半端なく難解なので、ビットコインのような暗号資産を例に簡単に説明します。
今のお金って、国とか日本銀行が管理をしていますよね。
流通量を管理したり、偽造防止をしたり、何より国の信用によって価値が担保されています。
でも、暗号資産は違うんです。
まず、国や日本銀行のような中央が存在しません。
チェーンで繋がれたブロックがその価値を監視しあっているんです。
そして、データの改ざんがめちゃくちゃ難しい
だから、暗号資産のような通貨として成り立つわけなんです。
ほぼ意味が分からなかったと思いますが、「データの改ざんがめちゃくちゃ難しい」「非中央集権的な」技術と思ってください。

NFTによって加速している、紙のデジタル化

さて、偽造防止用紙って何に使われていましたでしょうか?
紙幣、金券、チケットなどですよね。
しかし、これらは既に、NFTによってデジタル化が進んでいるんです。
まず、「紙幣」の代替品として、先ほど例に挙げた「暗号資産」が流通しています。
それから、ライブチケットがNFT化している事例もあります。
日経トレンディの2022年12月号の「2023ヒット予測100」の中でも、「NFTチケット」が堂々のランクインをしています。
このように、紙のデジタル化は、NFTが出てきたことによって加速しているんです。
これから、この傾向はもっと進むと思います。
紙のデジタル化の背景には、「NFT」や「ブロックチェーン」のような技術革新があるということですね。

それでは、本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。

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「紙の価値を再定義する」をミッションに、現代の紙の価値を問い直す、RETHINK PAPER PROJECT!
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